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31話
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「ステンレス使いなんですね。宮古先輩。竹使いが多いから珍しいかも。おしゃべりに夢中になって、痛くしないでくださいね?」
灯は耳かきが耳に入った事も全く意に介する様子もなく、口を動かす。灯が膝の上で浮かべる不敵な表情は宮古先輩には見えていないだろうが、宮古先輩はその言葉に若干顔をゆがめている。自分にやった時もそうだったけど、この人割と感情がすぐ乱れるな・・・
「安心していいよ。私の耳かきはすぐに寝れるくらい気持ちいいから。お話を楽しみすぎて動いたりしなければ、ね。壁から剥がすよ。」
トークによる妨害は見抜いていること、これ以上の妨害プレイは受け側の痛みも伴うことを警告すると、耳かきの細かい動きがやがて大胆な動きに変化していく。
「んんっ!本当に気持ちいかも。さすがに上級生だけあってやりますね。けっこう固くなった耳垢をこんなに気持ちよく、壁からはがせるなんて!」
声が高くなるのは、演技か、素なのか。
「お世辞は無駄だよ。ステンレスは元々こういう耳には相性がいい。ステンレス使いなら1年でもこれくらいできる人はいるでしょ。」
「んぁ!ふふっ。確かにできる人はいるけど、誰でもできるわけではないですよ。本当にすごいですよ宮古先輩。」
「それはどうも。でも、私の所の後輩の耳垢はもっと大きいから、これくらいの大きさのは何事もなく出来ないとね。さ、耳垢とるよ。」
嫌味を返すかのような挑発。お前の耳垢は小さいから形を崩すまでもなく楽勝だぜ。という煽り。
「あー。確かに柿人君の耳垢、かなり大きいもんね。あれを日常的に練習してたら同じタイプの耳垢はしょぼく見えるかも。でも、みゃーちゃんも容赦ないなぁ。」
なぜ、僕を引き合いにだしたのか。自分は正直、他校の今日初めてあった人に耳垢のデカいやつと認識されるのだが?
容赦ない攻撃をされてるのは僕なんだが?
「それは・・・んっ!すごいです・・・ねっ!あっ!」
耳壁から分離した大きい耳垢を形を崩すことなく、耳かきが少しずつ、耳のなかから顔を出す。ゆっくりと耳壁を上る耳かきの感触は実際に触れられていなくても気持ちよさが伝わってきそうな気さえする。宮古先輩が耳かきを耳から取り出し、匙にのった巨大な耳垢をティッシュの上へ。
「気持ちいいみたいだね。よかった。次は細かいのやるよ。気持ちよくても動きすぎると怪我するからね。口を閉じて、体を抑えながら耳かきを味わう方がオススメだよ。」
「くっ・・・んんぅ!」
宮古先輩がさらなる挑発をしながら、耳かきを穴に入れる。おおきく動く手元と灯の体。灯の口数は減り、会話の主導権は宮古先輩に移りつつあった。
「会話による妨害は攻め側も行えるというわけですね。会話使い相手にはトークを逆利用する戦略もあると。言葉の自信を折れば、相手はそれ以外の行動が難しい!」
伊織は純粋に試合に使われる技術を分析しており、自分の耳かき力を上げるのに意欲的だ。
「でも、トークをしながらだと行動宣言をやるのに話の流れを調整する必要があるから、けっこう高度な技だよ。まずは基礎を固めないとね。」
友梨奈先輩は伊織にその技術難易度を説明する。
そんな話をする間に、決着はつこうとしていた。
灯は耳かきが耳に入った事も全く意に介する様子もなく、口を動かす。灯が膝の上で浮かべる不敵な表情は宮古先輩には見えていないだろうが、宮古先輩はその言葉に若干顔をゆがめている。自分にやった時もそうだったけど、この人割と感情がすぐ乱れるな・・・
「安心していいよ。私の耳かきはすぐに寝れるくらい気持ちいいから。お話を楽しみすぎて動いたりしなければ、ね。壁から剥がすよ。」
トークによる妨害は見抜いていること、これ以上の妨害プレイは受け側の痛みも伴うことを警告すると、耳かきの細かい動きがやがて大胆な動きに変化していく。
「んんっ!本当に気持ちいかも。さすがに上級生だけあってやりますね。けっこう固くなった耳垢をこんなに気持ちよく、壁からはがせるなんて!」
声が高くなるのは、演技か、素なのか。
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「んぁ!ふふっ。確かにできる人はいるけど、誰でもできるわけではないですよ。本当にすごいですよ宮古先輩。」
「それはどうも。でも、私の所の後輩の耳垢はもっと大きいから、これくらいの大きさのは何事もなく出来ないとね。さ、耳垢とるよ。」
嫌味を返すかのような挑発。お前の耳垢は小さいから形を崩すまでもなく楽勝だぜ。という煽り。
「あー。確かに柿人君の耳垢、かなり大きいもんね。あれを日常的に練習してたら同じタイプの耳垢はしょぼく見えるかも。でも、みゃーちゃんも容赦ないなぁ。」
なぜ、僕を引き合いにだしたのか。自分は正直、他校の今日初めてあった人に耳垢のデカいやつと認識されるのだが?
容赦ない攻撃をされてるのは僕なんだが?
「それは・・・んっ!すごいです・・・ねっ!あっ!」
耳壁から分離した大きい耳垢を形を崩すことなく、耳かきが少しずつ、耳のなかから顔を出す。ゆっくりと耳壁を上る耳かきの感触は実際に触れられていなくても気持ちよさが伝わってきそうな気さえする。宮古先輩が耳かきを耳から取り出し、匙にのった巨大な耳垢をティッシュの上へ。
「気持ちいいみたいだね。よかった。次は細かいのやるよ。気持ちよくても動きすぎると怪我するからね。口を閉じて、体を抑えながら耳かきを味わう方がオススメだよ。」
「くっ・・・んんぅ!」
宮古先輩がさらなる挑発をしながら、耳かきを穴に入れる。おおきく動く手元と灯の体。灯の口数は減り、会話の主導権は宮古先輩に移りつつあった。
「会話による妨害は攻め側も行えるというわけですね。会話使い相手にはトークを逆利用する戦略もあると。言葉の自信を折れば、相手はそれ以外の行動が難しい!」
伊織は純粋に試合に使われる技術を分析しており、自分の耳かき力を上げるのに意欲的だ。
「でも、トークをしながらだと行動宣言をやるのに話の流れを調整する必要があるから、けっこう高度な技だよ。まずは基礎を固めないとね。」
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