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俺にだって選ぶ権利がある
しおりを挟む「好きだ!パイロン!私の妻になってほしい!」
他の貴族たちが見守る中、響く私の声。
パイロンにとっては私はおじさんかもしれないが、見た目は若いと思うし、収入だっていいし、どうだろう!
他の男に取られる前に何としても想いを告げたい。
パイロンは目をまあるく見開いて――――…。
パアァン!!
鋭い音と痛み。
満面の笑みでパイロンは私の頬をぶったのだ。
「??」
「たいそう自信家でいらっしゃる。私に断られないとでも思ったのか。確かに今の私には両親はいないが、後見人は王太子殿下ですが?このような衆人監視の下、突然求愛されても困ります。いかにレックス卿といえど、そのような軽い扱いはあんまりではありませんか。」
笑顔をはりつけたまま、怒りが見て取れる…。
「私は軽く遊ばれるような存在にはなりたくありません。そもそもいつ?いつから私を好きだと?」
「それは…っ。初めて会った時から…。」
「へぇ。そうしたら貴方は好きな相手をスラムに捨て置いて平気な人間なんですね。意味不明です。」
「いや…っ。」
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ただ、そこから先のケアが上手くいかなかったのは事実…。
他の仕事が忙しい上に、難民の受け入れは別部署で管轄外だったから手が出せなかった…とは言い訳にしかならない。
せめてもと、たまにそれとなーく、食料になるような野草や丁度良く弱らせた猪や野ウサギなどをスラムに放つように命じたけど。
「結婚したらDVしそうな相手なんて、絶対にお断りします。俺にだって選ぶ権利がある!」
キッパリハッキリと宣言されて、私は膝から崩れ落ちた。
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