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僕はあまり気にしていません、処罰なんかしなくてもきっと彼らは自滅すると思いますよ?
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卒業したら平民になる【居候】で家に置いてやってるのだと思っていたシンが実は当主で。
自分たちこそむしろ【平民】…。しかも、【犯罪者】…。
まわりにはいつの間にか騎士が取り囲み、ワイナリーもロザリアも、ケインもローザも、その場にへたり込み、奇声を発している。
輝いていると思っていた自分たちの人生は幻で、これからどんな人生が待っているか。
碌な人生ではないことだけが窺える。
そんな中で、ただ茫然と突っ立っている、一応、今はまだ王太子のレイヤード。
彼の頭の中ではぐるぐると今までの自分の行いが回っている。
壇上で陛下たちと一緒に見下ろしている自分の弟。
ローザが平民だ、その親は犯罪者だと分かっていて【自分で調べろ】と言った陛下。
今なら分かる。
王として立つのなら、様々な角度から情報を集め、真実を選び取り、正しく判断する能力が問われるのだ。
そして、それができなかった自分は、もはや見捨てられたのだ。
王太子としてローザとの婚約を許していただけたのではない。
見捨てたから、どうでもよかったのだ。
そして、平民と婚約するということは…。
そんな中、傍観していたシンが発言したいという。
この上何が出てくるというのだ…。
今日1日で10年は年を取ってしまった気がする。
「おお。シン=ヴェール。よいぞ。申してみよ。聞けば、そなたはこの国の学校ではわざと能力を隠していたのだな。学術も魔法も剣も、ぴったり平均点だったと聞く。考えれば、3年間どの教科もぴったり平均点など逆におかしいのにな。隣国では国政にも携わり、天才と名高いとか。さすがヴェール家の本当の後継。そなたの父君を思い出す…。」
「僕、おじいさまには申し訳ないのですが、ヴェール領のことはもうどうでもよいのです。」
えっ・・・・?
一堂が静まり返り、皆がシンを見る。
「どうでも…?爵位だぞ?領地が返ってくるのだぞ…?」
「はい。だっておじいさまも聞いてください。あの土地は、そろそろ鉱物が尽きます。だからこそ父の代から採掘に頼らない方法を提案してきましたが、懇切丁寧に説明しても、領民は受け入れてくれませんでした。言っても言っても採掘するんです。無理に掘ると危ないから父が止めてもです。それで事故が起きて、けがや死者が出れば、父のせい。何度父が責められていたか。人材育成のために学校も作りましたし、進学への助成も試みましたが、そんなことより少しでも掘っていたいと無視。子どもの教育すらしません。無償なのにですよ?生計が苦しい家庭には支援もあります。でも、その制度を悪用する人もいます。領民は、ワイナリー叔父様が好きなのですって!口うるさいお父様よりずっとね。叔父様やケインやローザを敬愛していますし、僕なんか憎まれてますからね!もう、矯正は諦めました。オレリアン侯爵領に益があるので、ネジとかモーターとか金型作らせて向こうと交易させていましたけど、もうオレリアンで自分で調達できる準備も整ったので、いらないんです。僕。」
「……えっ?ネジとかモーターとか作らせ…っ。領地経営はロザリアがやっていたのでは…。」
「叔父様、何を寝ぼけたことを言っているのでしょう。叔父様が叔母様に命じたことは全部僕にやっといて、になるんですよ?ロイに魔法を習ってだいぶ家事で楽してたからいいですけど、使用人も全員解雇するし、僕一人であの家のこと全部と領地経営までやってたんですからね?あっ、叔父様たち全員に着けていた侍従や侍女は僕のゴーレムなので、そこのところ誤解しないでいただきたいですっ。」
ざわ…ざわ……。
なんかどよめいている。なんか変なこと言ったかしら。
「シン、普通は5歳で領地経営までできないよ。美しくて天才で神に愛された存在の私のシン以外にはできないと思う。」
ロイが僕の腰に手を回して、おでこにキス。
なんかくすぐったい!
「これはいい。規格外なヴェール伯爵には元々、代行など不要だったわけだ。」
「そういえば、ワイナリーは仕事でも使い物にならなかったと聞いておりますわ。私の甥が文官室にいるのですが、使い物にならないので、甥が全部チェックして、何も見ずに印鑑を押しても問題がないものだけを回していると言っておりましたもの。」
これまでのシンへの行いを聞いていて、腹わたが煮えくり返っていた王妃は、さすがに一言言ってやりたくなり、扇子をパチンと鳴らすと、不機嫌そうに罵った。
「だから、おばさまが主犯で実行犯で叔父様は巻き込まれたようなものですし、離縁して叔母様だけ罰を受けていただければ、僕は他の人は許しますよ。」
「ほう……。それはどういう。」
「だって処罰なんかしなくてもきっと自滅します。領地が欲しいなら爵位もあげますよ。僕には公爵領がありますし、向こうに移住する予定です。おじいさまも僕が向こうに連れて行きます。家もそちらでいいですよ。気づいていないかもしれないけれど、叔父様たちがあの家に来るまでに、両親との思い出の品や本当に大事なものは公爵家に移してあるんです。これから、オレリアン公爵家も手を引きますし、交易相手もいないし、次の手を打ってないのにあらかた採掘し尽くしちゃってるし、いろいろ詰んでますけど、欲しかったんですもんね?」
一応伯爵令嬢になるから、殿下も安心してローザをお嫁さんに出来ますね?
ニッコリ笑顔でほほ笑むと、ローザが顔をあげた。
「シン~~~~~~~~~!!!いえ、シンさま~~!!!私、愚かでしたわ!ありがとう、ありがとうっございますっっ!!!」
「ヒッ!!!」
涙と鼻水でぐちょぐちょの、メイクがとれた悲惨な素顔を見て、レイヤードは悲鳴をあげた。
隣国にいってしまうのは国の損失だが仕方がない、と陛下は締めくくって、ロイとダンスを踊った。
とっても楽しいダンス。
胸もすっきり!
この日のために耐えてた!
くるくる回りながら、ロイと会話をする。
「本当に優しいな、シンは。全員打ち首にすればよかったのに。」
「優しくなんかないよ。すぐ処刑されるより、よっぽど辛いと思うよ。あの叔父様に領地経営なんて無理だし、領民もいい加減、適当な叔父様なんかより、ちゃんとみんなを考えてくれてたお父様が素晴らしかったって気づいてくれると思う。暴動も起きるかもね。あの領地はこれから急激に貧しくなるよ。自分の無能と身の程を思い知って、自尊心がズタズタになって、貧しい暮らしに耐えかねて、ドレスや宝石も売らないといけなくなるだろうし、ケインも就職先はないだろうね。いずれ爵位と領地を陛下に返上しなければならなくなると思う。」
「殿下はどうするのかな。」
「陛下におめでとう、って婚約発表されてたじゃない。一緒に泥船に沈むんだよ。それが嫌なら殿下がなんとかしないとね。」
「ああ、廃太子だもんな。新しい王太子のケンブリッジ様とは仲良くやれそうだ。」
「ところでさ、ロイ。演技うまいねぇ!隣国の王太子設定、助かっちゃったけど!」
「え??」
シンの実家問題が片付いたのはいいが……。
もしかして、今度はシンを口説かないといけない???
もしかして、婚約者になったのも分かってない?????????????
自分たちこそむしろ【平民】…。しかも、【犯罪者】…。
まわりにはいつの間にか騎士が取り囲み、ワイナリーもロザリアも、ケインもローザも、その場にへたり込み、奇声を発している。
輝いていると思っていた自分たちの人生は幻で、これからどんな人生が待っているか。
碌な人生ではないことだけが窺える。
そんな中で、ただ茫然と突っ立っている、一応、今はまだ王太子のレイヤード。
彼の頭の中ではぐるぐると今までの自分の行いが回っている。
壇上で陛下たちと一緒に見下ろしている自分の弟。
ローザが平民だ、その親は犯罪者だと分かっていて【自分で調べろ】と言った陛下。
今なら分かる。
王として立つのなら、様々な角度から情報を集め、真実を選び取り、正しく判断する能力が問われるのだ。
そして、それができなかった自分は、もはや見捨てられたのだ。
王太子としてローザとの婚約を許していただけたのではない。
見捨てたから、どうでもよかったのだ。
そして、平民と婚約するということは…。
そんな中、傍観していたシンが発言したいという。
この上何が出てくるというのだ…。
今日1日で10年は年を取ってしまった気がする。
「おお。シン=ヴェール。よいぞ。申してみよ。聞けば、そなたはこの国の学校ではわざと能力を隠していたのだな。学術も魔法も剣も、ぴったり平均点だったと聞く。考えれば、3年間どの教科もぴったり平均点など逆におかしいのにな。隣国では国政にも携わり、天才と名高いとか。さすがヴェール家の本当の後継。そなたの父君を思い出す…。」
「僕、おじいさまには申し訳ないのですが、ヴェール領のことはもうどうでもよいのです。」
えっ・・・・?
一堂が静まり返り、皆がシンを見る。
「どうでも…?爵位だぞ?領地が返ってくるのだぞ…?」
「はい。だっておじいさまも聞いてください。あの土地は、そろそろ鉱物が尽きます。だからこそ父の代から採掘に頼らない方法を提案してきましたが、懇切丁寧に説明しても、領民は受け入れてくれませんでした。言っても言っても採掘するんです。無理に掘ると危ないから父が止めてもです。それで事故が起きて、けがや死者が出れば、父のせい。何度父が責められていたか。人材育成のために学校も作りましたし、進学への助成も試みましたが、そんなことより少しでも掘っていたいと無視。子どもの教育すらしません。無償なのにですよ?生計が苦しい家庭には支援もあります。でも、その制度を悪用する人もいます。領民は、ワイナリー叔父様が好きなのですって!口うるさいお父様よりずっとね。叔父様やケインやローザを敬愛していますし、僕なんか憎まれてますからね!もう、矯正は諦めました。オレリアン侯爵領に益があるので、ネジとかモーターとか金型作らせて向こうと交易させていましたけど、もうオレリアンで自分で調達できる準備も整ったので、いらないんです。僕。」
「……えっ?ネジとかモーターとか作らせ…っ。領地経営はロザリアがやっていたのでは…。」
「叔父様、何を寝ぼけたことを言っているのでしょう。叔父様が叔母様に命じたことは全部僕にやっといて、になるんですよ?ロイに魔法を習ってだいぶ家事で楽してたからいいですけど、使用人も全員解雇するし、僕一人であの家のこと全部と領地経営までやってたんですからね?あっ、叔父様たち全員に着けていた侍従や侍女は僕のゴーレムなので、そこのところ誤解しないでいただきたいですっ。」
ざわ…ざわ……。
なんかどよめいている。なんか変なこと言ったかしら。
「シン、普通は5歳で領地経営までできないよ。美しくて天才で神に愛された存在の私のシン以外にはできないと思う。」
ロイが僕の腰に手を回して、おでこにキス。
なんかくすぐったい!
「これはいい。規格外なヴェール伯爵には元々、代行など不要だったわけだ。」
「そういえば、ワイナリーは仕事でも使い物にならなかったと聞いておりますわ。私の甥が文官室にいるのですが、使い物にならないので、甥が全部チェックして、何も見ずに印鑑を押しても問題がないものだけを回していると言っておりましたもの。」
これまでのシンへの行いを聞いていて、腹わたが煮えくり返っていた王妃は、さすがに一言言ってやりたくなり、扇子をパチンと鳴らすと、不機嫌そうに罵った。
「だから、おばさまが主犯で実行犯で叔父様は巻き込まれたようなものですし、離縁して叔母様だけ罰を受けていただければ、僕は他の人は許しますよ。」
「ほう……。それはどういう。」
「だって処罰なんかしなくてもきっと自滅します。領地が欲しいなら爵位もあげますよ。僕には公爵領がありますし、向こうに移住する予定です。おじいさまも僕が向こうに連れて行きます。家もそちらでいいですよ。気づいていないかもしれないけれど、叔父様たちがあの家に来るまでに、両親との思い出の品や本当に大事なものは公爵家に移してあるんです。これから、オレリアン公爵家も手を引きますし、交易相手もいないし、次の手を打ってないのにあらかた採掘し尽くしちゃってるし、いろいろ詰んでますけど、欲しかったんですもんね?」
一応伯爵令嬢になるから、殿下も安心してローザをお嫁さんに出来ますね?
ニッコリ笑顔でほほ笑むと、ローザが顔をあげた。
「シン~~~~~~~~~!!!いえ、シンさま~~!!!私、愚かでしたわ!ありがとう、ありがとうっございますっっ!!!」
「ヒッ!!!」
涙と鼻水でぐちょぐちょの、メイクがとれた悲惨な素顔を見て、レイヤードは悲鳴をあげた。
隣国にいってしまうのは国の損失だが仕方がない、と陛下は締めくくって、ロイとダンスを踊った。
とっても楽しいダンス。
胸もすっきり!
この日のために耐えてた!
くるくる回りながら、ロイと会話をする。
「本当に優しいな、シンは。全員打ち首にすればよかったのに。」
「優しくなんかないよ。すぐ処刑されるより、よっぽど辛いと思うよ。あの叔父様に領地経営なんて無理だし、領民もいい加減、適当な叔父様なんかより、ちゃんとみんなを考えてくれてたお父様が素晴らしかったって気づいてくれると思う。暴動も起きるかもね。あの領地はこれから急激に貧しくなるよ。自分の無能と身の程を思い知って、自尊心がズタズタになって、貧しい暮らしに耐えかねて、ドレスや宝石も売らないといけなくなるだろうし、ケインも就職先はないだろうね。いずれ爵位と領地を陛下に返上しなければならなくなると思う。」
「殿下はどうするのかな。」
「陛下におめでとう、って婚約発表されてたじゃない。一緒に泥船に沈むんだよ。それが嫌なら殿下がなんとかしないとね。」
「ああ、廃太子だもんな。新しい王太子のケンブリッジ様とは仲良くやれそうだ。」
「ところでさ、ロイ。演技うまいねぇ!隣国の王太子設定、助かっちゃったけど!」
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