アユミちゃん

まろ蔵

文字の大きさ
上 下
2 / 34

〈アユミちゃんとお菓子〉

しおりを挟む
「カタカナなんて、だぁい嫌い。無くなっちゃえば良いのに」

実は、アユミちゃんは、カタカナがちょっぴり苦手です。
だって、何だか、こんがらがっちゃう。

いつも天国から可愛いアユミちゃんを見守っていた神様は、そんな彼女の願いを聞き届けました。

すると、何と言うことでしょうか。
地上から、大半のお菓子たちが姿を消してしまったのです。

ケーキ、クッキー、チョコレート、キャラメル、ドロップ、マシュマロ、プリン。
みんな、カタカナですもんね。

街じゅうは、パニックです。
黄色い悲鳴や哀しい吐息が飛びかいます。

でも、アユミちゃんは、ぜんぜん平気。
白い歯を見せてにっこり笑うと、
「だって、おぜんざいとみたらし団子があるじゃない」
しおりを挟む

処理中です...