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ウインター王国
おなかぱんぱん
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お披露目式とスワン王子とリーフ王子の結婚式が終わり、少しずつ僕らはこの国に馴染んでいる。
レナードが勧めている温泉やマグマのエネルギーを活用した発電の研究は好意的に受け入れられ、多くのエネルギーを必要とするこの国にとって、重要なプロジェクトになった。
それから、通信で各領地を繋ぎ、陛下から各領主へ一定の権限をおろすことも。
国土が広すぎて、何か災害が発生するなどしたときに、陛下しか決定できないのでは後手後手になってしまう。
マニュアルが必要になるけれど、こちらも喜ばれた。
マニュアルを作るのは、僕も手伝っちゃおうかな。
あれから数か月が過ぎ…。
僕のお腹もぱんぱんまる!
もういつでも出てきていいよ!
お包みも刺繍もちょっと不格好だけど、形にはなった。準備OK!
愛情だけはこもってるからね!
「…………。」
あられ王妃が何やら巻物みたいな紙を見て、しぶ~い顔をしている。
スワン王子もリーフ王子も結婚式をして、向こうのお家に行っちゃったから寂しい…………ということはないと思うけど。
2人ともお城に仕事をしに来るし、仕事で疲れた日はこっちに泊っちゃうし。
「あられ様。どうかなさったんですか?」
「いいえ、と、言いたいところだけれど。言っておいた方がいいのかしらね。うちの実家の秋月国なんだけど、一人の王様に30人の奥さんがいるの。向こうでは王様はハーレムを持つ習慣があってね。それで、それだけ奥さんがいると、アイリみたいなのもいるのよ。だから生まれた子たちの中にも最悪なのが混じっているわけ…。」
持っていた紙をくしゃっと曲げる。
本当に身内だなんて考えたくもないわ!というあられ様の怒りを感じる。
「そのアイリみたいな女から生まれた最悪な王子と王女があなたたちに一目ぼれしたそうよ…。」
ふへ?
「迎え撃ってこてんぱんにしてやりましょう。」
ぽきぽきと指を折る音が聞こえてきそうだ。
レナードが勧めている温泉やマグマのエネルギーを活用した発電の研究は好意的に受け入れられ、多くのエネルギーを必要とするこの国にとって、重要なプロジェクトになった。
それから、通信で各領地を繋ぎ、陛下から各領主へ一定の権限をおろすことも。
国土が広すぎて、何か災害が発生するなどしたときに、陛下しか決定できないのでは後手後手になってしまう。
マニュアルが必要になるけれど、こちらも喜ばれた。
マニュアルを作るのは、僕も手伝っちゃおうかな。
あれから数か月が過ぎ…。
僕のお腹もぱんぱんまる!
もういつでも出てきていいよ!
お包みも刺繍もちょっと不格好だけど、形にはなった。準備OK!
愛情だけはこもってるからね!
「…………。」
あられ王妃が何やら巻物みたいな紙を見て、しぶ~い顔をしている。
スワン王子もリーフ王子も結婚式をして、向こうのお家に行っちゃったから寂しい…………ということはないと思うけど。
2人ともお城に仕事をしに来るし、仕事で疲れた日はこっちに泊っちゃうし。
「あられ様。どうかなさったんですか?」
「いいえ、と、言いたいところだけれど。言っておいた方がいいのかしらね。うちの実家の秋月国なんだけど、一人の王様に30人の奥さんがいるの。向こうでは王様はハーレムを持つ習慣があってね。それで、それだけ奥さんがいると、アイリみたいなのもいるのよ。だから生まれた子たちの中にも最悪なのが混じっているわけ…。」
持っていた紙をくしゃっと曲げる。
本当に身内だなんて考えたくもないわ!というあられ様の怒りを感じる。
「そのアイリみたいな女から生まれた最悪な王子と王女があなたたちに一目ぼれしたそうよ…。」
ふへ?
「迎え撃ってこてんぱんにしてやりましょう。」
ぽきぽきと指を折る音が聞こえてきそうだ。
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