虐げられても最強な僕。白い結婚ですが、将軍閣下に溺愛されているようです。

竜鳴躍

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隣国からの使者

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ドラゴニア王国からの先ぶれで、国王の名代として王太子のカリス殿下が僕たちの結婚の祝福に来るという。

お母様は向こうの人たちを恐れていた。
僕を殺そうとするって。

でも、祝福に来る人をお断りできる?

ドラゴニア王国は恐ろしい国だから、この国も代々友好関係を持ってやり過ごしてきた。


もう僕の力のことはバレているはずだけど………。
僕が向こうの国と関わるつもりがないっていったらだめなのかな。


「どうする?ティア。侯爵に聞いたんだが、ロゼは入れ替わりが露見するのを恐れて、元々向こうとのつながりが希薄だったのをいいことに、一度も手紙を書かなかったのだそうだ。だから向こうは、リュージュ王女がとうの昔に亡くなっていたこと、息子が生まれたことやその子が私の妃になったことを初めて知って、驚きとともに祝福にきたい。そういうことらしい…。」

「お母さまが言うには、向こうの王様はお母様のお父様から無理やり王位を奪った方らしくって。僕が継承した力は、本来向こうの王様になる人の力でしょ……。だから、僕を殺そうとするんじゃないかって言ってたんだ。だけど、だからといってずっと避けてるのも嫌だし、会わなければならないと思うから、受け入れて。」

「分かった。ティアが危険な目に合わないよう、全力で守るから。」


「ありがとう。話せばわかる人だったらいいなぁ。父親が恐ろしい人でも本人までそうとは限らないし…。大体僕はエディの御妃様なんだし、向こうの王座とか関係ないし…。」

ぎゅうっと、エディが僕を抱きしめた。



「いざとなったらドラゴニアを潰して併合しよう。うん、そうしよう。」


「もう、戦争は回避。傷つくのは国民なんだから。」

「潰す手段は戦争とは限りません。」


僕らがこんなふうに予め話していることなんて、考えていないんだろうな。

40歳の王子様は、ようやくフォックス王国に足を踏み入れた。
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