【完結】悪役令嬢と言われている私が殿下に婚約解消をお願いした結果、幸せになりました。

3.【別視点】

　ディナーの時間になった。

　食卓にはガーベラ、ララ、父親である公爵、ララの母親である公爵夫人の全員が揃っている。
　私は周りに侍女や執事がいる列に加わって見守る。
　ララは父母と楽しそうにおしゃべりをしている。しかし、ガーベラは一言も発さず、黙々と食べている。

 　デザートの時、ガーベラは深呼吸した後に声を出す。
「お父様、お話があr「誰が話していいと言ったの？」」
　彼女の言葉に重ねてきたのは公爵夫人であった。

　それからは、彼女が言葉を発する度に遮る公爵夫人。
　さらには、泣き真似をするララを庇い、彼女へ向ける辛辣な言葉の数々。

　私が怪訝な顔をしていると、ララと目が合う。ララがニヤリと笑った。

「それにね、お母様。私が帰った理由をお聞きになって？お姉様の執事が私をいやらしい目で見てくるのですわ。私、耐えきれなくって」
　ララをそんな目で見たことなど一度もない。変なこと言わないで欲しい。

「あなたに執事なんていたかしら？」
　私が一歩前へ出て自己紹介をしようとする。
「はじめまして、私はル「どうせすぐ辞めさせるから名前なんていいわ。今すぐクビにして」」
　せっかく名前考えて来たのに言う機会がないとは。

「お義母さま！彼をどうするかは私が決めm「まあ、可愛いララちゃんに害があったらどうするの？あなたに何ができるの？」」
「それはっ、「なぁんにもできないでしょ？」」
　私のことを思って彼女が助け舟を出してくれるが、公爵夫人の言葉が強すぎる。

「はぁ。殿下も大変よね。こんな人が婚約者なんて私なら耐え切れないわ。」
「そうですよね！私の方が殿下に似合ってますものぉ！お姉様なんて、私の流した噂を信じて捨てられる運命なのですわぁ」

　怒りが湧いてきた。
　もちろん彼女たちに対してもだし、自分自身に対してもだ。
　彼女がこんなにも辛い目に遭っていることに、もっと早く気づいてやれなかったのか。本当に悔しい。

「私は噂など信じません」

　気づいた時には、そんな言葉が口から出ていた。
　自分でもびっくりするくらい低いトーンにだった。
「ふっ、あなたが信じなかったところでなにも・・・っ！」

　ペンダントを外して魔法を解く。
　時間が止まったかのようにみんな固まる。

　驚いて目を見開く彼女を見つめる。今まで辛い思いさせてごめん。

「で、殿下・・・？」
　
　そうだよの意味を込めて、笑みを浮かべる。
　
　さぁ、大事な彼女を傷つけたやつらへの報復の時間だ。