64 / 186
東雲伊織の妻 6
しおりを挟む
「お昼、買いにこれから行く感じ?」
「うん、ちょっと呼ばれてて。ごめんね」
「それなら俺も一緒に行こうかな」
翔くんと2人並んでエレベーターに乗り込み会社近くによく来ているキッチンカーへと向かう。
頭の中ではこれからのスケジュールをひたすら組んでいた。
家でも一通り家事などを済ませたあと自室で作業をする必要がある。
自分のチームの作業と並行してやろうと思うと、家での作業は必須だ。
「なんか難しい顔してるね」
「え、そう?」
「なんかあった?心春ちゃんが会議室から出てくる前、山田さんと高橋さんも歩いてたからもしかして一緒にいたりした?」
翔くんはさすがチームリーダーになるだけあって些細なことも周りの様子をしっかり見ている。
しかし2人との会話の内容を翔くんに言う訳にはいかない。
言ってしまえば絶対力になるよと言ってくれるだろうし迷惑をかけてしまう。
それに翔くんから伊織くんへ話がいってしまう気がしてそれは避けたかった。
「ううん、大丈夫。何もないよ」
「そう?なんかあったら遠慮なく言ってよ?俺、チームリーダーの前に心春ちゃんの同級生なんだしさ」
「うん、ありがとう。頼りにしてるよ」
ひとまず自分でできそうなことはなんとか1人の力でやりきりたい。
伊織くんには直接関係ない事だし、私がなんとかできれば穏便に丸く済ませられるはずだ。
その日から私は1週間、同時並行で仕事を進めることにした。
穏やかに過ごすための小さな努力なら私は惜しまない。
それがこれからの平穏に繋がるのであれば。
「うん、ちょっと呼ばれてて。ごめんね」
「それなら俺も一緒に行こうかな」
翔くんと2人並んでエレベーターに乗り込み会社近くによく来ているキッチンカーへと向かう。
頭の中ではこれからのスケジュールをひたすら組んでいた。
家でも一通り家事などを済ませたあと自室で作業をする必要がある。
自分のチームの作業と並行してやろうと思うと、家での作業は必須だ。
「なんか難しい顔してるね」
「え、そう?」
「なんかあった?心春ちゃんが会議室から出てくる前、山田さんと高橋さんも歩いてたからもしかして一緒にいたりした?」
翔くんはさすがチームリーダーになるだけあって些細なことも周りの様子をしっかり見ている。
しかし2人との会話の内容を翔くんに言う訳にはいかない。
言ってしまえば絶対力になるよと言ってくれるだろうし迷惑をかけてしまう。
それに翔くんから伊織くんへ話がいってしまう気がしてそれは避けたかった。
「ううん、大丈夫。何もないよ」
「そう?なんかあったら遠慮なく言ってよ?俺、チームリーダーの前に心春ちゃんの同級生なんだしさ」
「うん、ありがとう。頼りにしてるよ」
ひとまず自分でできそうなことはなんとか1人の力でやりきりたい。
伊織くんには直接関係ない事だし、私がなんとかできれば穏便に丸く済ませられるはずだ。
その日から私は1週間、同時並行で仕事を進めることにした。
穏やかに過ごすための小さな努力なら私は惜しまない。
それがこれからの平穏に繋がるのであれば。
1
お気に入りに追加
135
あなたにおすすめの小説
お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~
ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。
2021/3/10
しおりを挟んでくださっている皆様へ。
こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。
しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗)
楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。
申しわけありません。
新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。
お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。
修正していないのと、若かりし頃の作品のため、
甘めに見てくださいm(__)m
一夜の過ちで懐妊したら、溺愛が始まりました。
青花美来
恋愛
あの日、バーで出会ったのは勤務先の会社の副社長だった。
その肩書きに恐れをなして逃げた朝。
もう関わらない。そう決めたのに。
それから一ヶ月後。
「鮎原さん、ですよね?」
「……鮎原さん。お腹の赤ちゃん、産んでくれませんか」
「僕と、結婚してくれませんか」
あの一夜から、溺愛が始まりました。
年上幼馴染の一途な執着愛
青花美来
恋愛
二股をかけられた挙句フラれた夕姫は、ある年の大晦日に兄の親友であり幼馴染の日向と再会した。
一途すぎるほどに一途な日向との、身体の関係から始まる溺愛ラブストーリー。
冷徹上司の、甘い秘密。
青花美来
恋愛
うちの冷徹上司は、何故か私にだけ甘い。
「頼む。……この事は誰にも言わないでくれ」
「別に誰も気にしませんよ?」
「いや俺が気にする」
ひょんなことから、課長の秘密を知ってしまいました。
※同作品の全年齢対象のものを他サイト様にて公開、完結しております。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
忘れたとは言わせない。〜エリートドクターと再会したら、溺愛が始まりました〜
青花美来
恋愛
「……三年前、一緒に寝た間柄だろ?」
三年前のあの一夜のことは、もう過去のことのはずなのに。
一夜の過ちとして、もう忘れたはずなのに。
「忘れたとは言わせねぇぞ?」
偶然再会したら、心も身体も翻弄されてしまって。
「……今度こそ、逃がすつもりも離すつもりもねぇから」
その溺愛からは、もう逃れられない。
*第16回恋愛小説大賞奨励賞受賞しました*
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる