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東雲家へ 4
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「その服、やっぱ似合ってる」
「ありがとう。やっぱり可愛いね」
「ほんとはそのファスナー脱がせてベッドまで連れてきたいけど我慢する」
「ダメに決まってるからね、ほら行こう」
前日に買っておいた手土産のフルーツゼリーを片手に家を出る。
伊織くんは私の後ろをついてくると何も言わずにその紙袋を持ってくれた。
そういう小さな優しさにもキュンとしてしまう。
完璧な私の旦那様は欠点のないイケメンだ。
伊織くんはいつものように助手席の扉を開けて私をエスコートしてくれる。
思いが通じる前からしてくれていたことだが、しっかりお互いの気持ちを理解したあとにされるとより特別なものに思えた。
2人で車に乗り込んでゆっくりと発進する。
伊織くんの実家は私たちの家から30分ほどの距離にあり、賑やかな中心街からは少し離れていた。
その分大きな土地などもあるようで伊織くんの家は一軒家らしい。
社長の家だからきっととてつもない大きさなのだろう。
「楽しみだな~伊織くんの家」
「そんな期待してもいいことないよ」
伊織くんが1人で住むあの家ですらあんなに大きいんだから、実家だったらもっと大きいはずだ。
お金持ちの伊織くんの感覚は私と少し違うだろうし、期待に胸が踊る。
車の中でいろんな話をしながら揺られているとあっという間に伊織くんの家に着いた。
やっぱり想像通りの家の大きさでみんなが想像する豪邸のイメージ通りの家だ。
シャッター付きのガレージが完備されており、そこには高級車が3台停められていた。
そこまで詳しいわけではないが、おそらく何千万もするような車だろう。
ガレージ自体は4台分の車が停められるスペースがあるため、空いている場所に伊織くんが器用に車を停めてくれた。
先に降りた伊織くんはまた助手席側に周り、私が降りるエスコートをしてくれる。
「ありがと。やっぱめっちゃ大きいね」
「まぁ普通よりは大きいかもしれない」
伊織くんについて行くと玄関に入る前に門扉が構えており自動でそれが開くと玄関まで進めるようになっている。
門扉を通り玄関まで向かうと伊織くんが扉の横にある装置に人差し指を添えた。
どうやらこの家の鍵は指紋認証になっているようで、そんな家を見たのは初めてのため呆気に取られる。
(指紋認証で開く玄関なんて初めて見た⋯)
扉を開けていざ玄関の中に入ると私たちが住んでいる家とほぼ同じくらいの広さの玄関が広がった。
グレーを基調とした空間が広がりかなりシックな雰囲気だ。
その奥に廊下が続いており向こう側にはありえない広さのリビングが広がっている。
伊織くんの家も大きいと思っていたけど、実家はまた桁違いに広そうだ。
「あら、おかえり!!」
「ただいま」
リビングはとてつもない広さでもはや何畳かどうかなんて分からないレベルだった。
ここに数十人の人が来ても余裕で過ごせるくらいの広さがありそうだ。
地面から天井まで続いた窓からは大量の日差しが差し込み部屋はそれだけで明るく、4人で座っても完全にお釣りがやってくるサイズのグレーのL字型ソファが鎮座している。
そのソファの反対側にはまたまたホテルのキッチンかなと思えるくらいの大きさのキッチンが広がっていた。
キッチンから声をかけてくれたお義母さんは相変わらずニコニコしていて可愛らしい。
「待ってたわよ~心春ちゃん。1ヶ月半ぶりくらいよね」
「お久しぶりです。あの、こちらよければ⋯⋯」
「あら、わざわざありがとう。気を使わせちゃってごめんなさいね」
「ありがとう。やっぱり可愛いね」
「ほんとはそのファスナー脱がせてベッドまで連れてきたいけど我慢する」
「ダメに決まってるからね、ほら行こう」
前日に買っておいた手土産のフルーツゼリーを片手に家を出る。
伊織くんは私の後ろをついてくると何も言わずにその紙袋を持ってくれた。
そういう小さな優しさにもキュンとしてしまう。
完璧な私の旦那様は欠点のないイケメンだ。
伊織くんはいつものように助手席の扉を開けて私をエスコートしてくれる。
思いが通じる前からしてくれていたことだが、しっかりお互いの気持ちを理解したあとにされるとより特別なものに思えた。
2人で車に乗り込んでゆっくりと発進する。
伊織くんの実家は私たちの家から30分ほどの距離にあり、賑やかな中心街からは少し離れていた。
その分大きな土地などもあるようで伊織くんの家は一軒家らしい。
社長の家だからきっととてつもない大きさなのだろう。
「楽しみだな~伊織くんの家」
「そんな期待してもいいことないよ」
伊織くんが1人で住むあの家ですらあんなに大きいんだから、実家だったらもっと大きいはずだ。
お金持ちの伊織くんの感覚は私と少し違うだろうし、期待に胸が踊る。
車の中でいろんな話をしながら揺られているとあっという間に伊織くんの家に着いた。
やっぱり想像通りの家の大きさでみんなが想像する豪邸のイメージ通りの家だ。
シャッター付きのガレージが完備されており、そこには高級車が3台停められていた。
そこまで詳しいわけではないが、おそらく何千万もするような車だろう。
ガレージ自体は4台分の車が停められるスペースがあるため、空いている場所に伊織くんが器用に車を停めてくれた。
先に降りた伊織くんはまた助手席側に周り、私が降りるエスコートをしてくれる。
「ありがと。やっぱめっちゃ大きいね」
「まぁ普通よりは大きいかもしれない」
伊織くんについて行くと玄関に入る前に門扉が構えており自動でそれが開くと玄関まで進めるようになっている。
門扉を通り玄関まで向かうと伊織くんが扉の横にある装置に人差し指を添えた。
どうやらこの家の鍵は指紋認証になっているようで、そんな家を見たのは初めてのため呆気に取られる。
(指紋認証で開く玄関なんて初めて見た⋯)
扉を開けていざ玄関の中に入ると私たちが住んでいる家とほぼ同じくらいの広さの玄関が広がった。
グレーを基調とした空間が広がりかなりシックな雰囲気だ。
その奥に廊下が続いており向こう側にはありえない広さのリビングが広がっている。
伊織くんの家も大きいと思っていたけど、実家はまた桁違いに広そうだ。
「あら、おかえり!!」
「ただいま」
リビングはとてつもない広さでもはや何畳かどうかなんて分からないレベルだった。
ここに数十人の人が来ても余裕で過ごせるくらいの広さがありそうだ。
地面から天井まで続いた窓からは大量の日差しが差し込み部屋はそれだけで明るく、4人で座っても完全にお釣りがやってくるサイズのグレーのL字型ソファが鎮座している。
そのソファの反対側にはまたまたホテルのキッチンかなと思えるくらいの大きさのキッチンが広がっていた。
キッチンから声をかけてくれたお義母さんは相変わらずニコニコしていて可愛らしい。
「待ってたわよ~心春ちゃん。1ヶ月半ぶりくらいよね」
「お久しぶりです。あの、こちらよければ⋯⋯」
「あら、わざわざありがとう。気を使わせちゃってごめんなさいね」
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