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プロポーズ 1
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東雲ホールディングスに入社してから早3ヶ月が経った。
私はというと佐藤チームのメンバーのみんなと⋯⋯。
「雛菊ちゃん⋯⋯また攻略滞ってるの?」
「よく分かりますねこはるん。私の推しキャラ、アヤトくんとの関係値が全く進歩せず⋯難航してるんです」
「それは大変だね」
乙女ゲームに夢中な雛菊ちゃんとは彼女がやってるゲームの話で盛り上がっている。
私自身もスマートフォンに乙女ゲームをインストールしており、雛菊ちゃんのおかげで乙女ゲームに少し詳しくなった。
そして尚くんとも普通に話せるようになっており、ゲームの話でこちらも盛り上がっている。
相変わらず前髪は長く黒縁メガネもしているため表情は少し分かりにくいが微笑みかけてくれる回数も増えた。
雛菊ちゃんは初対面からこんな感じだったため、仲良くなることに時間はかからなかったが尚くんとは少しだけ時間がかかった。
尚くんのよくやってるゲームを私もインストールし、それで話すきっかけを作ったのだ。
「心春さんゲームやってます?」
「うん。やっとレベル15になりました」
「ジョブは魔道士でしたっけ?」
尚くんがハマってるのはファンタジーのRPGゲームで私自身も恥ずかしながらハマっていた。
寝るのを惜しんでキャラを育てるくらいにはやり込んでいる。
「ん~心春ちゃんが2人と仲良くなってくれて俺は嬉しいよ。尚も雛菊も人間関係構築するの苦手な部類だと思ってたけどさすが心春ちゃん」
「だから翔さん失礼なんですよね」
「そんなんだからアヤトくんみたいにモテないんですよ翔たんは」
「手厳しいな2人は」
働く環境は非常によく、何も困っていることはない。
ゲームプログラミングも勉強しておいたことが活かせるし元々知っていた知識も活用しついていけている。
分からないことはみんなが助けてくれるため非常に救われていた。
ドリンクバーも完備されているし、ディスカッションスペースで打ち合わせもできる。
この会社に誘ってくれた東雲くんも直接会うことはほとんどないが、メッセージを頻繁に送ってくれてなんだかんだやり取りが続いていた。
給料も前の会社よりもだいぶ多く入ってきているため、冬麻の学費に充てることができとても助かっている。
だけど一つだけ、懸念点があった。
大学3年の夏に入ってより実習活動が増えるらしくその実習費をまとめて支払う必要がある。
貯金がないわけではないが、一気に用意するには若干の不安が残る。
そうは言いつつも他にお金を準備する方法はなく、途方に暮れているのが正直なところだ。
それを誰にも悟られないように笑顔の裏に隠し、私はパソコンに向き合った。
プログラミング作業はすごく地道で少しずつ構築し、バグの修正を繰り返している。
だけど私たちの作業がいずれやっているようなゲームたちになると思うとすごく楽しみだ。
「ねえ心春ちゃんってさ、あれから伊織に会ってるの?」
私の隣でパソコンに向かい合いながら問いかける翔くん。
私の背後では尚くんが、そしてその隣では雛菊ちゃんがボソボソ何か呟きながらキーボードをたたいていた。
「会ってないよ。メッセージのやり取りはしてる」
「そっか」
それ以上、翔くんは何も言ってこなかった。
その日も私はみんなで定時までしっかりと作業をこなし、少しだけ残業をしたあと仕事を終え帰路に着く。
私はというと佐藤チームのメンバーのみんなと⋯⋯。
「雛菊ちゃん⋯⋯また攻略滞ってるの?」
「よく分かりますねこはるん。私の推しキャラ、アヤトくんとの関係値が全く進歩せず⋯難航してるんです」
「それは大変だね」
乙女ゲームに夢中な雛菊ちゃんとは彼女がやってるゲームの話で盛り上がっている。
私自身もスマートフォンに乙女ゲームをインストールしており、雛菊ちゃんのおかげで乙女ゲームに少し詳しくなった。
そして尚くんとも普通に話せるようになっており、ゲームの話でこちらも盛り上がっている。
相変わらず前髪は長く黒縁メガネもしているため表情は少し分かりにくいが微笑みかけてくれる回数も増えた。
雛菊ちゃんは初対面からこんな感じだったため、仲良くなることに時間はかからなかったが尚くんとは少しだけ時間がかかった。
尚くんのよくやってるゲームを私もインストールし、それで話すきっかけを作ったのだ。
「心春さんゲームやってます?」
「うん。やっとレベル15になりました」
「ジョブは魔道士でしたっけ?」
尚くんがハマってるのはファンタジーのRPGゲームで私自身も恥ずかしながらハマっていた。
寝るのを惜しんでキャラを育てるくらいにはやり込んでいる。
「ん~心春ちゃんが2人と仲良くなってくれて俺は嬉しいよ。尚も雛菊も人間関係構築するの苦手な部類だと思ってたけどさすが心春ちゃん」
「だから翔さん失礼なんですよね」
「そんなんだからアヤトくんみたいにモテないんですよ翔たんは」
「手厳しいな2人は」
働く環境は非常によく、何も困っていることはない。
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分からないことはみんなが助けてくれるため非常に救われていた。
ドリンクバーも完備されているし、ディスカッションスペースで打ち合わせもできる。
この会社に誘ってくれた東雲くんも直接会うことはほとんどないが、メッセージを頻繁に送ってくれてなんだかんだやり取りが続いていた。
給料も前の会社よりもだいぶ多く入ってきているため、冬麻の学費に充てることができとても助かっている。
だけど一つだけ、懸念点があった。
大学3年の夏に入ってより実習活動が増えるらしくその実習費をまとめて支払う必要がある。
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そうは言いつつも他にお金を準備する方法はなく、途方に暮れているのが正直なところだ。
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だけど私たちの作業がいずれやっているようなゲームたちになると思うとすごく楽しみだ。
「ねえ心春ちゃんってさ、あれから伊織に会ってるの?」
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私の背後では尚くんが、そしてその隣では雛菊ちゃんがボソボソ何か呟きながらキーボードをたたいていた。
「会ってないよ。メッセージのやり取りはしてる」
「そっか」
それ以上、翔くんは何も言ってこなかった。
その日も私はみんなで定時までしっかりと作業をこなし、少しだけ残業をしたあと仕事を終え帰路に着く。
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