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結婚生活の始まり 1
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婚姻届を提出した次の日。
私は早く起きて朝食の準備をしていた。
というのも、一緒のベッドで寝ると言ったが緊張しすぎてほとんど眠れず早く起きてしまったのも理由だ。
伊織くんはと言うと、とてもお行儀よく身体を真っ直ぐさせ寝相良く眠りについていた。
この調子で過ごしているといつか寝不足で倒れてしまいそうだが、自分で選んだ選択肢のため何も言えない。
伊織くんはどうやら8時半には家を出るようで、私はそれより遅く9時に出る予定だ。
そのため彼に合わせて朝食を作るため少し早く起きた。
家にあったトーストを焼き、冷蔵庫に入っていた卵をスクランブルエッグにさせベーコンを少し焼きお皿に乗せる。
さらに気持ち程度残っていたプチトマトを彩りとして準備し、温かいコーヒーを入れた。
そんな匂いに釣られたのか伊織くんが寝室から出てくる音が聞こえリビングに顔を出す。
少しだけ眠たそうに目を擦りながら歩いてくる姿に、こんな一面もあるんだなと感心した。
ラフなスウェット姿の伊織くんの髪はペタンと下ろされていて、かなり無防備で自然な姿は本来人には見せない姿で、そんなイケメンな彼のこんなレアな姿を見れる私はなんならラッキーなのではとも思う。
「おはよう⋯心春」
「伊織くんおはよう」
少しだけ掠れた声で名前を呼ばれ一瞬ドキッとする。
昨日のことが全部夢じゃなかったと、彼と結婚したことは現実だったんだと悟った。
「朝食準備したんだけど、食べる?」
「わざわざ準備してくれたのか?」
「うん。きっと伊織くん朝から忙しいでしょ?ちゃんと食べないと身体によくないよ」
「⋯⋯ありがとう」
少しだけ驚いたように目を見開いたように見えたがすぐにいつもの表情に戻り、椅子に腰をかけた。
準備していたトーストとスクランブルエッグの乗ったお皿を彼の前に起き、最後に注ぎたてのコーヒーを準備する。
(今の会話ものすごく夫婦っぽかった⋯自分で言っておいて恥ずかしい⋯⋯)
いただきます、と言って私が焼いたトーストを頬張りさらにはスクランブルエッグをスプーンですくった。
私も自分の朝食を準備したため、彼の向かい側の椅子に座り静かにいただく。
どんな顔をして食べてくれるのかチラチラと様子を伺っているとそれに気づいた伊織くんとバチッと目が合う。
いつかの出会いを思い出す光景にデジャブを感じだ。
「心春は料理がうまいんだな」
「え、そうかな?」
「すごく美味しい」
ただ卵を焼いただけの朝食だというのに、伊織くんはまるでホテルの高級な朝食を食べているかのように嬉しそうに食べてくれる。
いつもは1人で食べていたし作るのも自分のためだったものが、こうして感想を言ってもらえるのがこんなに嬉しいなんて思わなかった。
それに最近少しだけ思う。
もしかしたら伊織くんは本当は無愛想なんかじゃないのでは、と。
私の前では結構笑ってくれるし表情も分かりやすい。
高校のイメージよりも話しかけやすいとさえ思う。
(今も、私が作った朝食を嬉しそうに食べてくれているし)
「そうだ、伊織くん。私たちの結婚のこと、会社の人たちにはどうする?」
「そうだな⋯⋯心春のとこに翔がいるよな?あいつには多分すぐバレる」
「そうだよね、仲良いもんね2人は」
「だからあいつには変に隠さない方がいいと思う」
そもそも私が突然結婚指輪を着けて出社すれば、絶対にすぐ気づかれる。
なんなら同じチームだし過ごす時間が長い尚くんや雛菊ちゃんにもすぐバレそうだ。
私は早く起きて朝食の準備をしていた。
というのも、一緒のベッドで寝ると言ったが緊張しすぎてほとんど眠れず早く起きてしまったのも理由だ。
伊織くんはと言うと、とてもお行儀よく身体を真っ直ぐさせ寝相良く眠りについていた。
この調子で過ごしているといつか寝不足で倒れてしまいそうだが、自分で選んだ選択肢のため何も言えない。
伊織くんはどうやら8時半には家を出るようで、私はそれより遅く9時に出る予定だ。
そのため彼に合わせて朝食を作るため少し早く起きた。
家にあったトーストを焼き、冷蔵庫に入っていた卵をスクランブルエッグにさせベーコンを少し焼きお皿に乗せる。
さらに気持ち程度残っていたプチトマトを彩りとして準備し、温かいコーヒーを入れた。
そんな匂いに釣られたのか伊織くんが寝室から出てくる音が聞こえリビングに顔を出す。
少しだけ眠たそうに目を擦りながら歩いてくる姿に、こんな一面もあるんだなと感心した。
ラフなスウェット姿の伊織くんの髪はペタンと下ろされていて、かなり無防備で自然な姿は本来人には見せない姿で、そんなイケメンな彼のこんなレアな姿を見れる私はなんならラッキーなのではとも思う。
「おはよう⋯心春」
「伊織くんおはよう」
少しだけ掠れた声で名前を呼ばれ一瞬ドキッとする。
昨日のことが全部夢じゃなかったと、彼と結婚したことは現実だったんだと悟った。
「朝食準備したんだけど、食べる?」
「わざわざ準備してくれたのか?」
「うん。きっと伊織くん朝から忙しいでしょ?ちゃんと食べないと身体によくないよ」
「⋯⋯ありがとう」
少しだけ驚いたように目を見開いたように見えたがすぐにいつもの表情に戻り、椅子に腰をかけた。
準備していたトーストとスクランブルエッグの乗ったお皿を彼の前に起き、最後に注ぎたてのコーヒーを準備する。
(今の会話ものすごく夫婦っぽかった⋯自分で言っておいて恥ずかしい⋯⋯)
いただきます、と言って私が焼いたトーストを頬張りさらにはスクランブルエッグをスプーンですくった。
私も自分の朝食を準備したため、彼の向かい側の椅子に座り静かにいただく。
どんな顔をして食べてくれるのかチラチラと様子を伺っているとそれに気づいた伊織くんとバチッと目が合う。
いつかの出会いを思い出す光景にデジャブを感じだ。
「心春は料理がうまいんだな」
「え、そうかな?」
「すごく美味しい」
ただ卵を焼いただけの朝食だというのに、伊織くんはまるでホテルの高級な朝食を食べているかのように嬉しそうに食べてくれる。
いつもは1人で食べていたし作るのも自分のためだったものが、こうして感想を言ってもらえるのがこんなに嬉しいなんて思わなかった。
それに最近少しだけ思う。
もしかしたら伊織くんは本当は無愛想なんかじゃないのでは、と。
私の前では結構笑ってくれるし表情も分かりやすい。
高校のイメージよりも話しかけやすいとさえ思う。
(今も、私が作った朝食を嬉しそうに食べてくれているし)
「そうだ、伊織くん。私たちの結婚のこと、会社の人たちにはどうする?」
「そうだな⋯⋯心春のとこに翔がいるよな?あいつには多分すぐバレる」
「そうだよね、仲良いもんね2人は」
「だからあいつには変に隠さない方がいいと思う」
そもそも私が突然結婚指輪を着けて出社すれば、絶対にすぐ気づかれる。
なんなら同じチームだし過ごす時間が長い尚くんや雛菊ちゃんにもすぐバレそうだ。
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