上 下
34 / 72

どぎまぎしちゃう

しおりを挟む
「さ、先生、ロイ。行きましょう?」


茂みから引っ張り出したロイのオレンジ色の髪は少し乱れて、髪や服に葉っぱがくっついている。

それをはたいて落としてあげると、ロイの目は泳いでいた。


「い、いきましょう、ってどこへ…。」



「閨の教育なんだから、寝室に決まってるでしょ?僕も閨教育は受けていないんですよね。ケインが始終家に連れ込んでよろしくやっていたので、自然と知ってますけど。でも、男でのことはよく知らないので、一緒に受けられると都合がいいのです。」


ええ~~~~~と、ロイがゆでだこみたいになっている。


本当にもう、かわいいなぁ。



「そういうことでしたら。」

ロッテンマイヤー様も同意する。



「シン様、ロイ様、頑張ってくださいね。」

「たくさん子どもができたらいいですね!子宝の神に祈っておきます。」


スティーブと爺やに応援されながら、僕らは寝室に来た。







「まずは風呂に入ってきます。交代でどうぞ?」


シンは当主なので、重厚な扉の落ち着いた室内に案内された。

どっしりした木でできた家具。

窓際にはテーブルと椅子があり、ベッドルームの側には、クローゼットがあった。


言われるがまま、ソファで待っていると、お風呂上がりのシンがバスローブをつけてやってきた。

こ、この下は何にもつけていない………んだよね!?


白い肌がお風呂の熱で桃色に染まっている。




今度は私が風呂に入って裸になる番。


「浴室で出して来ては行けませんよ。」



ロッテンマイヤー先生、分かってます!




うぅ。下半身がいたいよぉ。なんかパンパンになってるよぉ。

これが普通、なんだろうけど。



さっと隅々洗って浴室を出ると、シンはベッドに座って待っていた。




「なにぼーっと突っ立ってるんですか、このヘタレ王子。」


先生に叱られて、はっとなる。




「ごめん、あんまりシンが綺麗で…。ドキドキしちゃって。」

左隣に座って、とりあえず手を握る。



ロッテンマイヤー先生に、右手を彼の腰に回すよう矯正された。

シンがじっと僕を見てる。


キス、待ってるのかな…。



すっごくがんばって、ちゅって軽いキスを。

唇に初めて、やった。
しおりを挟む
感想 39

あなたにおすすめの小説

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

悪役令息に転生して絶望していたら王国至宝のエルフ様にヨシヨシしてもらえるので、頑張って生きたいと思います!

梻メギ
BL
「あ…もう、駄目だ」プツリと糸が切れるように限界を迎え死に至ったブラック企業に勤める主人公は、目覚めると悪役令息になっていた。どのルートを辿っても断罪確定な悪役令息に生まれ変わったことに絶望した主人公は、頑張る意欲そして生きる気力を失い床に伏してしまう。そんな、人生の何もかもに絶望した主人公の元へ王国お抱えのエルフ様がやってきて───!? 【王国至宝のエルフ様×元社畜のお疲れ悪役令息】 ▼この作品と出会ってくださり、ありがとうございます!初投稿になります、どうか温かい目で見守っていただけますと幸いです。 ▼こちらの作品はムーンライトノベルズ様にも投稿しております。 ▼毎日18時投稿予定

俺は勇者のお友だち

むぎごはん
BL
俺は王都の隅にある宿屋でバイトをして暮らしている。たまに訪ねてきてくれる騎士のイゼルさんに会えることが、唯一の心の支えとなっている。 2年前、突然この世界に転移してきてしまった主人公が、頑張って生きていくお話。

もう人気者とは付き合っていられません

花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。 モテるのは当然だ。でも――。 『たまには二人だけで過ごしたい』 そう願うのは、贅沢なのだろうか。 いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。 「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。 ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。 生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。 ※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中

釣った魚、逃した魚

円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。 王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。 王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。 護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。 騎士×神子  攻目線 一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。 どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。 ムーンライト様でもアップしています。

正婿ルートはお断りいたしますっ!

深凪雪花
BL
 ユーラント国王ジェイラスの四番目の側婿として後宮入りし、一年後には正婿の座を掴むヒロイン♂『ノア・アルバーン』に転生した俺こと柚原晴輝。  男に抱かれるなんて冗談じゃない! というわけで、溺愛フラグを叩き折っていき、他の側婿に正婿の座を押し付けようとするが、何故か溺愛され、正婿ルートに突入してしまう。  なんとしても正婿ルートを外れるぞ、と日々奮闘する俺だけど……? ※★は性描写ありです。

俺は完璧な君の唯一の欠点

白兪
BL
進藤海斗は完璧だ。端正な顔立ち、優秀な頭脳、抜群の運動神経。皆から好かれ、敬わられている彼は性格も真っ直ぐだ。 そんな彼にも、唯一の欠点がある。 それは、平凡な俺に依存している事。 平凡な受けがスパダリ攻めに囲われて逃げられなくなっちゃうお話です。

この道を歩む~転生先で真剣に生きていたら、第二王子に真剣に愛された~

乃ぞみ
BL
※ムーンライトの方で500ブクマしたお礼で書いた物をこちらでも追加いたします。(全6話)BL要素少なめですが、よければよろしくお願いします。 【腹黒い他国の第二王子×負けず嫌いの転生者】 エドマンドは13歳の誕生日に日本人だったことを静かに思い出した。 転生先は【エドマンド・フィッツパトリック】で、二年後に死亡フラグが立っていた。 エドマンドに不満を持った隣国の第二王子である【ブライトル・ モルダー・ヴァルマ】と険悪な関係になるものの、いつの間にか友人や悪友のような関係に落ち着く二人。 死亡フラグを折ることで国が負けるのが怖いエドマンドと、必死に生かそうとするブライトル。 「僕は、生きなきゃ、いけないのか……?」 「当たり前だ。俺を残して逝く気だったのか? 恨むぞ」 全体的に結構シリアスですが、明確な死亡表現や主要キャラの退場は予定しておりません。 闘ったり、負傷したり、国同士の戦争描写があったります。 本編ド健全です。すみません。 ※ 恋愛までが長いです。バトル小説にBLを添えて。 ※ 攻めがまともに出てくるのは五話からです。 ※ タイトル変更しております。旧【転生先がバトル漫画の死亡フラグが立っているライバルキャラだった件 ~本筋大幅改変なしでフラグを折りたいけど、何であんたがそこにいる~】 ※ ムーンライトノベルズにも投稿しております。

処理中です...