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賊は後悔する
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ところ変わってニューイーストの保養地手前の街道では、カエサルが賊を倒していた。
「なっ、なんだ、どうしてこんなに強いんだ!」
「一侍従だろう!?専属騎士だとしても……王国の騎士団長より強いんじゃ……!!??」
「聞いてないぞ!」
「………あと3人。依頼主を吐いて頭を垂れるか選べ。」
「何をオオオっ!!」
「魔法を使うまでもない。」
剣を交わし、瞬時に鳩尾に剣の柄を入れる。
手首を捻り、足を曲げ、戦闘不能の状態になった。
「さてどうしてくれようか。依頼主はだいたい分かっている。アルバート殿下だろう。王都におくりつけてやろう。」
カエサルは彼らをまとめると、紐で縛って王都の騎士団まで手紙付きで転送した。
生身で転送すると転送酔いするだろうが、死にはしないから我慢してほしい。
(あぁああ、こんなことなら殿下なんて無視するんだった……!)
後悔は先には立たないものである。
「さあ、アレン様。障害物はなくなりましたよ。先を急ぎましょう。時間を使ってしまいました。」
「ありがとう。カエサルがいれば安心だね。僕も少しくらい戦えたらよかったのだけど…。」
「いいのです。アレン様にはアレン様にしかできないことがあります。優しい発想や街づくりのアイデアはアレン様にしかできません。やれる人がやればいいのですから。………でも、少しだけ。護身術ならお教えします。」
「ありがとう!カエサル大好き!」
目的地まであと少し。
アレンは、防犯対策やごろつきたちの更生策を頭に巡らせ、カエサルはカエサルでアレンにもできる護身術のメニューをひたすら考えているのだった。
「アレン様、ようこそいらっしゃいました。」
馬車の降り口には屋根があって、雨天時でも安心だし、アレンのように陽に当たれない者にとっても安心の造りになっていた。
従業員に出迎えられると、荷物を預ける。
「こちらのお部屋になります。」
イグサという香り高い植物を編み込んで作られた畳の感触が心地よい。
広いスペースの奥には、大きなベッド。
部屋の間仕切りはふすまがある。
「ベッドはアレン様がお使いください。私はこちらに布団を敷いて寝ますので。」
「ふとん?」
「イースト王国では畳に直に布団を敷くのです。」
「ふぅん…。」
お料理は部屋に運ばれるらしい。
清流が流れる川辺と美しい木々が見られるバルコニーには、いつでも入れるお風呂があり、植栽が目隠し。
楽しみだ!
「なっ、なんだ、どうしてこんなに強いんだ!」
「一侍従だろう!?専属騎士だとしても……王国の騎士団長より強いんじゃ……!!??」
「聞いてないぞ!」
「………あと3人。依頼主を吐いて頭を垂れるか選べ。」
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剣を交わし、瞬時に鳩尾に剣の柄を入れる。
手首を捻り、足を曲げ、戦闘不能の状態になった。
「さてどうしてくれようか。依頼主はだいたい分かっている。アルバート殿下だろう。王都におくりつけてやろう。」
カエサルは彼らをまとめると、紐で縛って王都の騎士団まで手紙付きで転送した。
生身で転送すると転送酔いするだろうが、死にはしないから我慢してほしい。
(あぁああ、こんなことなら殿下なんて無視するんだった……!)
後悔は先には立たないものである。
「さあ、アレン様。障害物はなくなりましたよ。先を急ぎましょう。時間を使ってしまいました。」
「ありがとう。カエサルがいれば安心だね。僕も少しくらい戦えたらよかったのだけど…。」
「いいのです。アレン様にはアレン様にしかできないことがあります。優しい発想や街づくりのアイデアはアレン様にしかできません。やれる人がやればいいのですから。………でも、少しだけ。護身術ならお教えします。」
「ありがとう!カエサル大好き!」
目的地まであと少し。
アレンは、防犯対策やごろつきたちの更生策を頭に巡らせ、カエサルはカエサルでアレンにもできる護身術のメニューをひたすら考えているのだった。
「アレン様、ようこそいらっしゃいました。」
馬車の降り口には屋根があって、雨天時でも安心だし、アレンのように陽に当たれない者にとっても安心の造りになっていた。
従業員に出迎えられると、荷物を預ける。
「こちらのお部屋になります。」
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「ベッドはアレン様がお使いください。私はこちらに布団を敷いて寝ますので。」
「ふとん?」
「イースト王国では畳に直に布団を敷くのです。」
「ふぅん…。」
お料理は部屋に運ばれるらしい。
清流が流れる川辺と美しい木々が見られるバルコニーには、いつでも入れるお風呂があり、植栽が目隠し。
楽しみだ!
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