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2度目の⋯⋯ 3
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「おそろい?」
「ん。俺のスーツの柄と心春のドレスの柄をお揃いでオーダーした。差し色も合わせて赤を使ってもらったんだ」
「いつの間にこんな素敵なもの準備してくれてたの?知らなかった⋯」
「サプライズだからな」
こんな素敵なサプライズを用意されているなんて誰が思うだろうか。
明らかなおそろい、というわけではなくよく見るとおそろい、という柄がよりオシャレだ。
差し色の赤色も黒の上に乗ることでとても映える。
嬉しすぎて伊織くんに抱きつきたくなるのを理性で必死に止めた。
「着替えよう心春」
「うん」
私はドレスを持った女性の後に続いて着替えるための個室に案内された。
そこにはヘアアイロンなども準備されている。
「髪も合わせてセットしますね」
「あ、ありがとうございます」
ドレスを差し出した女性は1度個室を出た。
残された私はゆっくりと丁寧にそのドレスに腕を通す。
着心地や手触りもすごく上質で、おそろしいことに私の身体にピッタリのサイズだった。
二の腕が出る袖の長さとなっており胸元はしっかり詰まっているため肌の露出は少ないが、腰元の赤いベルトによってスタイルが引き締まって見える。
オーダーと伊織くんは言っていたしこれは私たちのためだけに仕立てられた服ということだが、よくサイズぴったりに合わせられたことだ。
伊織くんはそこまで私の身体のことを分かっているのだろうか。
(なんというか、伊織くんなら驚かないというか⋯⋯)
ドレスを着終えたタイミングで女性が個室に戻ってきたためそのまま椅子に座り髪の毛をセットしてもらう。
アップスタイルにしてくれるようで後れ毛などを出しながら緩くオシャレにまとめてくれた。
「とってもお似合いですね」
「ありがとうございます」
「東雲様がこちらのドレスをオーダーされる際、とっても幸せそうでした。奥様の話をされる時の表情と言ったら本当に愛おしそうに話すんです。見てるこちらまで幸せになりましたよ」
人伝いで伊織くんの話を聞くのはあまりないため聞いていてとても新鮮だった。
そもそも本来は無口で無愛想な伊織くんがそんな表情になるのが私のことを話す時、というのがとても嬉しい。
「奥様、とってもお綺麗です。東雲様にも早くお見せしましょう」
ドレスも着こなし髪も整えてもらったため最後に赤いヒールを履いて個室を出ると、既にスーツに身を包んだ伊織くんが待っていた。
私の姿を見た瞬間、伊織くんは一瞬目を見開きすぐに蕩けてしまうほど甘い笑みを私に向けてくれる。
スーツに身を包んだ伊織くんのかっこよさや色気はいつもに増して滲み出ておりドキドキと高鳴る心臓が止まらない。
普段の仕事に行く時のスーツもかっこいいけど、少しカジュアルなスーツを着た伊織くんも新鮮ですごくいい。
(伊織くんかっこよすぎる⋯⋯)
「心春。最高に似合ってる。すごい綺麗だ」
「ありがとう。本当に素敵だよこのドレス。こんな素敵なものプレゼントしてくれてすごく嬉しい」
「サイズもピッタリだな」
「さすが伊織くん。伊織くんのスーツもすごくかっこいいね」
「心春の隣を歩くんだからな、そう思われたくて選んだ」
いつだって私は伊織くんがかっこいいと思っている。
キメている時も家でリラックスしたラフな時も、いつだって伊織くんにドキドキさせられていた。
店員の2人にもお似合いです、と揃って言われ思わず照れてしまう。
私たちは2人にお礼を言ってそのままお店を後にした。
ヒールに履き替えたため少しだけ歩きづらいのを察した伊織くんはナチュラルに私の腰に腕を回し支えてくれる。
そんな行動ひとつ取ってもキュンと胸を高鳴らせてくれた。
「すっごく可愛い。本当に嬉しいよありがとう」
「心春に似合うと思って頼んだからな。喜んでくれて良かったよ」
「露出少なめも伊織くんぽいなって思った」
「最高に可愛く似合うドレスを着せたいけど、あまり露出はさせたくない。素肌を見ていいのは俺だけの特権だから」
歩きながら私の耳元で吐息混じりに囁く伊織くんにますます鼓動の高鳴りが大きくなり糖分高めでクラクラする。
甘さの供給過多にドキドキが止まらない。
私たちは停めてある車まで歩き伊織くんにエスコートされるまま乗り込む。
そして1度泊まるホテルまで向かい、そこに車を置いてそこからタクシーでディナーのお店まで向かうことにした。
「ん。俺のスーツの柄と心春のドレスの柄をお揃いでオーダーした。差し色も合わせて赤を使ってもらったんだ」
「いつの間にこんな素敵なもの準備してくれてたの?知らなかった⋯」
「サプライズだからな」
こんな素敵なサプライズを用意されているなんて誰が思うだろうか。
明らかなおそろい、というわけではなくよく見るとおそろい、という柄がよりオシャレだ。
差し色の赤色も黒の上に乗ることでとても映える。
嬉しすぎて伊織くんに抱きつきたくなるのを理性で必死に止めた。
「着替えよう心春」
「うん」
私はドレスを持った女性の後に続いて着替えるための個室に案内された。
そこにはヘアアイロンなども準備されている。
「髪も合わせてセットしますね」
「あ、ありがとうございます」
ドレスを差し出した女性は1度個室を出た。
残された私はゆっくりと丁寧にそのドレスに腕を通す。
着心地や手触りもすごく上質で、おそろしいことに私の身体にピッタリのサイズだった。
二の腕が出る袖の長さとなっており胸元はしっかり詰まっているため肌の露出は少ないが、腰元の赤いベルトによってスタイルが引き締まって見える。
オーダーと伊織くんは言っていたしこれは私たちのためだけに仕立てられた服ということだが、よくサイズぴったりに合わせられたことだ。
伊織くんはそこまで私の身体のことを分かっているのだろうか。
(なんというか、伊織くんなら驚かないというか⋯⋯)
ドレスを着終えたタイミングで女性が個室に戻ってきたためそのまま椅子に座り髪の毛をセットしてもらう。
アップスタイルにしてくれるようで後れ毛などを出しながら緩くオシャレにまとめてくれた。
「とってもお似合いですね」
「ありがとうございます」
「東雲様がこちらのドレスをオーダーされる際、とっても幸せそうでした。奥様の話をされる時の表情と言ったら本当に愛おしそうに話すんです。見てるこちらまで幸せになりましたよ」
人伝いで伊織くんの話を聞くのはあまりないため聞いていてとても新鮮だった。
そもそも本来は無口で無愛想な伊織くんがそんな表情になるのが私のことを話す時、というのがとても嬉しい。
「奥様、とってもお綺麗です。東雲様にも早くお見せしましょう」
ドレスも着こなし髪も整えてもらったため最後に赤いヒールを履いて個室を出ると、既にスーツに身を包んだ伊織くんが待っていた。
私の姿を見た瞬間、伊織くんは一瞬目を見開きすぐに蕩けてしまうほど甘い笑みを私に向けてくれる。
スーツに身を包んだ伊織くんのかっこよさや色気はいつもに増して滲み出ておりドキドキと高鳴る心臓が止まらない。
普段の仕事に行く時のスーツもかっこいいけど、少しカジュアルなスーツを着た伊織くんも新鮮ですごくいい。
(伊織くんかっこよすぎる⋯⋯)
「心春。最高に似合ってる。すごい綺麗だ」
「ありがとう。本当に素敵だよこのドレス。こんな素敵なものプレゼントしてくれてすごく嬉しい」
「サイズもピッタリだな」
「さすが伊織くん。伊織くんのスーツもすごくかっこいいね」
「心春の隣を歩くんだからな、そう思われたくて選んだ」
いつだって私は伊織くんがかっこいいと思っている。
キメている時も家でリラックスしたラフな時も、いつだって伊織くんにドキドキさせられていた。
店員の2人にもお似合いです、と揃って言われ思わず照れてしまう。
私たちは2人にお礼を言ってそのままお店を後にした。
ヒールに履き替えたため少しだけ歩きづらいのを察した伊織くんはナチュラルに私の腰に腕を回し支えてくれる。
そんな行動ひとつ取ってもキュンと胸を高鳴らせてくれた。
「すっごく可愛い。本当に嬉しいよありがとう」
「心春に似合うと思って頼んだからな。喜んでくれて良かったよ」
「露出少なめも伊織くんぽいなって思った」
「最高に可愛く似合うドレスを着せたいけど、あまり露出はさせたくない。素肌を見ていいのは俺だけの特権だから」
歩きながら私の耳元で吐息混じりに囁く伊織くんにますます鼓動の高鳴りが大きくなり糖分高めでクラクラする。
甘さの供給過多にドキドキが止まらない。
私たちは停めてある車まで歩き伊織くんにエスコートされるまま乗り込む。
そして1度泊まるホテルまで向かい、そこに車を置いてそこからタクシーでディナーのお店まで向かうことにした。
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