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からあげ処『大和』?
からあげ処『大和』?4
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俺の叫び声にもビッグホーンは止まる事はない。
イリアがやられる!!そう思った、次の瞬間。
ビッグホーンは、イリアに何事も無いように頭を杖で殴打され、絶命した。
……ああ。はは。はははは。そ、そうだった。そう言えば、アイツの方が俺より遥かに強いんだった。……良かった。
「ヤマト様!気を引き締めて下さい!!次が来ますよ!!」
俺がその場でへたり込んでいるとイリアの檄が飛ぶ。
そうだった。ここはダンジョンだ。周りのモンスターを倒しても安心は出来ない。
「集中して、狙って下さい!ヤマト様なら出来ます!!」
そうだ!イリアに魔力制御の時、散々言っておいて、俺がやらない訳にはいかない!!
「『必中』!!」
そして、集中する。
狙いを定めろ!眉間だけを貫くんだ!!
俺は弓で矢を引くように剣を構えてビッグホーンと対峙する。
ビッグホーンは後ろ足で地面を蹴り、闘争心を露わにする。
数秒の沈黙の後、俺とビッグホーンはお互いに走りだした。
勝負は一瞬。
……そこだ!!
剣は見事にビッグホーンの眉間をとらえる。
ビッグホーンはドサッと良い音で地面に倒れこんだ。
「見事です!ヤマト様!!やはり、ヤマト様なら出来ると思っていました。』
イリアは駆け寄り、俺を祝福したあと、直ぐに次の行動へ移る。
「剥ぎ取りは私に任せて、他のビッグホーンをやっちゃって下さい。」
なぜか、イリアは張り切っていた。
俺は次々と、ビッグホーンを仕留めていく。そして、イリアはドロップアイテムと食材を集めてまわる。ビッグホーンサーロインを剥ぎ取るイリアはどこかイキイキとしているように見えた。
クエスト内容を満たし、ドロップアイテムも食材も山盛り手に入れた。リュックサックの中はパンパンだ。
「はぁ~。ビッグホーンサーロイン。あのお肉がこんなにいっぱい。家には冷凍庫もありますし、美味しい牛肉がしばらく食べ放題。……あぁ。ヤマト様に、どのようなお料理をして頂けるのか……楽しみです。」
呆気なく、イリアが張り切っていた理由が分かった。
そう言えば、この世界に来てから牛肉はまだ食べていなかった。少しお高かったから。
「牛肉は、そんなに貴重なのか?」
「はい。まだ、牛肉は貴重なのです。ビッグホーンの養殖は近年、やっと成功したばかりで市場にはあまり出回らないのです。剥ぎ取りも見ての通りこのサーロイン一枚だけしか採れないので。ダンジョン産のビッグホーンサーロインもお店で買うには、少し高価なのですよ。」
なるほど。そうだったのか……。だから、値段もバラバラなのね。
「イリア。もしかして、エンジェルピッグと同じように、このサーロインしかとれないの?他のモンスターからも同じ感じなのか?」
「そうですね。ダンジョンに生息するビッグホーンからはサーロイン、一枚しか取れません。その他の部位は消滅します。もちろん、他の牛系のモンスターからは他の部位が取れますが、同じように剥ぎ取ったら消滅します。これは、どのモンスターにも言える事なのですよ。ダンジョンに生息するモンスターからは特定の部位しか食材として取れません。大ニワトリなどの小型のモンスターだと丸ごと持って帰れたりしますが、部位的には一種類になってしまうのです。中、大型モンスターは、その体からは想像出来ませんが、一部位を少量しか取れません。ですが、養殖や野生のビッグホーンなどからはサーロイン以外の部位も取れるのです。お店には他の部位が売ってあります。味はダンジョンの方が圧倒的に美味しいのですけど。」
そうか……。やっぱり、面白くて不思議な所だなダンジョンは。欲しい食材によって、ちゃんと倒し分けしないといけないんだ。
それに、欲しい部位は、店で買わないといけなくなってる。
……なんか、結構考えられてる世界だな。
四階層まででクエストは終了したけど、今日は五階層……最下層まで攻略と言っていたけど、最下層には何があるんだろうか?
「なら、イリア。最下層には何があるんだ?」
「最下層にはそのダンジョンの主が居ます。」
……ダンジョンの主?もしや?ボス??
「全部のダンジョンにか?」
「はい。そうです。全てのダンジョンに唯一共通する事です。ダンジョンの最下層、最上階には必ず、そのダンジョンの主が居ます。主の居る階層は複雑な迷路なども無く、主と戦うだけの広いスペースがあるだけです。」
そう言い、イリアは下へと続く階段の前で立ち止まる。
「さぁ、この階段を降りれば、主との対面です。準備は宜しいですか?」
俺はゴクリと唾を飲み込み頷く。
俺と主との初めての戦いが始まろうとしていた。
イリアがやられる!!そう思った、次の瞬間。
ビッグホーンは、イリアに何事も無いように頭を杖で殴打され、絶命した。
……ああ。はは。はははは。そ、そうだった。そう言えば、アイツの方が俺より遥かに強いんだった。……良かった。
「ヤマト様!気を引き締めて下さい!!次が来ますよ!!」
俺がその場でへたり込んでいるとイリアの檄が飛ぶ。
そうだった。ここはダンジョンだ。周りのモンスターを倒しても安心は出来ない。
「集中して、狙って下さい!ヤマト様なら出来ます!!」
そうだ!イリアに魔力制御の時、散々言っておいて、俺がやらない訳にはいかない!!
「『必中』!!」
そして、集中する。
狙いを定めろ!眉間だけを貫くんだ!!
俺は弓で矢を引くように剣を構えてビッグホーンと対峙する。
ビッグホーンは後ろ足で地面を蹴り、闘争心を露わにする。
数秒の沈黙の後、俺とビッグホーンはお互いに走りだした。
勝負は一瞬。
……そこだ!!
剣は見事にビッグホーンの眉間をとらえる。
ビッグホーンはドサッと良い音で地面に倒れこんだ。
「見事です!ヤマト様!!やはり、ヤマト様なら出来ると思っていました。』
イリアは駆け寄り、俺を祝福したあと、直ぐに次の行動へ移る。
「剥ぎ取りは私に任せて、他のビッグホーンをやっちゃって下さい。」
なぜか、イリアは張り切っていた。
俺は次々と、ビッグホーンを仕留めていく。そして、イリアはドロップアイテムと食材を集めてまわる。ビッグホーンサーロインを剥ぎ取るイリアはどこかイキイキとしているように見えた。
クエスト内容を満たし、ドロップアイテムも食材も山盛り手に入れた。リュックサックの中はパンパンだ。
「はぁ~。ビッグホーンサーロイン。あのお肉がこんなにいっぱい。家には冷凍庫もありますし、美味しい牛肉がしばらく食べ放題。……あぁ。ヤマト様に、どのようなお料理をして頂けるのか……楽しみです。」
呆気なく、イリアが張り切っていた理由が分かった。
そう言えば、この世界に来てから牛肉はまだ食べていなかった。少しお高かったから。
「牛肉は、そんなに貴重なのか?」
「はい。まだ、牛肉は貴重なのです。ビッグホーンの養殖は近年、やっと成功したばかりで市場にはあまり出回らないのです。剥ぎ取りも見ての通りこのサーロイン一枚だけしか採れないので。ダンジョン産のビッグホーンサーロインもお店で買うには、少し高価なのですよ。」
なるほど。そうだったのか……。だから、値段もバラバラなのね。
「イリア。もしかして、エンジェルピッグと同じように、このサーロインしかとれないの?他のモンスターからも同じ感じなのか?」
「そうですね。ダンジョンに生息するビッグホーンからはサーロイン、一枚しか取れません。その他の部位は消滅します。もちろん、他の牛系のモンスターからは他の部位が取れますが、同じように剥ぎ取ったら消滅します。これは、どのモンスターにも言える事なのですよ。ダンジョンに生息するモンスターからは特定の部位しか食材として取れません。大ニワトリなどの小型のモンスターだと丸ごと持って帰れたりしますが、部位的には一種類になってしまうのです。中、大型モンスターは、その体からは想像出来ませんが、一部位を少量しか取れません。ですが、養殖や野生のビッグホーンなどからはサーロイン以外の部位も取れるのです。お店には他の部位が売ってあります。味はダンジョンの方が圧倒的に美味しいのですけど。」
そうか……。やっぱり、面白くて不思議な所だなダンジョンは。欲しい食材によって、ちゃんと倒し分けしないといけないんだ。
それに、欲しい部位は、店で買わないといけなくなってる。
……なんか、結構考えられてる世界だな。
四階層まででクエストは終了したけど、今日は五階層……最下層まで攻略と言っていたけど、最下層には何があるんだろうか?
「なら、イリア。最下層には何があるんだ?」
「最下層にはそのダンジョンの主が居ます。」
……ダンジョンの主?もしや?ボス??
「全部のダンジョンにか?」
「はい。そうです。全てのダンジョンに唯一共通する事です。ダンジョンの最下層、最上階には必ず、そのダンジョンの主が居ます。主の居る階層は複雑な迷路なども無く、主と戦うだけの広いスペースがあるだけです。」
そう言い、イリアは下へと続く階段の前で立ち止まる。
「さぁ、この階段を降りれば、主との対面です。準備は宜しいですか?」
俺はゴクリと唾を飲み込み頷く。
俺と主との初めての戦いが始まろうとしていた。
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