悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

竜鳴躍

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ただしいせいきょういく

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アイシー=レックス先生は侯爵家の令息である。

王族の閨教育の係を代々請け負うが、それ以外にも何か王家に関わっていそうで全容が見えない、ミステリアスな家門だ。

高位貴族の令息で、男相手でも女相手でも性のことなら熟知している。
だが、それゆえに『遊び人』と勘違いされることもあり、仕事も仕事なので、なかなか結婚相手には恵まれない。

いざとなれば親族から嫁にきてもらうことも視野に入れていた矢先、仕事帰りで偶然遭遇した悪質な場面。

酷い媚薬の症状に浮かされた青年を、介抱のつもりで抱いたのに、それがずっと心の中で燻るとは思っていなかった。

貴族の令息として体面を整えることも知っているのに、自分に対してはずっと少しばかり貴族令息にしては乱暴な言い方で罵っていたパイロン。

これは運命ではないだろうか。


もう会うことはよそうと思っていたのに、アレン=ファーメット公爵令息から依頼があり、パイロンのことがよぎって即答して、今ここに至る。




「……昔、妊娠・出産は女性だけの機能でした。ところが、出生率の低下。それにより、男性側も妊娠・出産が可能なように進化したのです。男性の肛門の中には、普段弁で閉じられている箇所があり、そこから奥に隠されている子宮に精子が送り込まれ、無事種が根付くと、着床と言いまして、妊娠が成立します。女性よりも数は少ないですが、小ぶりの卵巣が胎内にあり、男性の場合は初潮や生理はありませんが、男性を受け入れた場合にのみ活性化して卵子が排出される仕組みになっております。このように、男性は今やだれでも、子を作るだけでなく、子種を受け入れ、体内で生命を生み、出産する機能を持つのです。」

「分かりました。そうなると、女性の場合より妊娠の確率は落ちるのでしょうか。」

「必ずしもそうとは言えません。妊娠しやすいタイミング、そうでないタイミングがありますが、男性の場合、男性を受け入れれば活性化して卵子を排出します。卵子排出のタイミングが読みづらい女性より、ある意味妊娠しやすいかもしれません…が、問題は活性化させなくてはならないということです。体を活性化させていなければ妊娠しませんので、処女の場合、一度の体験では妊娠しないでしょうね。継続して愛し合っていれば、妊娠しやすくなります。」


「あの…………。男性は誰でも、受け入れられるようになっているとか。本当でしょうか。」

「はい。では、次は模型で勉強しましょう。」


座学は続く。
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