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ダグラスの里帰り
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戴冠式は青空に恵まれた中、行われた。
ファンファーレとともに、真っ赤な絨毯を歩いて、エドワードは冠を戴く。
そして、その隣にはティア。
ティアもまた、王妃の冠をその頂に乗せた。
2度目の結婚式のような式典。
誰からも祝福されなかった1度目の結婚式。
2度目の結婚式には、国民やお屋敷のみんな、そして、タイガーやスネイクたちはもちろん、フェニックス殿下とダグラスも駆けつけ、たくさんの拍手や歓声で沸いた。
その様子を嬉しそうに眺めているダグラス殿下は、話をややこしくしないように仮面をつけ、腕に小さなエドワードを抱いている。
式典が終わり、エドワードは屋敷のみんなを集めて、ダグラスたちを引き合わせた。
「ダグラス…殿下っ!」
感極まってスティーブたちは目にいっぱい涙をためて。
でも、ダグラス殿下は分からない…。
「すまない…。一度死んで、記憶がないんだ…。でも、再会できてよかった。これからもエドワードを頼む…。」
なんて悲しいんだろう。
スージーは、久しぶりに身に着けたドレスを開いて、優雅にカーテシーをした。
「生きていてくださって、嬉しいですわ。お幸せに…。」
私も幸せになりますわ。
そうほほ笑む彼女の側には、タイガーさんがいる。
タイガーさんは、ずっと、ずっと…スージーのことが好きだったみたい。
でも、スージーはダグラス殿下のことが忘れられなくて。
タイガーさん、頑張って!
スージーは本当に誰よりも幸せになってもらいたい…。
「私はファイアーバード王国で暮らしているから、あまり会えないかもしれないが、もしよかったら、遊びに来てもらえると嬉しい。」
一晩ゲストルームで過ごした後、フェニックス殿下にエスコートされて、ダグラス殿下は帰っていった。
幼い頃過ごした庭も、次期国王になるために勉強に執務に励んだ自分の部屋も、思い出からはまるっきり変わってしまっていて、残念だった。
―――――――フレックスとベラドンナには、長男のフレディの他に、次男のサンディ、長女のフラ、次女で末の王女のララがいた。
今は、貴族牢に入ってもらっているけれど、ベラドンナとフレディはいなくなり、フレックスも断頭台の露と消えた。
過ぎたことは戻らない。
これから、やるべきことをしなければ。
「エディ、子どもたちの調書は上がって来た?」
「ああ。人となりやこれまでの行いも全てあがってきた。」
気が重くてもやらなければならない。
二人っきりになった寝室で、僕らは調書をめくった。
ファンファーレとともに、真っ赤な絨毯を歩いて、エドワードは冠を戴く。
そして、その隣にはティア。
ティアもまた、王妃の冠をその頂に乗せた。
2度目の結婚式のような式典。
誰からも祝福されなかった1度目の結婚式。
2度目の結婚式には、国民やお屋敷のみんな、そして、タイガーやスネイクたちはもちろん、フェニックス殿下とダグラスも駆けつけ、たくさんの拍手や歓声で沸いた。
その様子を嬉しそうに眺めているダグラス殿下は、話をややこしくしないように仮面をつけ、腕に小さなエドワードを抱いている。
式典が終わり、エドワードは屋敷のみんなを集めて、ダグラスたちを引き合わせた。
「ダグラス…殿下っ!」
感極まってスティーブたちは目にいっぱい涙をためて。
でも、ダグラス殿下は分からない…。
「すまない…。一度死んで、記憶がないんだ…。でも、再会できてよかった。これからもエドワードを頼む…。」
なんて悲しいんだろう。
スージーは、久しぶりに身に着けたドレスを開いて、優雅にカーテシーをした。
「生きていてくださって、嬉しいですわ。お幸せに…。」
私も幸せになりますわ。
そうほほ笑む彼女の側には、タイガーさんがいる。
タイガーさんは、ずっと、ずっと…スージーのことが好きだったみたい。
でも、スージーはダグラス殿下のことが忘れられなくて。
タイガーさん、頑張って!
スージーは本当に誰よりも幸せになってもらいたい…。
「私はファイアーバード王国で暮らしているから、あまり会えないかもしれないが、もしよかったら、遊びに来てもらえると嬉しい。」
一晩ゲストルームで過ごした後、フェニックス殿下にエスコートされて、ダグラス殿下は帰っていった。
幼い頃過ごした庭も、次期国王になるために勉強に執務に励んだ自分の部屋も、思い出からはまるっきり変わってしまっていて、残念だった。
―――――――フレックスとベラドンナには、長男のフレディの他に、次男のサンディ、長女のフラ、次女で末の王女のララがいた。
今は、貴族牢に入ってもらっているけれど、ベラドンナとフレディはいなくなり、フレックスも断頭台の露と消えた。
過ぎたことは戻らない。
これから、やるべきことをしなければ。
「エディ、子どもたちの調書は上がって来た?」
「ああ。人となりやこれまでの行いも全てあがってきた。」
気が重くてもやらなければならない。
二人っきりになった寝室で、僕らは調書をめくった。
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