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魔女と竜
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「さあ、かわいい傀儡ちゃんたち、やってしまいなさい!」
「お母様の顔でっ!」
「ティア、思い切りやれ。私もいる。」
エディが心強い。
城の中にいたであろう近衛騎士たちが全員、操られている。
誰一人、焦点が合わない目をして、口を開けたまま、声にもならない声をあげ、剣を振り回す。
許せない。
僕の周りに無数の剣が浮かび、角が生え、竜の鱗が肌に光のように青く浮かぶ。
「……え??えぇ?いいのっ!彼らがどうなっても…!!」
剣は騎士たちをなぎ倒す。
剣に乗り継いで跳ねる僕とともに、タイガーさんも跳ねた。
たった二人でも、竜と虎の爪と牙はすべてを引き裂く。
「大局の前にはやむを得ないこと!」
「えぇぇええええええぃ!!!」
「ほら、何もなくなった!次はお前の番だ!」
「私の顔はあんたの母親の顔よ!私を倒せるの!?」
「倒せる。お前はお母様じゃない。」
駒を失い、無様に後ずさる魔女を追い詰める。
入れ替わりでお母さまを苦しめた、その絶望を与えてやりたい。
ずっとそう思ってきた。
だから、こうすれば。
「だってよ!性格ブスのクズが!」
タイガーが懐に入り、『お母様の顔』を引き裂いた。
「ぎゃああああああああああ!いたい、いたい!!わたしの、美しいかおがぁあああああああああ!!!!」
「お前のじゃないだろう!」
「あぁ、美しい顔に交換しないと…っ。あ!お前の顔をお寄こし!同じ顔なんだし、若いし!好都合だわぁぁあ!」
来る。
竜にそれは効かないことも忘れて。
これは、道中、予めみんなで計画していたこと。
<精霊さん、お願いしていたこと、今だよ!>
天井が突き破られ、僕と、ロゼの間に大きなカラスが飛んでくる。
「かぁああー、かあああ!!!?(—え??)」
「巻き込んでごめんね……。」
そっと母の顔をしたカラスを殺す。
スネイクが亡きがらを受け取って、闇に沈めた。
目の前には、カラスの顔になって人語が離せなくなった魔女。
「………う。ここは。」
「は!なんだ、あの化け物は!」
「ここは城の1階だ。魔物が出たらしい。みんなで倒そう。」
エディが癒した騎士たちは、順番に起き上がる。
カラスの顔をした女なんて、魔物にしか見えないだろう。
入れ替えた姿で、苦しめばいいと思う。
「お母様の顔でっ!」
「ティア、思い切りやれ。私もいる。」
エディが心強い。
城の中にいたであろう近衛騎士たちが全員、操られている。
誰一人、焦点が合わない目をして、口を開けたまま、声にもならない声をあげ、剣を振り回す。
許せない。
僕の周りに無数の剣が浮かび、角が生え、竜の鱗が肌に光のように青く浮かぶ。
「……え??えぇ?いいのっ!彼らがどうなっても…!!」
剣は騎士たちをなぎ倒す。
剣に乗り継いで跳ねる僕とともに、タイガーさんも跳ねた。
たった二人でも、竜と虎の爪と牙はすべてを引き裂く。
「大局の前にはやむを得ないこと!」
「えぇぇええええええぃ!!!」
「ほら、何もなくなった!次はお前の番だ!」
「私の顔はあんたの母親の顔よ!私を倒せるの!?」
「倒せる。お前はお母様じゃない。」
駒を失い、無様に後ずさる魔女を追い詰める。
入れ替わりでお母さまを苦しめた、その絶望を与えてやりたい。
ずっとそう思ってきた。
だから、こうすれば。
「だってよ!性格ブスのクズが!」
タイガーが懐に入り、『お母様の顔』を引き裂いた。
「ぎゃああああああああああ!いたい、いたい!!わたしの、美しいかおがぁあああああああああ!!!!」
「お前のじゃないだろう!」
「あぁ、美しい顔に交換しないと…っ。あ!お前の顔をお寄こし!同じ顔なんだし、若いし!好都合だわぁぁあ!」
来る。
竜にそれは効かないことも忘れて。
これは、道中、予めみんなで計画していたこと。
<精霊さん、お願いしていたこと、今だよ!>
天井が突き破られ、僕と、ロゼの間に大きなカラスが飛んでくる。
「かぁああー、かあああ!!!?(—え??)」
「巻き込んでごめんね……。」
そっと母の顔をしたカラスを殺す。
スネイクが亡きがらを受け取って、闇に沈めた。
目の前には、カラスの顔になって人語が離せなくなった魔女。
「………う。ここは。」
「は!なんだ、あの化け物は!」
「ここは城の1階だ。魔物が出たらしい。みんなで倒そう。」
エディが癒した騎士たちは、順番に起き上がる。
カラスの顔をした女なんて、魔物にしか見えないだろう。
入れ替えた姿で、苦しめばいいと思う。
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