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姫扱い

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「ベル様は本当にお美しいですわ。最初よりは伸びて肩までにはなりましたが、まだまだ御髪が短いのが残念です…。」


バルバールに来て、力を奪われ、王太子の宮に軟禁されて、一か月経った。

国はみんなどうしているだろうか。

陛下は私のことを呆れているのではないだろうか。


バルバールを倒すはずが、捕えられて、政略結婚の道具扱いされているのだから。

きっと、国には触れがいっているに違いない。


カイザーお兄様も呆れているのだろうな。





クレイの血迷い事だと思っていたが、医師の診察を受け、侍女に甘やかされて、ただゆっくり過ごしていたら、先週月の物が来た。

ほらな、という表情でドレスを持ってきた男は、この国の夜会にクレイのパートナーとして出ろと。





私がいない今、単純な武力では勝ち目がない。

平和に解決できるなら…。










短い髪にリボンをあしらい、ふわりとしたドレスを着る。

ヒールを履いて隣に立っても違和感はない。

クレイの背丈はカルスに似て、私よりがっしりして大きい。




カルス…。






なんでカルスのことがよぎるんだろう。







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