悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

竜鳴躍

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パイロンたちの結婚

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「私頑張りますね。アレン様の御子様の乳母になってみせます…!」

「これから結婚式って人が今からそんなこと言わないで。ニューイースト領の代官だけでも忙しいんだから、そっちに集中してほしいし…。」


「ではアレン様の御子様のご学友になるよう子を産みます!」


「もしいいくらいの時期に生まれていたらそうなるだろうけれど、あまり気負わないで…。」

母親代わりのつもりで結婚式に参列する僕のお腹は、少し目立つようになった。

安定期に入って、懐妊の知らせは出したんだけど、カエサルが過保護になっちゃって。

「パイロン、用意ができたなら早く行け。アレンも早く王族用の席に行くぞ。そろそろ座らなければ。」

「大丈夫だよこのくらい。」

「大丈夫じゃない。」

「そうですよ、カエサルお父様のことはよーく聞いてください。アレンお母さまはすぐ無理をなさるので。それでは行きますね。」




一緒にバージンロードを歩く父親は私にはいない。
だけど、この花嫁衣装はアレン様の御下がりのリメイクだし、ブーケはカエサル様がこしらえてくれた。

赤い絨毯の先には、アイシー。

結婚の誓いをして、口づけをして、そして夫婦になった。


私は今日から、パイロン=レックス侯爵夫人。
結婚と同時にアイシーが爵位を継いだからだ。


いい人たちなんだけど、義父さまと義母さまの懐妊の圧がすごい…。

そりゃあなぁ~~~~~~。アイシー41歳だしな~。
貴族の令息で初婚でこれは異常な遅さ!

エロ侯爵家だと思われているせいで、縁談がなかなかなかったらしいけど。

元気なうちに孫に会いたいんだろうなぁ。

うーん、私……俺も28歳……。年齢的にはまだイケるはずだけど、年齢が上がるにつれて妊娠率が下がるのは男も同じだし。
いっちょ漢方でも飲んどくか…。

入浴はよく体を温めて…。

体を冷やさないように布団にもぐっておこう。




「ぱ、ぱいろん!」

旦那様が来た。

「初夜までがまん、よくできました。寒いから布団外さないで、きて。」

布団がめくれて、少し冷気が入る。

息がかかる…。鼻息荒すぎじゃない?


「俺、あの時からずっとしてないから。上手なんだろ?」

「ああ、痛くしない。」


「—----あぁっ。」

触れる指も。

かかる吐息も。

全てが艶めかしくて。

尻や腿にあたるものが、固くて、少しぬるっとしているのが…なんとも期待させる。
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