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心春のわがままと伊織の嘘 5
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「昨日伊織くんに聞いたら蕎麦を食べに行ったって言ってたけど」
「あー⋯まさか心春ちゃん、俺のこと嵌めましたね?!というか蕎麦て!合わせずらいとこ言うな~伊織のやつ」
「⋯⋯ごめん。やっちゃいました」
「あらら⋯⋯まぁこんなすぐバレるような嘘つく方がだめだよな。伊織ももっと綿密に作戦練らないとうまくいくわけないじゃんね」
嘘がバレたことに少しだけ安心したのか翔くんは肩の力を下ろしていつも通りの笑顔を見せてくれた。
伊織くんと私の間に板挟みされた翔くんもまた大変なことは分かっている。
「俺もよく分からないんだよね。突然伊織から連絡来て、昨日は俺と出かけてたことにしてくれって言われただけ。他は何も話してないから俺も知らないんだ」
「翔くんにも内緒なんてどうしたんだろ伊織くん」
「心春ちゃんを傷つけるような感じではなさそうだったから協力したんだけど⋯」
2人揃ってうーんと思考を巡らせ唸っていると後ろからひょこっと雛菊ちゃんが顔を見せてくれた。
少しだけニヤッとした笑顔は何かを思いついたようだ。
「どうしたの?雛菊ちゃん」
「ちょっとだけ話聞こえちゃったんですけど、そういう時大体乙女ゲームではシナリオ決まってるんですよ!浮気かサプライズか!」
「その二択だけなんだ雛菊の中では」
「ですが東雲専務がこはるんを悲しませるようなことは絶対しなさそうなので後者のサプライズじゃないですか?」
そうは言うもの何かサプライズをされるようなことは今のタイミングではない。
私たちの誕生日はもう既に終わっているし、思いつく日がなかった。
「東雲専務のことなので考えがあるんじゃないですか?やること全部心春さん中心になってる人なので絶対いいことですよ」
「尚の言う通りだと思うな~。少しだけその嘘に付き合ってあげてみたら?」
「それもそうだね」
伊織くんへの絶対的な信頼感があるからこそ、その嘘を悪い方向に考える人が誰もいなかった。
それは普段からの行動や人柄をみんなが知っているからで、信用されているからこそだろう。
私もみんなと同じで、少しだけ伊織くんの嘘に付き合ってみようと思った。
私がそんな嘘の内容を知ることになるのは少し日が経ってからになる。
「あー⋯まさか心春ちゃん、俺のこと嵌めましたね?!というか蕎麦て!合わせずらいとこ言うな~伊織のやつ」
「⋯⋯ごめん。やっちゃいました」
「あらら⋯⋯まぁこんなすぐバレるような嘘つく方がだめだよな。伊織ももっと綿密に作戦練らないとうまくいくわけないじゃんね」
嘘がバレたことに少しだけ安心したのか翔くんは肩の力を下ろしていつも通りの笑顔を見せてくれた。
伊織くんと私の間に板挟みされた翔くんもまた大変なことは分かっている。
「俺もよく分からないんだよね。突然伊織から連絡来て、昨日は俺と出かけてたことにしてくれって言われただけ。他は何も話してないから俺も知らないんだ」
「翔くんにも内緒なんてどうしたんだろ伊織くん」
「心春ちゃんを傷つけるような感じではなさそうだったから協力したんだけど⋯」
2人揃ってうーんと思考を巡らせ唸っていると後ろからひょこっと雛菊ちゃんが顔を見せてくれた。
少しだけニヤッとした笑顔は何かを思いついたようだ。
「どうしたの?雛菊ちゃん」
「ちょっとだけ話聞こえちゃったんですけど、そういう時大体乙女ゲームではシナリオ決まってるんですよ!浮気かサプライズか!」
「その二択だけなんだ雛菊の中では」
「ですが東雲専務がこはるんを悲しませるようなことは絶対しなさそうなので後者のサプライズじゃないですか?」
そうは言うもの何かサプライズをされるようなことは今のタイミングではない。
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「尚の言う通りだと思うな~。少しだけその嘘に付き合ってあげてみたら?」
「それもそうだね」
伊織くんへの絶対的な信頼感があるからこそ、その嘘を悪い方向に考える人が誰もいなかった。
それは普段からの行動や人柄をみんなが知っているからで、信用されているからこそだろう。
私もみんなと同じで、少しだけ伊織くんの嘘に付き合ってみようと思った。
私がそんな嘘の内容を知ることになるのは少し日が経ってからになる。
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