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第二十五話
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「ごめん、板額……」
僕は何だかいたたまれなくなって思わず小声で謝っていた。
「何で与一が謝るんだい?」
思いのほか平然とした様子の声が返って来た。同時に、するりとまた板額が僕の片腕に自分の腕を絡めて来た。そして板額は僕の耳元に顔を近づけて、小声で囁いた。
「与一が望むなら、この続きは何時でもして良いよ」
その言葉に驚いて板額を振り返ると、こいつはいたずらっ子の様な笑みをその顔に浮かべていた。
「お、お前なぁ……」
思わずそう言って続きの言葉を言い淀んだ。確かにあそこでお預けを食らったのは痛い。そこは歳頃の男の子なんだ。この歳頃の男の子なら誰だってそう思うだろう。でも、その先ってどこまでだろうか? つうか僕はあのままだったら、あの先に何をしようとしていたのだろうか? 意外にもその時の僕は、自分自身でその先の事は具体的に想像する事は出来ずにいた。
「お前、あんな事されて本当に嫌じゃなかったのか?」
僕は自分が板額が抵抗しないのを良い事にかなりえっちな事をした自覚はあった。でもその事を棚に上げ、ちょっと紳士的にそう尋ねた。
「全然!」
板額は即答だった。しかも、いつものあの素敵な笑みを浮かべてだ。
「僕はね、与一。
君が僕を『女の子』としてみてくれるのが嬉しいんだ。
僕が女の子だから、ああいう事したんだろう?」
「もちろんさ」
板額の問い掛けに僕は反射的にそう答えた。でも、同時に何かぞわぞわする違和感が僕の胸に湧き上がってくるのを感じた。
今、板額の奴は『僕を『女の子』としてみてくれるのが嬉しいんだ』と言った。『女の子として見る』ってどう言う事だ? 何だかそれって、実は板額が『女の子』じゃないって言う意味に聞こえないか?
そう思った僕は反射的に板額に聞き返していた。
「お、お前、ま、まさか……、
『僕っ娘』じゃなくて『男の娘』なのか?」
すると板額はにやりと笑った。僕はその瞬間、背筋がぞくぞくと寒くなった。
もし、本当に板額が男の娘だったらどうすれば良いのか? いや、この際、これだけの美人ならいっその事、男の娘だって良いんじゃないか。今の世の中、そう言う組み合わせでも認められてる。いや、でも、その場合、ああなった場合、どうすれば良いんだ? やっぱり、あっちにああするのか? 色んな考えがその瞬間、僕の頭をぐるぐる駆け巡った。
ちなみに、この時の僕は誓って男の娘を愛でる性癖は無かった。
板額が僕の横に腕を絡めてひっついたまま、突然、僕の自由になってる方の手首を掴んだ。そして、そのまま自分の方へ引き寄せると、いきなり、自分の下腹部に当てがった。僕の開いた手のひらが、板額のスカートの上から微妙な部分にふわりと触れた。
突然の事と言っても、歳頃の僕だって少しの理性はある。いくら何でもしっかりさわさわして確かめたりできるわけない。でも、そう、間違いなく、そこには何もなかった。いや、僕自身、男の子だから分かる。もし、あれば軽く触れただけでもその存在を確認できる自信がある。
でも、板額の下腹部には、板額が男の娘である事を示すべきモノは存在していなかった。
「どうかな、与一。納得した?」
板額は妙に落ち着いた風で、微笑みながらそう言うと僕の手を離した。
「お、お前、なんて事、させるんだ!
こんなことさせなくったって言葉で言えば信じるぞ、僕は!」
僕は思わず耳まで顔を真っ赤にして叫んだ。もちろん、怒ったんじゃないない。こんな事、普通はなかなか出来る事じゃない。手慣れた男なら、ラッキーと思いほくそ笑む所だろう。確かに僕だってさっきはかなり大胆な事を板額にした。でもそう言う事は今日が初めてだった僕は、今度はこっちらの方がとても気恥ずかしくなっていたのだ。
「与一が納得してくれれば僕は気にしない。
大好きな与一へのちょっとしたサービス。
でも勘違いしないでね。
これ与一だから触らせてあげたんだからね」
板額はまたあの素敵な笑顔を浮かべてそう言った。
初めの二人だけでの帰宅デートだってのに、僕はその日の内にAからBの真ん中辺りまで到達してしまったのだ。一体、僕と板額はこの先、どうなって行くのだろうか? そもそも何で板額の奴は初対面のはずの僕にここまで心……体もか……を許すのか、この時の僕にはまったく分からなかった。
僕は何だかいたたまれなくなって思わず小声で謝っていた。
「何で与一が謝るんだい?」
思いのほか平然とした様子の声が返って来た。同時に、するりとまた板額が僕の片腕に自分の腕を絡めて来た。そして板額は僕の耳元に顔を近づけて、小声で囁いた。
「与一が望むなら、この続きは何時でもして良いよ」
その言葉に驚いて板額を振り返ると、こいつはいたずらっ子の様な笑みをその顔に浮かべていた。
「お、お前なぁ……」
思わずそう言って続きの言葉を言い淀んだ。確かにあそこでお預けを食らったのは痛い。そこは歳頃の男の子なんだ。この歳頃の男の子なら誰だってそう思うだろう。でも、その先ってどこまでだろうか? つうか僕はあのままだったら、あの先に何をしようとしていたのだろうか? 意外にもその時の僕は、自分自身でその先の事は具体的に想像する事は出来ずにいた。
「お前、あんな事されて本当に嫌じゃなかったのか?」
僕は自分が板額が抵抗しないのを良い事にかなりえっちな事をした自覚はあった。でもその事を棚に上げ、ちょっと紳士的にそう尋ねた。
「全然!」
板額は即答だった。しかも、いつものあの素敵な笑みを浮かべてだ。
「僕はね、与一。
君が僕を『女の子』としてみてくれるのが嬉しいんだ。
僕が女の子だから、ああいう事したんだろう?」
「もちろんさ」
板額の問い掛けに僕は反射的にそう答えた。でも、同時に何かぞわぞわする違和感が僕の胸に湧き上がってくるのを感じた。
今、板額の奴は『僕を『女の子』としてみてくれるのが嬉しいんだ』と言った。『女の子として見る』ってどう言う事だ? 何だかそれって、実は板額が『女の子』じゃないって言う意味に聞こえないか?
そう思った僕は反射的に板額に聞き返していた。
「お、お前、ま、まさか……、
『僕っ娘』じゃなくて『男の娘』なのか?」
すると板額はにやりと笑った。僕はその瞬間、背筋がぞくぞくと寒くなった。
もし、本当に板額が男の娘だったらどうすれば良いのか? いや、この際、これだけの美人ならいっその事、男の娘だって良いんじゃないか。今の世の中、そう言う組み合わせでも認められてる。いや、でも、その場合、ああなった場合、どうすれば良いんだ? やっぱり、あっちにああするのか? 色んな考えがその瞬間、僕の頭をぐるぐる駆け巡った。
ちなみに、この時の僕は誓って男の娘を愛でる性癖は無かった。
板額が僕の横に腕を絡めてひっついたまま、突然、僕の自由になってる方の手首を掴んだ。そして、そのまま自分の方へ引き寄せると、いきなり、自分の下腹部に当てがった。僕の開いた手のひらが、板額のスカートの上から微妙な部分にふわりと触れた。
突然の事と言っても、歳頃の僕だって少しの理性はある。いくら何でもしっかりさわさわして確かめたりできるわけない。でも、そう、間違いなく、そこには何もなかった。いや、僕自身、男の子だから分かる。もし、あれば軽く触れただけでもその存在を確認できる自信がある。
でも、板額の下腹部には、板額が男の娘である事を示すべきモノは存在していなかった。
「どうかな、与一。納得した?」
板額は妙に落ち着いた風で、微笑みながらそう言うと僕の手を離した。
「お、お前、なんて事、させるんだ!
こんなことさせなくったって言葉で言えば信じるぞ、僕は!」
僕は思わず耳まで顔を真っ赤にして叫んだ。もちろん、怒ったんじゃないない。こんな事、普通はなかなか出来る事じゃない。手慣れた男なら、ラッキーと思いほくそ笑む所だろう。確かに僕だってさっきはかなり大胆な事を板額にした。でもそう言う事は今日が初めてだった僕は、今度はこっちらの方がとても気恥ずかしくなっていたのだ。
「与一が納得してくれれば僕は気にしない。
大好きな与一へのちょっとしたサービス。
でも勘違いしないでね。
これ与一だから触らせてあげたんだからね」
板額はまたあの素敵な笑顔を浮かべてそう言った。
初めの二人だけでの帰宅デートだってのに、僕はその日の内にAからBの真ん中辺りまで到達してしまったのだ。一体、僕と板額はこの先、どうなって行くのだろうか? そもそも何で板額の奴は初対面のはずの僕にここまで心……体もか……を許すのか、この時の僕にはまったく分からなかった。
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