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ただいま、バイト募集中!!
ただいま、バイト募集中!!1
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冒険を再開してから1ヶ月。
今日も『大和』は大盛況だった。どうやら、違う街からもウワサを聞きつけて、ウチにやってくる人もいるという事実まで知り、新たな商談チャンスまで手に入れた。
そして、今、大ニワトリが足りないという事態に陥っている。
想像を遙かに上回る状況に、冒険はまた大ニワトリ狩りがメインとなり、養殖場に逆に卸すという状態にまでなっている。
予想外の状況だ。ダンジョンの大ニワトリは数が減ることはない。常に安定供給。それだけが救いだった。
「これは、バイトでも雇わないと回らなくなるな……。」
「バイト?」
閉店後、銭湯に向かう時に、こぼした言葉にイリアが反応する。
「ああ。人を雇うって事さ。」
「なるほど。確かに人員は増えた方が効率は上がりますね。それで、どう言った人材が適任だと思われますか?」
「そうだな。今の状況からして、大ニワトリを狩れて、調理を覚えてくれる人。売り子も正直、後一人は欲しいな。二人でお客さんをさばいてくれれば、少しはお客さんを待たせる事もないし……将来的に、店を任せられるような人がいいな。」
「そうなると、自ずと冒険者という事になってしまいますね。ダンジョンに赴かないといけませんから。」
「そうだよな。ダンジョンに行ってもらわないといけないしな……。でも、兼業冒険者って俺達以外に居るか?居ても、自分の店持ってるだろ??」
「確かにそうですね。兼業冒険者は居ますけど、自分のお店を持っていますね。」
二人で頭をひねり考えるが、いい案は浮かばなかった。
翌朝。今日はダンジョンへ行く日だ。
何時ものように大ニワトリを大量に狩り荷車に積む。ギルドでクエスト完了の方向をし、久しぶりにステータスを更新する事にした。
思えば、スケルトンを倒した時も恥ずかしさからそのまま帰り、更新を行っていなかった。
アリシアにギルドカードを渡し、更新をしてもらう。
レベル40
ステータス、力200、魔力0、敏捷155、耐久220、器用120、運300、SP90。
やはり、思ったより上がってはいなかった。スケルトンを倒して以来、大ニワトリばかりだったので、敏捷も耐久も攻撃を避けてもいないし、防いでもいないので、ほとんど上がっていない。ただ、力と運だけはよく上がっている。
イリアのギルドカードも見せて貰う。
レベル2
ステータスは前のままだった。レベルが上がっていないから、そんなもんなのか。
なんか、不服だ。不満だ。
よし!ストレス解消に、明日は休日返上で違うダンジョンへ行くぞ!!
「よし!イリア!!明日は休日返上で違うダンジョンへ行くぞ!!」
気合い十分の俺にたいして、イリアは冷たい声で一言。
「ダメです。」
そう、あっさりと言い放った。
その日。家に帰って、イリアと珍しく、もめた。
「何でダメなんだよ?!休日をどう使おうが俺の勝手だろ!!俺、自身の!!」
そして、これが多分、決定打。
「そうですか……。約束したじゃありませんか?週に一日は休日を設けると。私との約束は守れないのですか?……それならば、自分一人でご自由にどうぞ。私は共には行きません。すみませんが、私は少し出て行きます。」
そう言い、イリアは出て行った。
ちぇっ!なんだよ!ったく!!上等だ。明日は晩までダンジョンに潜ってやるよ!!弁当でも作ってよ!!
俺は翌朝から一人でダンジョンへ潜ることにした。
今日も『大和』は大盛況だった。どうやら、違う街からもウワサを聞きつけて、ウチにやってくる人もいるという事実まで知り、新たな商談チャンスまで手に入れた。
そして、今、大ニワトリが足りないという事態に陥っている。
想像を遙かに上回る状況に、冒険はまた大ニワトリ狩りがメインとなり、養殖場に逆に卸すという状態にまでなっている。
予想外の状況だ。ダンジョンの大ニワトリは数が減ることはない。常に安定供給。それだけが救いだった。
「これは、バイトでも雇わないと回らなくなるな……。」
「バイト?」
閉店後、銭湯に向かう時に、こぼした言葉にイリアが反応する。
「ああ。人を雇うって事さ。」
「なるほど。確かに人員は増えた方が効率は上がりますね。それで、どう言った人材が適任だと思われますか?」
「そうだな。今の状況からして、大ニワトリを狩れて、調理を覚えてくれる人。売り子も正直、後一人は欲しいな。二人でお客さんをさばいてくれれば、少しはお客さんを待たせる事もないし……将来的に、店を任せられるような人がいいな。」
「そうなると、自ずと冒険者という事になってしまいますね。ダンジョンに赴かないといけませんから。」
「そうだよな。ダンジョンに行ってもらわないといけないしな……。でも、兼業冒険者って俺達以外に居るか?居ても、自分の店持ってるだろ??」
「確かにそうですね。兼業冒険者は居ますけど、自分のお店を持っていますね。」
二人で頭をひねり考えるが、いい案は浮かばなかった。
翌朝。今日はダンジョンへ行く日だ。
何時ものように大ニワトリを大量に狩り荷車に積む。ギルドでクエスト完了の方向をし、久しぶりにステータスを更新する事にした。
思えば、スケルトンを倒した時も恥ずかしさからそのまま帰り、更新を行っていなかった。
アリシアにギルドカードを渡し、更新をしてもらう。
レベル40
ステータス、力200、魔力0、敏捷155、耐久220、器用120、運300、SP90。
やはり、思ったより上がってはいなかった。スケルトンを倒して以来、大ニワトリばかりだったので、敏捷も耐久も攻撃を避けてもいないし、防いでもいないので、ほとんど上がっていない。ただ、力と運だけはよく上がっている。
イリアのギルドカードも見せて貰う。
レベル2
ステータスは前のままだった。レベルが上がっていないから、そんなもんなのか。
なんか、不服だ。不満だ。
よし!ストレス解消に、明日は休日返上で違うダンジョンへ行くぞ!!
「よし!イリア!!明日は休日返上で違うダンジョンへ行くぞ!!」
気合い十分の俺にたいして、イリアは冷たい声で一言。
「ダメです。」
そう、あっさりと言い放った。
その日。家に帰って、イリアと珍しく、もめた。
「何でダメなんだよ?!休日をどう使おうが俺の勝手だろ!!俺、自身の!!」
そして、これが多分、決定打。
「そうですか……。約束したじゃありませんか?週に一日は休日を設けると。私との約束は守れないのですか?……それならば、自分一人でご自由にどうぞ。私は共には行きません。すみませんが、私は少し出て行きます。」
そう言い、イリアは出て行った。
ちぇっ!なんだよ!ったく!!上等だ。明日は晩までダンジョンに潜ってやるよ!!弁当でも作ってよ!!
俺は翌朝から一人でダンジョンへ潜ることにした。
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