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15歳、私たちの恋愛関係?
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「きゃあ。ルシフェル様ぁ。神々しい、いつみても神々しいですわぁ。」
「カルディ様もなかなかですわよ!ちょっと小柄で細身ですけれど、武にも優れた立派な側近ですわ!」
「私はユース様ですわ♡紳士的で素敵ですわよね!」
あれからだいぶ時間がたった。
人々の間の認識も、だいぶ変わったと思う。
モンスターが人の町にあまり来ないのは、ディユの人たちが森にいて、駆除してくれているからだと今ではみんなが認識している。
ディユがいなければ、人の手に負えないほど、モンスターは溢れているのだ。
あのクズ勇者は、あの後こともあろうに城に乗り込んで、陛下に『俺たちが悪』だとアピールしたらしい。
ある意味『勇者』である。
それで、みんな『勇者…って。なるほど、そういう意味ね。』って思って、余計に相手にしなくなった。
名声は地に堕ち、底には底ってあるんだって思う。
年を取ってやっとにできた息子だったが、さすがに伯爵は激怒して、廃嫡したようだ。
ダメ元で頑張ったら、今度は娘が出来たらしくて、今度こそは立派に育てて、出来のいい婿をもらうのだと厳しく育てているらしい。
今何をしてるんだろう。
剣の素養はあるわけだから、冒険者でもやってれば、それなりに生きていけるんじゃないかしら。
今世の彼に今の段階でそこまで恨みがあるわけじゃないが、彼が幅を利かせているだけで不幸になる人間の多いこと。
罪悪感をちょっぴり感じながらも、これでいいのだと言い聞かせる。
「皆さま、おはようございます。」
シロナ様が綺麗なカーテンシー。
「おはよう、シロナ様。見事なカーテンシー。これなら、今週末のデビュタントはバッチリですね。」
「お恥ずかしいですわ…。」
うー。ビロードのようなミルクティー色の髪を編み込んで、金に近い茶色の瞳。
きめ細かい肌に赤く映える唇。
シロナ様は、気高く、賢く、美しい。
銀糸の髪にラベンダー色の瞳のユースは、ミシュラン様に大事に育てられ、栄養がいいからか、前回より身長は高いし、ガッシリしていて、背筋もピンとしている。
何より、美貌を隠していない。
2人が並ぶと、まるで絵画のようだ。
「ユース様っ、デビュタントはどなたか一緒に行かれる令嬢はいらっしゃるのでしょうか…。」
きた!
シロナ様がもじもじしている。
彼女はいい子。友達。
ユース様はなぜか私をチラリとみている。
「ユースはエスコートする子いるの?僕はねぇ、王女様をエスコートしてくれないかって、陛下に言われているんだよねぇ。」
ルシフェル様はちらりと私を見た。
私をエスコートしてほしい!
…そう、言えたら…。
「シロナ様はまだ婚約者がいらっしゃらないのですものね!ユース様、いいじゃないですか。お二人で…っ。」
あああ。自己嫌悪。
「カルディ様もなかなかですわよ!ちょっと小柄で細身ですけれど、武にも優れた立派な側近ですわ!」
「私はユース様ですわ♡紳士的で素敵ですわよね!」
あれからだいぶ時間がたった。
人々の間の認識も、だいぶ変わったと思う。
モンスターが人の町にあまり来ないのは、ディユの人たちが森にいて、駆除してくれているからだと今ではみんなが認識している。
ディユがいなければ、人の手に負えないほど、モンスターは溢れているのだ。
あのクズ勇者は、あの後こともあろうに城に乗り込んで、陛下に『俺たちが悪』だとアピールしたらしい。
ある意味『勇者』である。
それで、みんな『勇者…って。なるほど、そういう意味ね。』って思って、余計に相手にしなくなった。
名声は地に堕ち、底には底ってあるんだって思う。
年を取ってやっとにできた息子だったが、さすがに伯爵は激怒して、廃嫡したようだ。
ダメ元で頑張ったら、今度は娘が出来たらしくて、今度こそは立派に育てて、出来のいい婿をもらうのだと厳しく育てているらしい。
今何をしてるんだろう。
剣の素養はあるわけだから、冒険者でもやってれば、それなりに生きていけるんじゃないかしら。
今世の彼に今の段階でそこまで恨みがあるわけじゃないが、彼が幅を利かせているだけで不幸になる人間の多いこと。
罪悪感をちょっぴり感じながらも、これでいいのだと言い聞かせる。
「皆さま、おはようございます。」
シロナ様が綺麗なカーテンシー。
「おはよう、シロナ様。見事なカーテンシー。これなら、今週末のデビュタントはバッチリですね。」
「お恥ずかしいですわ…。」
うー。ビロードのようなミルクティー色の髪を編み込んで、金に近い茶色の瞳。
きめ細かい肌に赤く映える唇。
シロナ様は、気高く、賢く、美しい。
銀糸の髪にラベンダー色の瞳のユースは、ミシュラン様に大事に育てられ、栄養がいいからか、前回より身長は高いし、ガッシリしていて、背筋もピンとしている。
何より、美貌を隠していない。
2人が並ぶと、まるで絵画のようだ。
「ユース様っ、デビュタントはどなたか一緒に行かれる令嬢はいらっしゃるのでしょうか…。」
きた!
シロナ様がもじもじしている。
彼女はいい子。友達。
ユース様はなぜか私をチラリとみている。
「ユースはエスコートする子いるの?僕はねぇ、王女様をエスコートしてくれないかって、陛下に言われているんだよねぇ。」
ルシフェル様はちらりと私を見た。
私をエスコートしてほしい!
…そう、言えたら…。
「シロナ様はまだ婚約者がいらっしゃらないのですものね!ユース様、いいじゃないですか。お二人で…っ。」
あああ。自己嫌悪。
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