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インネンつけられる旦那様 ※残酷注意

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「よく来たな、エドワルド。どうだ、新妻の具合はよかったか?下賤な血同士、ウマが合っただろう。」

「フレックス国王陛下。私めに素晴らしい伴侶をありがとうございます。」


どちらが下賤か。


腹立たしいが目的を叶えるまで。
そのために、私はまたこの場所まできたのだ。

懐かしい城は、この国王一家によってけばけばしく変えられた。



「女もいいが男もなかなか悪くないよな。男の体が気に入ったなら、そのうちお前にも褒美にワシのとっておきの高級娼夫を抱かせてやってもよかったのだがな。」

「ほほほ。アレはすぐに死んじゃったでしょう?つまらないことだったわ。」

「そういえばそうだった!才覚のある男が娼夫に落ちる様を楽しみにしてたというのに!ワハハ!」


怒りで頭がどうにかなりそうだ。



「私は妻一筋ですので…。」


「ふふ。それでは、エドワルド。ワシは金がほしい。東の国を獲ってこい。あのチキン。ファイアバードを。」

「お前ならそのくらい簡単でしょう?」

「平民あがりが重用してやってるんだ、恩義を返せ!」

業突張りな陛下、王妃、王太子!



「は。」




兄上。
やっとここまできました。

必ずや無念は果たします。







18年前。

「神獣の力など怪しげな伝承は知らん!国王の座は俺のものだあ!」

「素敵よ!フレックス!」


「なっ………!」

突然、近衛騎士含め騎士たちに囲まれた。

「貴女ね、ベラドンナ!魔女の力で皆を魅了したのね!」

「なんのことかしら、リリー。悔しかったらあなたも魅了返せば?できないでしょうけど!魅了は闇堕ちした悪い魔女しかできないもの?それにあなたは、たいした魔女じゃないものね?フフッ、国王はフレックス、王妃は私よ!」

「やれっ!」



「父上、母上!」


俺は………私は……………まだ7歳だった。

眼の前が真っ赤に染まり、父と母が殺されて。
私たちを守ろうとした兄や兄の婚約者の家族、側近たちだけでは、何百という勢力には抗えなくて。


私たちは捕らえられた。


「私はどうなってもいい!弟は、エドワードや他の者は助けてくれ!貴族籍を剥奪し、国外追放でもいい!けして叔父上の邪魔はしない!叔父上に忠誠を誓うから!」


「ほう、いいだろう。お前はこれからワシの高級娼夫だ。ワシに忠誠を誓う者へ見返りに褒美としてお前を抱かせよう。」

何!?という叫びは誰かの手で遮られた。

「女ではタたない体にしてやろう。はは、澄ました完璧な王太子が男の慰み者になるのだ。あの兄の子が!ははは、愉快だ!そこの2人、最初はお前たちにやろう。自分から男欲しさに腰をふるような淫売にしつけてやれ!弟と婚約者の前でな!」

優秀な王太子だった兄が。

優しい兄が。

嬲られる様を見せつけられる。


それは、残酷で。


「ほほほ、お望み通り国外追放してあげるわ。魔物が徘徊する森だけどね!」
ベラドンナの魔法で、国外の魔物の森に転移させられる。

転移直前、組み敷かれている兄上の絞り出されるような声が。


「…………ッ、ああっ、わたしの、ことはわすれて、(いきて、スージーも、しあわせに)」


最後は口だけ動いて。


兄の犠牲で私たちは。


兄がまだ生きて囚われているのであれば救い出そうと、一歩一歩力をつけ、この国の中枢に近づいた。

そこで知ったのは、私たちが転移した後、兄は一人で立ち向かい、すぐに命を落としたのだということだった。





私が……俺がティアを抱けないのは、このことがきっかけで俺が『性的な行為』をよくないものだと認識してしまっているせいだ。
分かってる……。分かってるけど…。

俺はティアに一目ぼれをしたけれど、ティアはまだ成人したばかりで、俺は親が押し付けた結婚相手。
俺に好意を寄せてくれているように見えるけど、実家の酷い待遇から逃れて俺が大事にしているから、恩義のようなものを感じているだけだ。

だから俺は勘違いしちゃいけない。

例えティアが俺を好きだと言ってくれたとしても、それは大事にされたことがなかった者が大事にされて、恩を感じている相手に抱く勘違いの愛情に違いないのだから。

だから、そんな勘違いでティアを穢してはいけない。

そんなことをしたら、俺は兄上に顔向けができない。
叔父たちと同じ人間になってしまう。



「東の国に喧嘩をふっかけろか……。」


今度はどんなふうに相手国に被害が出ないようにうまく立ち回ろうか。


多勢に無勢、それに国民に被害がないようにあいつらを倒すにはどうしようか。
国中に広がり、根を張るベラドンナの魅了や洗脳を解かねば、無理を通すわけにはいかない。

彼らにも責任はあるが、彼らの命を奪う必要はない。



俺はこの国の将軍にあって、動いている。



俺が将軍じゃなかったら、あっちこっち火の海だっただろう。

来る日も戦、戦、戦。



だがな。




将軍という地位にいるおかげで、やれることもあるんだ。









エドワルドが退出し、国王は王妃とほくそ笑む。

「くくっ。ワシが気づかないとでも思っているのかね。かつての第二王子よ。」

「ばかよねぇ。髪や目の色を変えたくらいで、私たちだって気づかない程愚かじゃないわ。」

「アイツは使える奴だから泳がせていたが、そろそろ潮時だな。戦に乗じて消してしまおう。」

「ほほほ、悪い人。」

「そんなわしが好きなくせに。残った未亡人はわしの妾にでもするか。」

「私より可愛がっては嫌よ?」

「当り前だろう。それにどうせ子は出来ぬのだからいいではないか。」

「それならばいいでしょう。」

「父上、私にも遊ばせてください。」

「いいだろう。」


王室の闇は深い。

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