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剥がれる仮面
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「なっ、何を言っている!俺がそんなことをするわけないだろう!名誉棄損で訴えてやる!大体、その女が何故俺の婚約者だと思うんだ!」
そう、誰も俺たちが婚約者だとは知らないはず。
知っているのは、お父様お母様、俺と、家の使用人たちだけだ。
「………グラディウス様。僕はユースです。貴方に言われて髪を染め、顔が分からないよう前髪を伸ばし、貴方からの暴行を受けていた、ユースですよ。ジャスティン家に引き取られていた…。」
なっ!ユースだと!!
同じ名前だとは思ったが気づかなかった。
コイツの髪色や顔を長いことまともに見ていなかったから、すっかり忘れていた。
「ユース!お前は使用人の分際で主人を陥れるつもりか!」
全くこの屑には虫唾が走る。
私たちの未来を変えるためにも、彼にはその性分に見合った地獄に落ちてもらいたい。
バッと守る様に私はユースの前に立った。
大人になっても私は小柄で細身だったから、頼りないかもしれないけれど。
背後でクラスメイトを見守りながら、ルシフェル様がキャッ♡と見つめている。
「いつまで主人のつもりでいるのでしょう。ユースは、次期大神官として王家の信頼も厚いプラチナム侯爵家の令息である、神官のミシュラン様に引き取られました。そもそも、この世界にはあなた方の言う悪しき存在としての魔族や魔王はおりません。私は、『天啓』。天から声を聴き、善き方向へ導く者。そちらのルシフェル様はディユの王子で『覇王』です。ユースは『聖者』。倒すべき敵もいない、単なる『勇気のある者』でしかないあなたとは格が違うのです!だから、陛下もあなたとの謁見を取り下げたのですよ!!」
「煩い、煩い、この魔族が!!お前らは悪なんだ!!!!」
「抵抗できない下の立場の者やか弱い令嬢に暴力を振るう貴方の方が、よほど悪です!」
「………ジャスティン君。ディユからの留学生である彼らのことは、陛下もお認めになっています。今まで、人間が誤解していた。だから、友好関係を構築するために、まずは子ども同士で交流すると。おそらく、近々陛下から公表もあるはずです…。」
教師がグラディウスを黙らせ、席につかせた。
私たちの学校デビューは上々だ。
とにかく、素で可愛らしいルシフェル様はそのままでいいとして。
私は時間に余裕があれば冒険者ギルドに顔を出して人助け兼お金稼ぎをしたり、人が困ってたら積極的に学園内でも外でも人助けをした。
とにかく、イイ人ね!って思ってもらうのが大事。
シロナ様は、見違えるように明るくなった。
そして、あいつとの婚約は解消になったらしい。
破棄もできたんだけど、傷がついちゃうからお金をがっぽりもらったのだそう。
あいつはボッチになってるし、学校の評判は最悪。
なんでか?
テストがあったんだけど、点数が悪くて字が汚い「シロナ」の答案と、字がきれいな「シロナ」の答案があって、あいつの答案がなかったんだ。
それで、筆跡も調べられて、今までシロナ様に代わりにテストを受けさせて、答案を交代していたことがバレたんだ。
見た目や素行を取り繕ったところで、本性や新の姿がバレたからね!
そう、誰も俺たちが婚約者だとは知らないはず。
知っているのは、お父様お母様、俺と、家の使用人たちだけだ。
「………グラディウス様。僕はユースです。貴方に言われて髪を染め、顔が分からないよう前髪を伸ばし、貴方からの暴行を受けていた、ユースですよ。ジャスティン家に引き取られていた…。」
なっ!ユースだと!!
同じ名前だとは思ったが気づかなかった。
コイツの髪色や顔を長いことまともに見ていなかったから、すっかり忘れていた。
「ユース!お前は使用人の分際で主人を陥れるつもりか!」
全くこの屑には虫唾が走る。
私たちの未来を変えるためにも、彼にはその性分に見合った地獄に落ちてもらいたい。
バッと守る様に私はユースの前に立った。
大人になっても私は小柄で細身だったから、頼りないかもしれないけれど。
背後でクラスメイトを見守りながら、ルシフェル様がキャッ♡と見つめている。
「いつまで主人のつもりでいるのでしょう。ユースは、次期大神官として王家の信頼も厚いプラチナム侯爵家の令息である、神官のミシュラン様に引き取られました。そもそも、この世界にはあなた方の言う悪しき存在としての魔族や魔王はおりません。私は、『天啓』。天から声を聴き、善き方向へ導く者。そちらのルシフェル様はディユの王子で『覇王』です。ユースは『聖者』。倒すべき敵もいない、単なる『勇気のある者』でしかないあなたとは格が違うのです!だから、陛下もあなたとの謁見を取り下げたのですよ!!」
「煩い、煩い、この魔族が!!お前らは悪なんだ!!!!」
「抵抗できない下の立場の者やか弱い令嬢に暴力を振るう貴方の方が、よほど悪です!」
「………ジャスティン君。ディユからの留学生である彼らのことは、陛下もお認めになっています。今まで、人間が誤解していた。だから、友好関係を構築するために、まずは子ども同士で交流すると。おそらく、近々陛下から公表もあるはずです…。」
教師がグラディウスを黙らせ、席につかせた。
私たちの学校デビューは上々だ。
とにかく、素で可愛らしいルシフェル様はそのままでいいとして。
私は時間に余裕があれば冒険者ギルドに顔を出して人助け兼お金稼ぎをしたり、人が困ってたら積極的に学園内でも外でも人助けをした。
とにかく、イイ人ね!って思ってもらうのが大事。
シロナ様は、見違えるように明るくなった。
そして、あいつとの婚約は解消になったらしい。
破棄もできたんだけど、傷がついちゃうからお金をがっぽりもらったのだそう。
あいつはボッチになってるし、学校の評判は最悪。
なんでか?
テストがあったんだけど、点数が悪くて字が汚い「シロナ」の答案と、字がきれいな「シロナ」の答案があって、あいつの答案がなかったんだ。
それで、筆跡も調べられて、今までシロナ様に代わりにテストを受けさせて、答案を交代していたことがバレたんだ。
見た目や素行を取り繕ったところで、本性や新の姿がバレたからね!
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