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闇で蠢く

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「どうしましょう」
「呪いが解ける」


「お父様に折檻される」
「お母様に叱られる」


アイビーが捕われて、院長が留守がちになった孤児院には、彼が慈しみ守ってきた孤児の兄弟だけが残されていた。


二人は、あどけない様子はそのまま、空中に出した映像を見ながら狼狽えていた。

彼らは人間ではなかった。



20年前、フレグランス王国の当時の宰相の領地で崩落事故があり、そこに封印されていた魔物の王が目覚めた。



彼らは、魔王の息子である。



白い光。

恐れていたものが目覚めた。


「アイビー。敵。残念。」



二人のもとに黒い靄が帰ってくる。


「よしよし。おかえり。」

靄を体に吸収し、二人は目を細める。



この国は元々、魔王の王国だったのだ。

神子の手により、魔物が狩られ、制圧され、神子の国ができた。


取り返す。

人間を奴隷にして、殺戮の世界へ。
血と腐臭の心地よいあの頃へ。

世界中を魔物の手におさめるために。



厄介な力に目覚めたアイビーを殺そう。


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