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2度目の⋯⋯ 2
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まさか伊織くんがそんなことを考えてくれているとは思わなかった。
私たちは付き合った日というのもないし、結婚した日も契約として婚姻届を出した日だ。
あまり想い入れもないものだと思っていたが、伊織くんはそうじゃなかった。
私の知らないところでちゃんと考えてくれていたことが何より嬉しい。
「それで心春を抱く」
「え、結局はそれを楽しみにしてる?」
「全部楽しみだけど1番はそれかもな。可愛く乱れる心春の姿は俺しか見れないものだし」
「へんたいだ!伊織くんのえっち!」
「夜が楽しみだな」
私の太ももを撫でる手が夜を想像させとても色っぽい。
私自身もそれを期待してしまいジュワッと下着の中で蜜が溢れる。
(そう言いつつ私も楽しみにしてるんだよな⋯夜のこと)
伊織くんはすごく優しくてそれでいて夜もすごく上手で相性はめちゃくちゃいい。
それを自覚し恥ずかしくなった私は火照りを冷ますため流れゆく外の景色に視線を移した。
「もう心春のドレスを準備してあるんだ」
「え、そうなの?」
「早く心春に見せたい。楽しみにしててくれ」
用意周到な伊織くんの行動はさほど驚かなかった。
かっこよくて優しくて重いくらい愛してくれているのが伝わってきて、伊織くんのことが好きだという気持ちが溢れていく。
私たちを乗せた車はゆっくりとスピードを落としパーキングエリアに着いた。
車を停めた伊織くんは先に降りると私が座る側の扉を開けて降りやすいようにしてくれる。
それに甘えてありがとう、と言って降りると伊織くんが甘ったるい笑みを私に向けた。
視線だけで愛されているのが伝わってくる。
私たちは高級ブランドが立ち並ぶ高級街にやって来ていた。
普段ブランド物に縁がない私でも知っている名前が軒並み連なっている。
「伊織くんまたすごい高級そうなとこに⋯⋯」
「そういうお店に行くから。それなりの服準備しないとな」
伊織くんに指を絡め取られそのままあるお店に向かっていく。
高級ブティックという言葉が相応しいそのショップは可愛い服を着たマネキンが飾られており大きな窓ガラスからそれがよく見えた。
入口にはドアマンのような方がおり、私たちが近づくとそれに合わせて扉を開けてくれる。
中に入ると責任者のような男性が爽やかな笑みを浮かべて私たちの元に近づいてきた。
「東雲様!お待ちしておりました」
「頼んでいたもの、仕上がってますか?」
「はい、もちろんですよ。そちらの方が⋯?」
バチッとスーツを着こなした爽やかなその男性は店員さんの鏡と言えるようなにっこりスマイルを私に向ける。
嫌味な感じが全くしなくてすごく感じの良さそうな人だ。
「妻の心春です」
「奥様のことはご両親や東雲様から伺っておりますよ。聞いている通りの方でした。お会いできて光栄です」
そんな彼に私もペコッと挨拶をした。
私の話をお義父さんや伊織くんから聞いているということは常連さんなのだろうか。
「ここは父さんがよく通ってるショップだ。スーツとかドレスとかよくお願いしている」
「そうだったんだ」
「懇意にしていただいてます。早速お持ちしますね」
柔らかい笑みを浮かべた男性は軽やかに会釈し1度後ろに下がる。
私たちはその間椅子に腰をかけて待っていた。
数分後、スーツとドレスを片手にその男性と1人の女性が私たちの元へ戻ってくる。
伊織くんの前に広げられたスーツは黒をベースとし、よく見るとほんのりストライプのような柄が入っていた。
そしてワイシャツは淡いピンクをしておりそれに合わせるネクタイは深い赤色のオシャレなものとなっている。
そのスーツたちを見つめる伊織くんは満足そうに微笑んでいて静かにうんうん、とうなづいていた。
「こちらが奥様のです」
私の前に広げられたドレスは黒い生地を使用しており腰部分には赤いベルトが巻かれていた。
そしてヒールも差し色として同じように赤色のものがチョイスされておりとても綺麗だ。
しかもよく見ると私のドレスの柄は伊織くんのスーツのストライプ柄と同じようなものが入っている。
それに気づいた私が伊織くんを見ると、愛おしそうに私に視線を向ける瞳と交わった。
私たちは付き合った日というのもないし、結婚した日も契約として婚姻届を出した日だ。
あまり想い入れもないものだと思っていたが、伊織くんはそうじゃなかった。
私の知らないところでちゃんと考えてくれていたことが何より嬉しい。
「それで心春を抱く」
「え、結局はそれを楽しみにしてる?」
「全部楽しみだけど1番はそれかもな。可愛く乱れる心春の姿は俺しか見れないものだし」
「へんたいだ!伊織くんのえっち!」
「夜が楽しみだな」
私の太ももを撫でる手が夜を想像させとても色っぽい。
私自身もそれを期待してしまいジュワッと下着の中で蜜が溢れる。
(そう言いつつ私も楽しみにしてるんだよな⋯夜のこと)
伊織くんはすごく優しくてそれでいて夜もすごく上手で相性はめちゃくちゃいい。
それを自覚し恥ずかしくなった私は火照りを冷ますため流れゆく外の景色に視線を移した。
「もう心春のドレスを準備してあるんだ」
「え、そうなの?」
「早く心春に見せたい。楽しみにしててくれ」
用意周到な伊織くんの行動はさほど驚かなかった。
かっこよくて優しくて重いくらい愛してくれているのが伝わってきて、伊織くんのことが好きだという気持ちが溢れていく。
私たちを乗せた車はゆっくりとスピードを落としパーキングエリアに着いた。
車を停めた伊織くんは先に降りると私が座る側の扉を開けて降りやすいようにしてくれる。
それに甘えてありがとう、と言って降りると伊織くんが甘ったるい笑みを私に向けた。
視線だけで愛されているのが伝わってくる。
私たちは高級ブランドが立ち並ぶ高級街にやって来ていた。
普段ブランド物に縁がない私でも知っている名前が軒並み連なっている。
「伊織くんまたすごい高級そうなとこに⋯⋯」
「そういうお店に行くから。それなりの服準備しないとな」
伊織くんに指を絡め取られそのままあるお店に向かっていく。
高級ブティックという言葉が相応しいそのショップは可愛い服を着たマネキンが飾られており大きな窓ガラスからそれがよく見えた。
入口にはドアマンのような方がおり、私たちが近づくとそれに合わせて扉を開けてくれる。
中に入ると責任者のような男性が爽やかな笑みを浮かべて私たちの元に近づいてきた。
「東雲様!お待ちしておりました」
「頼んでいたもの、仕上がってますか?」
「はい、もちろんですよ。そちらの方が⋯?」
バチッとスーツを着こなした爽やかなその男性は店員さんの鏡と言えるようなにっこりスマイルを私に向ける。
嫌味な感じが全くしなくてすごく感じの良さそうな人だ。
「妻の心春です」
「奥様のことはご両親や東雲様から伺っておりますよ。聞いている通りの方でした。お会いできて光栄です」
そんな彼に私もペコッと挨拶をした。
私の話をお義父さんや伊織くんから聞いているということは常連さんなのだろうか。
「ここは父さんがよく通ってるショップだ。スーツとかドレスとかよくお願いしている」
「そうだったんだ」
「懇意にしていただいてます。早速お持ちしますね」
柔らかい笑みを浮かべた男性は軽やかに会釈し1度後ろに下がる。
私たちはその間椅子に腰をかけて待っていた。
数分後、スーツとドレスを片手にその男性と1人の女性が私たちの元へ戻ってくる。
伊織くんの前に広げられたスーツは黒をベースとし、よく見るとほんのりストライプのような柄が入っていた。
そしてワイシャツは淡いピンクをしておりそれに合わせるネクタイは深い赤色のオシャレなものとなっている。
そのスーツたちを見つめる伊織くんは満足そうに微笑んでいて静かにうんうん、とうなづいていた。
「こちらが奥様のです」
私の前に広げられたドレスは黒い生地を使用しており腰部分には赤いベルトが巻かれていた。
そしてヒールも差し色として同じように赤色のものがチョイスされておりとても綺麗だ。
しかもよく見ると私のドレスの柄は伊織くんのスーツのストライプ柄と同じようなものが入っている。
それに気づいた私が伊織くんを見ると、愛おしそうに私に視線を向ける瞳と交わった。
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