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魔女会議

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「愛しの君よ。王子様とのお茶会だね。気を付けていっておいで。」

「貴方も商談頑張ってくださいな。」

シャワーズ侯爵家では、侯爵のアクアが商談に出かける。



最初の数年は、親の遺した事業を回し、仕事を覚えるので必死だったから、こういった事業に手を付けたのは、ちょうどティアを屋敷に入れたくらいの、侯爵を拝命して7,8年後のことだった。

今回の投資の話もきっとうまくいく。

「お父様、僕も頑張りますっ。」


ティアほどの容貌はないといっても、十分見目の良い息子。
表向きは、容姿を入れ替えられたことになっているが、真実は違う。
姿を入れ替えた妻と私に似ていなかったから、そういうことにしただけだ。
せめてローズにそっくりだったら良かったのに、ローズの亡くなった妹がこんな顔だったらしい。
娘なら地味で残念だが、息子だし、男の顔は仕事が作るものさ。

「ああ、私の仕事ぶりをみて覚えるんだ。お前がこの家の跡取りなのだから。」

妻とバードキスをして、馬車に揺られる。





本物のリュージュじゃこうもいかなかった。
あの女はどこか陰気だったから。

さすがローズだ。

ローズは今や王妃様のご友人。

今日はお茶会だという。

ふふっ、私の人生はなんて薔薇色なんだろうか!











「いらっしゃい。シャワーズ侯爵夫人。」

「王国の輝く月におかれましては…。」

「いいの。私たちの仲じゃない。」

王城では、王妃のベラドンナが待っている。
手を叩いて、王妃は侍女や侍従を下がらせた。


「ふふっ、防音の結界も張ったわ。貴方も楽にして?」

「ありがとう。」

「王妃と侯爵夫人が『悪い魔女』だなんて、男ってほんと馬鹿よね。」

コロコロと王妃が嗤う。

「本当よ。」

「この国を私たちの望むようにしましょうね。」



この年増め…。

王妃とお茶を交わしながら、腹の底では魔女たちは互いを罵っている。
まんまとシャワーズ侯爵の夫人に成り代わったローズは、社交界に躍り出て、次は王妃と成り代ろうとした。

しかし、同じ『悪い魔女』であったため、立場を奪うことはできない。

王妃としても、現れた自分以外の『黒い魔女』を配下に置くことは、けして悪いことではない。

互いに互いを利用しようと、牽制しあう。

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