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楽しみの計画 3
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伊織くんは全て綺麗に食べきったあとキッチンにお皿を運んでくれて、その後自分の準備を始めた。
忙しい朝でも必ず一緒に朝食を取ってくれるし、食べた分の自分のお皿を必ず運んでくれる。
ほんとにできた旦那様すぎて欠点が1つも見当たらない。
私自身も食器を洗い自分の準備を始める。
スーツ姿となり髪の毛も整えた伊織くんはいつ見てもかっこいいし、自慢したくなる旦那様だ。
いつものように玄関まで見送りいってきますのキスを交わす。
そんなキスが名残惜しくて潤んだ瞳で伊織くんを見つめると、下唇をペロッと舐めた彼はもう1度私の首元を引き寄せ今度は深く口付けた。
唾液を交換し合うような濃厚で大人なキス。
「あっ、んっ⋯」
「そんな瞳で見ないで。いつも朝行きたくなくなるんだよ、心春にそんなふうに見られると」
「ごめん⋯つい、欲しがりになっちゃってるね」
「俺としてはめちゃくちゃ嬉しい。可愛いしもっとしたくなるけど、会社行かないとな」
「引き止めちゃってごめんね。いってらっしゃい」
「だんだん俺色に染まってきたな」
身体を離した伊織くんは少しだけ身体を屈めて私の目線に合わせてくれる。
そしてそのまま大きな手を頬に添えると優しく指先で撫でた。
「そんなえろい顔で会社行っちゃだめだからな。みんなが欲情しちゃう」
「よ、欲情って⋯⋯!」
「じゃあ行ってくる。心春も気をつけてな」
最後にもう1度おでこに触れるだけのキスを落とした伊織くんはニヤッと笑って家を出ていった。
残された私の全身は熱く火照っており、伊織くんの言葉や口付けの余韻に浸る。
いつでも伊織くんのセリフは甘いしその言葉から私への愛が凄まじく伝わってくるし、ドキドキさせられっぱなしだ。
心臓がいくつあっても伊織くんといたら足りないと思わせられるくらい、彼からたくさんのドキドキを与えられている。
(もう⋯どんだけかっこいいのようちの旦那様は⋯⋯)
そんなことを考えながら私自身も出社するための準備を再開した。
寒さのピークは少しだけ去ったがまだ外に出れば鳥肌が立つくらいには肌寒く、コートはまだ欠かせない。
会社としても大きな起点となるタイミングのため、私自身も仕事に精を出したいとやる気に満ち溢れていた。
それに今年はいよいよ今まで携わってきた"剣と魔法のカタストロフィ"の2作目の発売年だ。
「さて、今日も頑張りますか」
バックにパソコンを入れて忘れ物がないかしっかりと確認しそのまま私も伊織くんと一緒に住む家を後にする。
***
いつものように出勤すると既に尚くんが出社していた。
私に気づいた彼は顔を上げると小さく微笑んで会釈する。
「おはよう尚くん」
「心春さん、おはようございます」
「いつも早いね」
「まぁ家にいても特にやることないですしね」
尚くんに背中を向けるように席に座るとどこからか翔くんと雛菊ちゃんの声が聞こえてきた。
なんだか話が盛り上がっているようで雛菊ちゃんの困ったような声が届いてくる。
翔くんに絡まれている雛菊ちゃんは迷惑そうに距離を取ろうと足早にこちらに向かってくるが、負けじと追いかけてくる翔くんの姿が兄妹のようにも見えた。
「うわーー助けてくださいこはるん!」
「ど、どうしたの!」
「朝っぱらから翔たんの愚痴が止まらなくてしつこいです!私には対応できません」
席に座る私に抱きつきながら雛菊ちゃんは胸の中で必死に訴えている。
チラッと翔くんを見ると明らかに話を聞いてほしそうな雰囲気を醸し出し、更には間違いなく落ち込んだような表情をしていた。
面倒くさそうな雰囲気をいち早く察知した尚くんは、自分の作業を始めようとデスクに向き直ろうとするもののそれを翔くんに止められている。
忙しい朝でも必ず一緒に朝食を取ってくれるし、食べた分の自分のお皿を必ず運んでくれる。
ほんとにできた旦那様すぎて欠点が1つも見当たらない。
私自身も食器を洗い自分の準備を始める。
スーツ姿となり髪の毛も整えた伊織くんはいつ見てもかっこいいし、自慢したくなる旦那様だ。
いつものように玄関まで見送りいってきますのキスを交わす。
そんなキスが名残惜しくて潤んだ瞳で伊織くんを見つめると、下唇をペロッと舐めた彼はもう1度私の首元を引き寄せ今度は深く口付けた。
唾液を交換し合うような濃厚で大人なキス。
「あっ、んっ⋯」
「そんな瞳で見ないで。いつも朝行きたくなくなるんだよ、心春にそんなふうに見られると」
「ごめん⋯つい、欲しがりになっちゃってるね」
「俺としてはめちゃくちゃ嬉しい。可愛いしもっとしたくなるけど、会社行かないとな」
「引き止めちゃってごめんね。いってらっしゃい」
「だんだん俺色に染まってきたな」
身体を離した伊織くんは少しだけ身体を屈めて私の目線に合わせてくれる。
そしてそのまま大きな手を頬に添えると優しく指先で撫でた。
「そんなえろい顔で会社行っちゃだめだからな。みんなが欲情しちゃう」
「よ、欲情って⋯⋯!」
「じゃあ行ってくる。心春も気をつけてな」
最後にもう1度おでこに触れるだけのキスを落とした伊織くんはニヤッと笑って家を出ていった。
残された私の全身は熱く火照っており、伊織くんの言葉や口付けの余韻に浸る。
いつでも伊織くんのセリフは甘いしその言葉から私への愛が凄まじく伝わってくるし、ドキドキさせられっぱなしだ。
心臓がいくつあっても伊織くんといたら足りないと思わせられるくらい、彼からたくさんのドキドキを与えられている。
(もう⋯どんだけかっこいいのようちの旦那様は⋯⋯)
そんなことを考えながら私自身も出社するための準備を再開した。
寒さのピークは少しだけ去ったがまだ外に出れば鳥肌が立つくらいには肌寒く、コートはまだ欠かせない。
会社としても大きな起点となるタイミングのため、私自身も仕事に精を出したいとやる気に満ち溢れていた。
それに今年はいよいよ今まで携わってきた"剣と魔法のカタストロフィ"の2作目の発売年だ。
「さて、今日も頑張りますか」
バックにパソコンを入れて忘れ物がないかしっかりと確認しそのまま私も伊織くんと一緒に住む家を後にする。
***
いつものように出勤すると既に尚くんが出社していた。
私に気づいた彼は顔を上げると小さく微笑んで会釈する。
「おはよう尚くん」
「心春さん、おはようございます」
「いつも早いね」
「まぁ家にいても特にやることないですしね」
尚くんに背中を向けるように席に座るとどこからか翔くんと雛菊ちゃんの声が聞こえてきた。
なんだか話が盛り上がっているようで雛菊ちゃんの困ったような声が届いてくる。
翔くんに絡まれている雛菊ちゃんは迷惑そうに距離を取ろうと足早にこちらに向かってくるが、負けじと追いかけてくる翔くんの姿が兄妹のようにも見えた。
「うわーー助けてくださいこはるん!」
「ど、どうしたの!」
「朝っぱらから翔たんの愚痴が止まらなくてしつこいです!私には対応できません」
席に座る私に抱きつきながら雛菊ちゃんは胸の中で必死に訴えている。
チラッと翔くんを見ると明らかに話を聞いてほしそうな雰囲気を醸し出し、更には間違いなく落ち込んだような表情をしていた。
面倒くさそうな雰囲気をいち早く察知した尚くんは、自分の作業を始めようとデスクに向き直ろうとするもののそれを翔くんに止められている。
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