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思ってたより石頭
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え? 俺、また死んだ?
直人に戻ったのか、はたまた他の誰かに転移したのか――
「レティシアさん、気が付いたっすか!?」
イルマちゃんが顔を覗き込んできた。
あ、これただ気を失っただけだわ。
ここ、リリア魔法学園の保健室だ。
「ええ……」
「大丈夫~? 記憶なくなったりしてない~?」
ラウラちゃんも心配顔だ。
「平気よ。たぶん、平気」
ゆっくりと身を起こすが、うん、おかしなところはなさそう。
頭もまあ、はっきりしてると思う。
頭に衝撃があったよなぁ、と手を延ばすと後頭部がちょっと熱くてコブができてるみたいだ。
けど、痛みもほとんどないし、ほっといたら直るだろ。
それより――
「マリオンちゃんは大丈夫だった?」
「それに関しては心配ないっす」
いや、心配だって。
んん?
そういやメフティルトちゃんもあの子は平気とかダイジョブとか言ってた気がするけど……
あれって、俺を止めるためじゃなくて、マジで大丈夫だったの?
うひ。
だったら、ちょっと恥ずかしいな。
「やー、すごかったっすね! 鎧、ガジャーンカジャーンって」
おお、イルマちゃんもロボのかっこよさがわかるタイプか!
「急に暴走したのにはびっくりしたけれど」
「あれ~、メフティルトさんの増幅の魔法が影響したのかもって~」
「なるほど、ゴーレムがマジックアイテムとして認識されてしまったわけね」
「たぶんそうっす。で、レティシアさんがエリヴィラさん突き飛ばした直後にガラガラ崩れて、兜がレティシアさんの頭に当たったんす」
「そうなの」
うへ。
俺かっこ悪い。
けど、他の魔法の影響で暴走したんなら、エリヴィラちゃんが怒られることはなさそうだな。
よかった、よかった。
「あ、エリヴィラさんも大丈夫だった? 思いっきり突き飛ばしてしまったけど」
あの時はそうするしかないって思ったけど、あの後すぐ止まるなら余計だったかもな。
「あ、そうだ、エリヴィラさんが大変なんすよ!」
「え!? まさかケガを!?」
保健室にはいないみたいだし、それって病院に運ばれたってことか!?
「ん~ん、ケガはないんだけど」
「よかった」
「どさくさに紛れて、レティシアさんを殺そうとしたんじゃないかって言われてるの~」
「は!?」
なんで!?
「エリヴィラさん、呪いの家系じゃないっすか。それで家からレティシアさんを暗殺するように指令を受けてたんじゃないかって」
「そんなことあるはずないわ!」
ありえないって、だってエリヴィラちゃん助けてくれたし!
殺そうとして助けるとかないだろ!
「うん~、私たちはわかってるんだけど~。呪いってだけで怖がっちゃう子いっぱいいるから~」
「それで、つるし上げみたいになってるんすよ」
「なんですって!」
「グローリアさんが止めてるから~、ひどいことにはなってないと思うけど~」
この二人がいてグローリアちゃんがいないのにちょっと疑問を持ってたけど、そういうことか。
グローリアちゃんえらい!!
にしても……
グローリアちゃんとエリヴィラちゃんの間に友情が芽生えているのか?
あの二人……ビジュアル面では完璧じゃね?
金髪ツンインテキツネ耳のグローリアちゃんに、黒髪ヤマトナデシコ(風)時々眼鏡のエリヴィラちゃん。
やだ、ドキドキする。
じゃなくて!!
「どこ! 私、行くわ!」
俺はベッドから慌てて降りた。
ここはレティシアが行くのが一番だろ!
被害者が違うって言ったら違うのだ!
「ええっと、教室っすけど」
「レティシアさん~、もう頭は平気なの~?」
「平気よ」
本当はちょっとくらくらするけど、それどころじゃねー!
直人に戻ったのか、はたまた他の誰かに転移したのか――
「レティシアさん、気が付いたっすか!?」
イルマちゃんが顔を覗き込んできた。
あ、これただ気を失っただけだわ。
ここ、リリア魔法学園の保健室だ。
「ええ……」
「大丈夫~? 記憶なくなったりしてない~?」
ラウラちゃんも心配顔だ。
「平気よ。たぶん、平気」
ゆっくりと身を起こすが、うん、おかしなところはなさそう。
頭もまあ、はっきりしてると思う。
頭に衝撃があったよなぁ、と手を延ばすと後頭部がちょっと熱くてコブができてるみたいだ。
けど、痛みもほとんどないし、ほっといたら直るだろ。
それより――
「マリオンちゃんは大丈夫だった?」
「それに関しては心配ないっす」
いや、心配だって。
んん?
そういやメフティルトちゃんもあの子は平気とかダイジョブとか言ってた気がするけど……
あれって、俺を止めるためじゃなくて、マジで大丈夫だったの?
うひ。
だったら、ちょっと恥ずかしいな。
「やー、すごかったっすね! 鎧、ガジャーンカジャーンって」
おお、イルマちゃんもロボのかっこよさがわかるタイプか!
「急に暴走したのにはびっくりしたけれど」
「あれ~、メフティルトさんの増幅の魔法が影響したのかもって~」
「なるほど、ゴーレムがマジックアイテムとして認識されてしまったわけね」
「たぶんそうっす。で、レティシアさんがエリヴィラさん突き飛ばした直後にガラガラ崩れて、兜がレティシアさんの頭に当たったんす」
「そうなの」
うへ。
俺かっこ悪い。
けど、他の魔法の影響で暴走したんなら、エリヴィラちゃんが怒られることはなさそうだな。
よかった、よかった。
「あ、エリヴィラさんも大丈夫だった? 思いっきり突き飛ばしてしまったけど」
あの時はそうするしかないって思ったけど、あの後すぐ止まるなら余計だったかもな。
「あ、そうだ、エリヴィラさんが大変なんすよ!」
「え!? まさかケガを!?」
保健室にはいないみたいだし、それって病院に運ばれたってことか!?
「ん~ん、ケガはないんだけど」
「よかった」
「どさくさに紛れて、レティシアさんを殺そうとしたんじゃないかって言われてるの~」
「は!?」
なんで!?
「エリヴィラさん、呪いの家系じゃないっすか。それで家からレティシアさんを暗殺するように指令を受けてたんじゃないかって」
「そんなことあるはずないわ!」
ありえないって、だってエリヴィラちゃん助けてくれたし!
殺そうとして助けるとかないだろ!
「うん~、私たちはわかってるんだけど~。呪いってだけで怖がっちゃう子いっぱいいるから~」
「それで、つるし上げみたいになってるんすよ」
「なんですって!」
「グローリアさんが止めてるから~、ひどいことにはなってないと思うけど~」
この二人がいてグローリアちゃんがいないのにちょっと疑問を持ってたけど、そういうことか。
グローリアちゃんえらい!!
にしても……
グローリアちゃんとエリヴィラちゃんの間に友情が芽生えているのか?
あの二人……ビジュアル面では完璧じゃね?
金髪ツンインテキツネ耳のグローリアちゃんに、黒髪ヤマトナデシコ(風)時々眼鏡のエリヴィラちゃん。
やだ、ドキドキする。
じゃなくて!!
「どこ! 私、行くわ!」
俺はベッドから慌てて降りた。
ここはレティシアが行くのが一番だろ!
被害者が違うって言ったら違うのだ!
「ええっと、教室っすけど」
「レティシアさん~、もう頭は平気なの~?」
「平気よ」
本当はちょっとくらくらするけど、それどころじゃねー!
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