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溢れ出した想いは止まらない 2

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手を握ったままの伊織くんは私の身体を起こし、そのまま自分の方へとぎゅっと引き寄せる。
身体がぴたっと密着するとさっきよりも早く動く心臓の鼓動が私にも響いてきて、伊織くんがすごくドキドキしてくれているのが伝わった。


(伊織くんも私と同じなんだ⋯)


「そういうのわざと言ってる?」

「え、違うよ。伊織くんがたくさん言ってくれるから、私も伝えたいなって思っただけで⋯」

「いろんな人にそんな素直になったらだめだ。俺だけしか許さない。他の人にはもっと愛想悪くしてくれ」

「すごく無理なことを言われてる気がするよ」

「心春の優しいとこも可愛いとこも何もかも全部俺しか知らないでいたいくらいだ」


私に向けられる独占欲や執着がこそばゆく感じるものの、不思議と嫌じゃなかった。
伊織くんがどれだけ私を好きでいてくれるのかが伝わるからだ。


「そうやって言われた男がどうなるか心春は知ってるか」

「えーっと⋯⋯」


私の瞳を覗き込む伊織くんからは色気がダダ漏れで甘美な空間が必然と仕上がっていく。
2人を包み込む空気はとてつもなく甘く、妖艶だった。


伊織くんは何も言わず私を抱えていとも簡単にお姫様抱っこすると、そのまま一直線に寝室へと向かった。
大きすぎるベッドの上に寝かされ、私を縫いつけると唇を乱暴に奪いにゅるっと舌を滑り込ませる。


舌を絡め合うだけでとろけてしまいそうなほど気持ちよくて、この先に待っている快感を期待してしまった私の下腹部がきゅんと疼いた。
キスの相性は身体の相性とも密接に繋がっていると思っていて、キスだけでこんなにとろけてしまう私は伊織くんとの相性がいいと言えるだろう。


「ぁっーーーんんっーー」

「身体の隅々まで教えこんでやる。俺が、どれだけ心春のことを好きなのか」


伊織くんは私の着ていたブラウスのボタンに手をかけ、器用に外していく。
ゆっくりと外されていくその時間が、快楽へのカウントダウンのようでバクバクと心臓が暴れ出した。


ときおり、伊織くんの指があらわになり始める胸元に触れるだけで息ができないほど緊張してしまう。
きっと私の顔は今真っ赤になっているはずだ。


私の肩からブラウスが落ちてあらわになる下着を腕をクロスさせて必死に隠す。
そんな抵抗は虚しく、伊織くんに腕を取られ彼の目の前に下着が晒された。


「恥ずかしがらないでくれ」

「無理⋯見られるだけで恥ずかしくて死にそう」


子供じゃないし初めてというわけじゃないというのに、相手が伊織くんだからかやけに緊張する。
高校生の時から知っているせいか、余計に恥ずかしさも感じた。


「綺麗だよ心春」

「っ!そういうの、今言うのずるい」

「本当に思ってることだから」


伊織くんは口角を上げて微笑むとそのまま小さくリップ音を立てながら、首元から鎖骨、そして胸元に唇を這わせる。
少し触れるだけのその感触だけで私の身体はビクビクと跳ね、緊張がゆっくりと解れていくのが分かった。


ゆっくりと丁寧に触れるその指先が優しくて伊織くんの想いがダイレクトに伝わってくる。
ちゅっと音を立てながら肌に触れる合間に、伊織くんはあっという間に私のブラジャーのホックを外し支えを失ったふくらみは一瞬重力に負けた。


「見てもいいよな」

「聞かないで⋯⋯」

「すごく可愛い」


ブラジャーを剥ぎ取られふたつの膨らみが伊織くんの目の前に晒されると、その視線が突き刺さっている事実だけで頂きがぷくっと主張し始める。
恥ずかしくて伊織くんの顔を直視できずにいると、まるで電撃が走ったかのように快楽が身体の芯を貫いた。
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