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国王は呆れました
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卒業パーティは針の筵で終わり………。
煌びやかなはずの白亜の城はどこかどんよりとした空気に包まれている。
国王夫妻の前には問題の愚息と性女、性女の両親。それに教会を束ねる法王。
「父上!マーガレットを聖女と認め、僕の妃としてお許しいただけるのですね!」
「キャッ!嬉しい♡お義父さまぁ。」
はぁぁあぁぁ。深いため息をつく。
隣の席から扇子の芯がみしみしいう音が聞こえる…。
「だまれ。聖女とは認めていないし、できれば義理の娘にはしたくない。」
「ひっどぉい!私より、あんな意地悪な人がいいっていうんですか!それに私は聖女ですぅ!みんなに愛を振りまく愛の聖女なんですからぁ!」
「そうですよ!マーガレットは聖女だって評判なんですから!」
「お前は人のうわさを聞き齧って聖女だと思って惚れたのか?!そこのヘイボーン男爵夫妻には申し訳ないが、彼女の噂は正しくはこうだ…。『誰にでも愛を囁く股の緩い"性女”。』ホーリーパワーを持つ聖なる女ではなく、娼婦などを指す隠語としての性女。みんなに愛を振りまければ聖女なら、歓楽街の者は全員聖女だな。」
男爵夫妻は申し訳なさげに頭を下げ続けている。
「そんな!娼婦だなんて!アレンの奴が吹き込んだんだろう!そんなの真実ではない!」
「そうよ!好きな人に身を任せることのどこが悪いの!愛の結果なんだから娼婦と一緒にしないでよ!付き合ってたらエッチくらいするの当たり前でしょ!みんな元カレなんだから!」
「……え?」
馬鹿な息子よ。今更か。今か。
「男爵。マーガレット嬢は貴方の養女ですね。どうも彼女の恋愛観、貞操観は貴族のものではないように見えます。彼女は昨年まで平民として暮らしていたと聞いていますが。」
王妃からにらまれて、男爵もう汗びっしょびしょ。
「……ええ、実はマーガレットは私の姉の娘でして。平民と駆け落ちして行方不明だったのですが、流行り病であの子を遺し亡くなったのです…。いざとなれば私に連絡するよう、連絡先を残していたので……、私に連絡が。それで引き取ったのですが。」
「男爵の本当のお子様はまだお小さいでしょう………。それなのにこの状態の彼女を家に?人が良すぎますわね。褒めてませんよ?」
「……はい。」
「なによぅ!マナーだって頑張って覚えたのにぃ!ナイフやフォークは外から!挨拶もこう、スカートひろげてとかさあ!」
「アルバート。お前の断罪は、全くもって言いがかりにもほどがある。アレンの言うことが正しい。アレンは本当にお前との婚約を嫌がっておったから、今頃笑いが止まらないだろう。」
「スラムに追いやったのに!?」
「お前の妃になるくらいなら、スラム街の主にだって喜んでなるだろうよ。いや、アレンが主になればスラム街もすぐに発展しそうだなあ…。」
しかし……、と陛下はマーガレットを見た。
「こうなっては、というより元々、彼女を次期王妃に相応しい爵位の家の養女にするにも難しいだろうし、彼女は何が悪かったのか分かっておらんみたいだから、教育しても期待できないだろうな。」
「読み書きそろばんは得意なんだから!馬鹿にしないでよ!計算できないと給金誤魔化されんだから!」
「……というわけだから、私たちも実の息子なので残念だが、アルバートの王位継承権を永久に剥奪することにするよ。普通の貴族だったらギリギリありだろう。」
「ちょ!待ってくださいよ!父上ぇ!」
「失礼!」
ノックがあり、声がする。
「アルフォート。入れ。」
アレンを追ったはずのファーメット公爵が入る。
「陛下にお願いがあってまいりました。息子が向かったスラムの地区を息子の領地にしていただきたく。」
「アレンからお願いがあったのだね。いいでしょう。今日からアレンのものだ。」
煌びやかなはずの白亜の城はどこかどんよりとした空気に包まれている。
国王夫妻の前には問題の愚息と性女、性女の両親。それに教会を束ねる法王。
「父上!マーガレットを聖女と認め、僕の妃としてお許しいただけるのですね!」
「キャッ!嬉しい♡お義父さまぁ。」
はぁぁあぁぁ。深いため息をつく。
隣の席から扇子の芯がみしみしいう音が聞こえる…。
「だまれ。聖女とは認めていないし、できれば義理の娘にはしたくない。」
「ひっどぉい!私より、あんな意地悪な人がいいっていうんですか!それに私は聖女ですぅ!みんなに愛を振りまく愛の聖女なんですからぁ!」
「そうですよ!マーガレットは聖女だって評判なんですから!」
「お前は人のうわさを聞き齧って聖女だと思って惚れたのか?!そこのヘイボーン男爵夫妻には申し訳ないが、彼女の噂は正しくはこうだ…。『誰にでも愛を囁く股の緩い"性女”。』ホーリーパワーを持つ聖なる女ではなく、娼婦などを指す隠語としての性女。みんなに愛を振りまければ聖女なら、歓楽街の者は全員聖女だな。」
男爵夫妻は申し訳なさげに頭を下げ続けている。
「そんな!娼婦だなんて!アレンの奴が吹き込んだんだろう!そんなの真実ではない!」
「そうよ!好きな人に身を任せることのどこが悪いの!愛の結果なんだから娼婦と一緒にしないでよ!付き合ってたらエッチくらいするの当たり前でしょ!みんな元カレなんだから!」
「……え?」
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王妃からにらまれて、男爵もう汗びっしょびしょ。
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「男爵の本当のお子様はまだお小さいでしょう………。それなのにこの状態の彼女を家に?人が良すぎますわね。褒めてませんよ?」
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「アルバート。お前の断罪は、全くもって言いがかりにもほどがある。アレンの言うことが正しい。アレンは本当にお前との婚約を嫌がっておったから、今頃笑いが止まらないだろう。」
「スラムに追いやったのに!?」
「お前の妃になるくらいなら、スラム街の主にだって喜んでなるだろうよ。いや、アレンが主になればスラム街もすぐに発展しそうだなあ…。」
しかし……、と陛下はマーガレットを見た。
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「読み書きそろばんは得意なんだから!馬鹿にしないでよ!計算できないと給金誤魔化されんだから!」
「……というわけだから、私たちも実の息子なので残念だが、アルバートの王位継承権を永久に剥奪することにするよ。普通の貴族だったらギリギリありだろう。」
「ちょ!待ってくださいよ!父上ぇ!」
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「アルフォート。入れ。」
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「陛下にお願いがあってまいりました。息子が向かったスラムの地区を息子の領地にしていただきたく。」
「アレンからお願いがあったのだね。いいでしょう。今日からアレンのものだ。」
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