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闇の中の誰か
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闇の中の誰かは、城のパーティーの様子を見下ろしていた。
「本当に扱いやすい馬鹿。」
「こんなことをして、余計に破滅が待っているなんて、なんで思い至らないんだろうな。」
「だからこそいいんじゃない。」
「私たちの同胞を倒す、邪魔なディユを、『悪』と妄信して早く壊滅させてほしいな。」
「そうね、私たちだけではあの神聖な場所には入れないもの。」
「人間がもっと馬鹿だったらよかったのに。ディユが悪魔の国だと思い込んだままだったらよかったのに、なんでこうなったんだろうな。めんどくせえ。」
「……何故かは知らないけれど、あの黒髪のかわい子ちゃんの働きによるところが大きいわよね。そういう意味では、アレがあの子を狙うのは大賛成だわ。」
悪魔も、神も、元は一つ。
同じ存在だ。
だが、邪悪なるものは、その美しい姿や知性を失い、ある者は獣に、ある者は形を失った。
「人間ってどうして美女に弱いんだろうなァ。」
ストロベリーブロンドの女剣士が自分の胸を持ち上げる。
「憑りつく体に若く美しい女を選んで正解だったわね。」
美しい魔女と女剣士は、クエストに敗れて打ち捨てられた死体だ。
利用できそうな体だったから、再利用させてもらった。
怪しく光る4つの瞳。
それは、今まさにことを犯さんとしている『勇者』を見る。
元の世界で、最終的にこの二人に殺され、世界は闇にのまれたことを、馬鹿でクズな勇者は分からない。
自分の最期を思い出した時、絶望しかない。
「本当に扱いやすい馬鹿。」
「こんなことをして、余計に破滅が待っているなんて、なんで思い至らないんだろうな。」
「だからこそいいんじゃない。」
「私たちの同胞を倒す、邪魔なディユを、『悪』と妄信して早く壊滅させてほしいな。」
「そうね、私たちだけではあの神聖な場所には入れないもの。」
「人間がもっと馬鹿だったらよかったのに。ディユが悪魔の国だと思い込んだままだったらよかったのに、なんでこうなったんだろうな。めんどくせえ。」
「……何故かは知らないけれど、あの黒髪のかわい子ちゃんの働きによるところが大きいわよね。そういう意味では、アレがあの子を狙うのは大賛成だわ。」
悪魔も、神も、元は一つ。
同じ存在だ。
だが、邪悪なるものは、その美しい姿や知性を失い、ある者は獣に、ある者は形を失った。
「人間ってどうして美女に弱いんだろうなァ。」
ストロベリーブロンドの女剣士が自分の胸を持ち上げる。
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美しい魔女と女剣士は、クエストに敗れて打ち捨てられた死体だ。
利用できそうな体だったから、再利用させてもらった。
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それは、今まさにことを犯さんとしている『勇者』を見る。
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自分の最期を思い出した時、絶望しかない。
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