悪役令息上等です。悪の華は可憐に咲き誇る

閑話 甘やかし？

「アレンさま、お出かけですか？」

「ん。」


当然のように抱っこを求めるアレン様。
公式の場以外ではこうするように習慣化している。


陽にあててはいけない彼の外出は気を使う。
そもそも、殆ど外に出ないので、あまり歩くのが得意ではない。


何も無い平坦な場所でも転ぶ。


「お着替えしましょうね。」



肌の露出が少ない白の長袖長ズボン。
真っ白な雪の妖精の出来上がり。

お気に入りの日傘を持っていく。


気に入らないが、私がアレン様を抱いている時は、図体がでかく私と同じくらいの背丈のパイロンに日傘をさしてもらう。

向こうも私が羨ましいだろうから、まあいいだろう。


「みんなが滞りないか、見てまわりたいんだ。」



馬車に乗せて、自分たちも乗り込む。



パイロンを牽制して、何故かアレン様を向かいに２人で並んで座ってしまった。


「「…………。」」


「ふふ、２人は仲良しだね。」



全くアレン様は罪深い。