俺が王子でお前の嫁とは認めない！

フレグランス王国騎士団長

「お呼びと伺いました。」

フレグランス王国騎士団長、ブルードゥ=パルファムは47歳になるがっしりとした長身の美丈夫だ。

実直な性格で前王家時代から信頼に厚く、革命時代は王家を守れなかったことを悔いながら、より多くの王家派を王都から逃がすために奔走した。
若い頃からモテた彼だが、公爵でありながらも未だに独身である。

その彼は、王と王妃の隣りにいる細面の男を見て目を見開いた。


「シルヴァ……。」

「久しぶりです。ブルードゥ。今では騎士団長なのですね。流石です。」


「ブルードゥ、先日クリストファがアイビッシュを見つけて連れ帰ったことは聞き及んでいると思います。」

「は。この度は僥倖………」

「実は、クリストファがアイビッシュに無体を働きました。そのことを私たちにバレると、引き離されたくないと、自ら結界に作った別次元にアイビッシュを連れて閉じこもったのです。教えて下さい。何故、あの子はそんな禁呪が使えるのか。あの執着も異常です。心当たりはありませんか。あの術の破り方も知りたい。」


は。


ブルードゥは固まった。

「頭が痛い………。」


「「「ええ。」」」