【R18/TL】無口で無愛想な旦那様の拗らせ愛は重すぎ注意

春野 カノン

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濃密な一夜 2

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不敵に微笑んだ伊織くんは私の背中に腕を回してファスナーをゆっくりと下ろした。
肩からドレスが下ろされ伊織くんの前で下着姿の身体が晒される。


そんな姿を見て綺麗だ、と呟いた伊織くんは私の胸元にちゅっと触れるだけの口付けを何度も落とした。
そのままの手つきで私の下着に指をかけるとパチッと言ってブラジャーのホックを外す。


パサッと下着が剥ぎ取られ膨らみが伊織くんの前でぷるんと小さく揺れた。
それが恥ずかしくて身体の前でクロスさせるように腕で隠す。


「心春。立って」

「うん⋯」


立ち上がると腰に引っかかったドレスさえも伊織くんに脱がされいよいよ私はパンツだけとなってしまった。
明るい照明の下でこんな姿を見せるなんて恥ずかしすぎて死にそうだ。


「今日はちゃんとドレス丁寧に脱がせた」

「丁寧に脱がせてくれてありがとう⋯?」

「どういたしまして。じゃあお風呂行こうか」


丁寧に脱がされたドレスは優しくソファにかけられ、指に通していた婚約指輪も1度外しベルトとスーツのズボンを脱いだ伊織くんにお姫様抱っこされ風呂場に運ばれる。
お互いパンツ姿となり抱き抱えられているため素肌がより密着し恥ずかしすぎておかしくなりそうだ。


風呂場に到着し床に下ろして貰えたと思えばすぐにパンツを剥ぎ取られ産まれたままの姿になってしまう。
恥ずかしさの限界が来た私は伊織くんを置いて先に浴室に入った。


「俺を置いて先入るなんて、ひどいな心春」

「だって!明るいし、恥ずかしい!」

「いつももっと恥ずかしいとこ見てるのに」

「そういう問題じゃないの⋯!」

「ほらこっち座って。洗ってあげる」


浴室の椅子に座らされ私の髪の毛や全身は伊織くんによって隅々まで綺麗に洗われる。
至れり尽くせりでまるでお姫様のようだ。


私の全身を宝物ように触れる間の伊織くんの視線は優しすぎて私の身が溶けてしまいそうになる。
綺麗に洗われた私は大きすぎる浴槽に2人で浸かった。


「ん~最高に気持ちいい~」

「心春と一緒にお風呂いいな。家に戻ったあとも毎日こうして一緒に入りたい」

「え、毎日?!やだよ恥ずかしいし、毎日なんて⋯」

「なら週6」

「1回しか減ってないんだけど」

「これでも譲った方なんだが」


私の背後から腕を回しすっぽり包み込まれる。
腰元には既に固くなった彼のモノが押し当てられており、それに気付かないふりをした。


グリグリと押し付けられるモノはどんどん熱を帯びており、私に反応してくれていると思うとすごく嬉しい。
この火照りは湯船に浸かった熱からなのかそれともこの後を期待したものからなのかは考えないようにする。


「今日、少し緊張してた」

「え、そうなの?全然分からなかったよ」

「心春がどんなリアクションするか分からなかったから」

「今まで生きてきた中で1番嬉しかった」


伊織くんはたくさんの愛を私にくれるが、どんな愛よりも1番嬉しい。
もらった婚約指輪は私を妻にするという証のようなもので、契約結婚から始まった私からしたら縁のないものだと思っていた。


後ろから抱きしめられ少し引き寄せられると私の背中は伊織くんの厚い胸板に預ける形となる。
湯船の温度と伊織くんの体温が混ざりあってすごく心地いい。


「婚約指輪、いつからくれようとしてたの?」

「結婚1年記念が近づいてきて、心春に感謝したいなって思ってから考えてたよ」

「もらえるなんて思ってもなくてほんとに嬉しいしか言葉に出ないよ」

「プロポーズも言葉だけだったし。本当ならちゃんとこうして準備して言いたかったけど、始まりがあんな感じだったからな。心春にはちゃんとプロポーズしたくて」


誰もがこの瞬間を夢見ているだろう。
伊織くんと結婚して奥さんになれただけで十分幸せだったがそれ以上に幸せを私は手に入れたんだ。


理想的な家族に少しずつなれている気がしてすごく嬉しい。
伊織くんとだからそれも叶えられるんだろう。


そこでふと最近寧々ちゃんに相談したことが頭によぎった。
このタイミングで言うべきなのかもしれない。
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