5 / 45
カルディのディユ改良計画☆
しおりを挟む
「なんだね、カルディ。」
「どうして、私たちは引きこもっているんですか?」
「それは、人間が私たち魔族を恐れ、殺そうとするからじゃ。」
「なんで私たちは自分たちのことを魔族だっていうんですか?魔族ってそんなに悪いものなんでしょうか。私たち、悪くないですよね?」
盗みなんかしないし、自分から攻撃だってしない。人を殺しているわけでもない。
むしろ人間の方がよっぽど悪いことをしていると思う。
「うん、確かに『魔族』っていうのは、『魔法に長けた種族』じゃからなぁ…。」
「じゃあ、陛下、ルシフェル様のお父様を魔王と呼ぶのは、『魔法に長けた種族の王』の略なんですね。じゃあ、悪魔は?」
ルシフェルはよく分からないようで、キョトンとしている。
サマエル先生は、長い沈黙の後、つぶやいた。
「それは…。起源がわからん。人間に言われたものが、そのまま残った可能性がある。」
「先生、知っていますか。人間が崇拝する神の使い、天使は両性具有なのだそうです。私たちもそうですよね。そして、神はけして人間に恩恵を与えるだけじゃない。時には天罰も与えます。私、思うんですけど。」
この『神』や『天使』と私たちは何が違うのでしょう。
がーーーーーん!
サマエル先生は目からウロコが落ちたような顔をした。
「引きこもってばかりいても、私たちは誤解されるだけで、きっといつか人間は攻撃してきます。ならば、私たちから打って出るのです!けして、私たちは邪悪な存在じゃないと!膨大な魔力や美貌が恐ろしいというのならば、同じような存在の『神』や『天使』だと言い張りましょう!このさい、真実はどうでもいいんです!」
「カルディ、天才じゃあ!お前は天才じゃあああ!!!!」
「すごおおい!カルディ、すごおおおおおおい!!!」
それからあっという間に、僕はルシフェル様のお父様にも直談判して、ディユの改造に取り掛かった。
まずはみんなの見た目。
黒やおどろおどろしい服は着たらダメッ。
人間の世界のファッション誌を取り寄せて、キラキライケメンに変身!
素敵な自然はそのままに、城とそのまわりの街のつくりや家の周りを整備して、鈴蘭の花飾りを灯りに設置。
光り輝くファンシーな街並みに変えさせた。
そして、ディユの国は、鬱蒼とした常闇の国から、メルヘンな光り輝く聖なる国へ生まれ変わったのであるッ!
「本当に行っちゃうの、カルディ。」
両親が不安げに見つめる。
「はい。これが私の『天啓』としての役目だと思いますから。」
僕はルシフェル様と一緒に人間の国に行くことにした。
この国が本当に素敵な国に変わったから、「俺たち実は魔族じゃなくて神なんだヨネ☆作戦」を実行しようと思う。
可能なら、人間の学校に通い、子どもたちから洗の…じゃなく、理解していただこう。
街が変わって、自分たちのことを『実は神や天使なんじゃ?』と思い始めた結果、サマエル先生の鑑定によれば、みんなのステータスはだいぶ変わったらしい。
属性に光や聖がつくようになり、翼のあった人は黒い翼や羽毛のない翼から、真っ白な羽の生えた翼に変わった。
もしかしたら、本当に、私たちは神だったのかもしれない。
長年の思い込みで、自ら変化していたのかも。
「じゃ、いこっ。カルディ♡」
可愛いルシフェル様の背中には、今では背中にかわいい白い羽が6枚生えている。
ディユ怖くない、人間の敵チガウ、のキャンペーンに最適!
「どうして、私たちは引きこもっているんですか?」
「それは、人間が私たち魔族を恐れ、殺そうとするからじゃ。」
「なんで私たちは自分たちのことを魔族だっていうんですか?魔族ってそんなに悪いものなんでしょうか。私たち、悪くないですよね?」
盗みなんかしないし、自分から攻撃だってしない。人を殺しているわけでもない。
むしろ人間の方がよっぽど悪いことをしていると思う。
「うん、確かに『魔族』っていうのは、『魔法に長けた種族』じゃからなぁ…。」
「じゃあ、陛下、ルシフェル様のお父様を魔王と呼ぶのは、『魔法に長けた種族の王』の略なんですね。じゃあ、悪魔は?」
ルシフェルはよく分からないようで、キョトンとしている。
サマエル先生は、長い沈黙の後、つぶやいた。
「それは…。起源がわからん。人間に言われたものが、そのまま残った可能性がある。」
「先生、知っていますか。人間が崇拝する神の使い、天使は両性具有なのだそうです。私たちもそうですよね。そして、神はけして人間に恩恵を与えるだけじゃない。時には天罰も与えます。私、思うんですけど。」
この『神』や『天使』と私たちは何が違うのでしょう。
がーーーーーん!
サマエル先生は目からウロコが落ちたような顔をした。
「引きこもってばかりいても、私たちは誤解されるだけで、きっといつか人間は攻撃してきます。ならば、私たちから打って出るのです!けして、私たちは邪悪な存在じゃないと!膨大な魔力や美貌が恐ろしいというのならば、同じような存在の『神』や『天使』だと言い張りましょう!このさい、真実はどうでもいいんです!」
「カルディ、天才じゃあ!お前は天才じゃあああ!!!!」
「すごおおい!カルディ、すごおおおおおおい!!!」
それからあっという間に、僕はルシフェル様のお父様にも直談判して、ディユの改造に取り掛かった。
まずはみんなの見た目。
黒やおどろおどろしい服は着たらダメッ。
人間の世界のファッション誌を取り寄せて、キラキライケメンに変身!
素敵な自然はそのままに、城とそのまわりの街のつくりや家の周りを整備して、鈴蘭の花飾りを灯りに設置。
光り輝くファンシーな街並みに変えさせた。
そして、ディユの国は、鬱蒼とした常闇の国から、メルヘンな光り輝く聖なる国へ生まれ変わったのであるッ!
「本当に行っちゃうの、カルディ。」
両親が不安げに見つめる。
「はい。これが私の『天啓』としての役目だと思いますから。」
僕はルシフェル様と一緒に人間の国に行くことにした。
この国が本当に素敵な国に変わったから、「俺たち実は魔族じゃなくて神なんだヨネ☆作戦」を実行しようと思う。
可能なら、人間の学校に通い、子どもたちから洗の…じゃなく、理解していただこう。
街が変わって、自分たちのことを『実は神や天使なんじゃ?』と思い始めた結果、サマエル先生の鑑定によれば、みんなのステータスはだいぶ変わったらしい。
属性に光や聖がつくようになり、翼のあった人は黒い翼や羽毛のない翼から、真っ白な羽の生えた翼に変わった。
もしかしたら、本当に、私たちは神だったのかもしれない。
長年の思い込みで、自ら変化していたのかも。
「じゃ、いこっ。カルディ♡」
可愛いルシフェル様の背中には、今では背中にかわいい白い羽が6枚生えている。
ディユ怖くない、人間の敵チガウ、のキャンペーンに最適!
17
お気に入りに追加
369
あなたにおすすめの小説
秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~
めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆
―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。―
モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。
だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。
そう、あの「秘密」が表に出るまでは。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位
ハルとアキ
花町 シュガー
BL
『嗚呼、秘密よ。どうかもう少しだけ一緒に居させて……』
双子の兄、ハルの婚約者がどんな奴かを探るため、ハルのふりをして学園に入学するアキ。
しかし、その婚約者はとんでもない奴だった!?
「あんたにならハルをまかせてもいいかなって、そう思えたんだ。
だから、さよならが来るその時までは……偽りでいい。
〝俺〟を愛してーー
どうか気づいて。お願い、気づかないで」
----------------------------------------
【目次】
・本編(アキ編)〈俺様 × 訳あり〉
・各キャラクターの今後について
・中編(イロハ編)〈包容力 × 元気〉
・リクエスト編
・番外編
・中編(ハル編)〈ヤンデレ × ツンデレ〉
・番外編
----------------------------------------
*表紙絵:たまみたま様(@l0x0lm69) *
※ 笑いあり友情あり甘々ありの、切なめです。
※心理描写を大切に書いてます。
※イラスト・コメントお気軽にどうぞ♪
【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。
N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間
ファンタジーしてます。
攻めが出てくるのは中盤から。
結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。
表紙絵
⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101)
挿絵『0 琥』
⇨からさね 様 X (@karasane03)
挿絵『34 森』
⇨くすなし 様 X(@cuth_masi)
◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。
ペイン・リリーフ
こすもす
BL
事故の影響で記憶障害になってしまった琴(こと)は、内科医の相澤に紹介された、精神科医の篠口(しのぐち)と生活を共にすることになる。
優しく甘やかしてくれる篠口に惹かれていく琴だが、彼とは、記憶を失う前にも会っていたのではないかと疑いを抱く。
記憶が戻らなくても、このまま篠口と一緒にいられたらいいと願う琴だが……。
★7:30と18:30に更新予定です(*´艸`*)
★素敵な表紙は らテて様✧︎*。
☆過去に書いた自作のキャラクターと、苗字や名前が被っていたことに気付きました……全く別の作品ですのでご了承ください!
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
パーティを追い出されましたがむしろ好都合です!
八神 凪
ファンタジー
勇者パーティに属するルーナ(17)は悩んでいた。
補助魔法が使える前衛としてスカウトされたものの、勇者はドスケベ、取り巻く女の子達は勇者大好きという辟易するパーティだった。
しかも勇者はルーナにモーションをかけるため、パーティ内の女の子からは嫉妬の雨・・・。
そんな中「貴女は役に立たないから出て行け」と一方的に女の子達から追放を言い渡されたルーナはいい笑顔で答えるのだった。
「ホントに!? 今までお世話しました! それじゃあ!」
ルーナの旅は始まったばかり!
第11回ファンタジー大賞エントリーしてました!

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる