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番外編 執事との恋
アレックス叱る
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「レナードっ!駄目じゃない!サンドルを甘やかさないでよ!ヤードにはヤードの人生があるんだから!いくら好きだからって、お見合い現場に乗り込むなんて許せないよ!好きなのはいいけど、やり方がだめ!」
アレックスはメリルとリリルと末娘のベリルをナニーに預けて、レナードの頬を抓る。
「いや、実は、ヤードにも相談されてて。」
「なにを!」
レナードからの説明にアレックスは頭を抱え、そうして2人はヤードと伯爵夫妻を呼んだ。
「ヤード。お前は俺に言ったよな。結婚相手を探す理由を。」
「はい。なんだか変なんです。ルカ様の時はただ純粋にかわいいと……。サンドル様のこともそうだと………思い、たいのですが。甘えてくれて、まっすぐに好意を向けられて、なんだか、ムズムズするんです。年々、そのムズムズが大きくなって……。」
胸のあたりを抑える。
「一回りも下の、まだ子どもにこんな想いを抱くなど。しかも主の弟君を。執事失格です!」
「だから、結婚を?」
「はい。サンドル様の気持ちだって、子ども時代の熱病のようなものかもしれません。それに、身分も違いすぎますから、僕が結婚すれば全て丸くおさまるのではと。でも間違っていました。相手に失礼ですよね。」
「ヤード。俺はヤードならいいと思う。ただ、サンドルは若すぎる。あの子が18になって気持ちが変わらなければ、サンドルを妻に考えてほしい。あと四年、だ。」
レナードを見てアレックスが付け加える。
「もちろん、ヤードが結婚したい相手が見つかれば、いつでも結婚していいよ。王族だからってわがままは僕は嫌いだし、ちゃんと物事の善し悪しは躾けるから。」
アレックスには息子に傲慢な人間になって欲しくない想いが強かった。
アレックスはメリルとリリルと末娘のベリルをナニーに預けて、レナードの頬を抓る。
「いや、実は、ヤードにも相談されてて。」
「なにを!」
レナードからの説明にアレックスは頭を抱え、そうして2人はヤードと伯爵夫妻を呼んだ。
「ヤード。お前は俺に言ったよな。結婚相手を探す理由を。」
「はい。なんだか変なんです。ルカ様の時はただ純粋にかわいいと……。サンドル様のこともそうだと………思い、たいのですが。甘えてくれて、まっすぐに好意を向けられて、なんだか、ムズムズするんです。年々、そのムズムズが大きくなって……。」
胸のあたりを抑える。
「一回りも下の、まだ子どもにこんな想いを抱くなど。しかも主の弟君を。執事失格です!」
「だから、結婚を?」
「はい。サンドル様の気持ちだって、子ども時代の熱病のようなものかもしれません。それに、身分も違いすぎますから、僕が結婚すれば全て丸くおさまるのではと。でも間違っていました。相手に失礼ですよね。」
「ヤード。俺はヤードならいいと思う。ただ、サンドルは若すぎる。あの子が18になって気持ちが変わらなければ、サンドルを妻に考えてほしい。あと四年、だ。」
レナードを見てアレックスが付け加える。
「もちろん、ヤードが結婚したい相手が見つかれば、いつでも結婚していいよ。王族だからってわがままは僕は嫌いだし、ちゃんと物事の善し悪しは躾けるから。」
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