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視線

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学園につくと、なんだか視線が痛い。

プラチナブロンドにして、見栄えを損なう化粧を辞めたレナードは本当にカッコイイ。

そばかすがあってもカッコよかったけど。
更に輪をかけてカッコよくなった。


頭もよくて、頼りがいのある旦那様。


「おはようございます。」

挨拶をしたら、みんなが恐縮したようにするから焦っちゃって。いいの、いいの。と止めた。



「じゃあアレックス。俺は教室へ行くね。」

王子の身で護衛をつけないわけにはいかない。
僕のところにはリリーが残り、アレックスにはメリーが着いて行った。


彼女たちってどれだけ強いんだろう。
一度実力を見てみたい。





「おはようございます。アレックス様。」

「おはよう。セージ侯爵令息。」

「あの……。元事務官長の話、父から聞きました。」


「あっ。確か、新しい事務官長はお父様がセージ侯爵を指名したんだったね。」

「はい。あの方、一事務官の時から横領をしていたのだそうですね。それで、自分に意見しそうな…者を左遷していたと、聞いて。ずっと、父は資料室勤務で…。でも、腐らずにこの国の記録からあらゆる統計資料を作っていたんです。ありがとうございます。」


「ううん、僕は何もしていないよ。真面目に努力していた人が報われないとね。」

ふふ。


「セージ侯爵令息とばかり狡い!」
「私ともぜひお話を!お茶会を開催する予定がおありでしょうか!」


えええ、ちょっと。ちょっと待って!

やっぱり王太子妃って決まってると、コネを作りたいって人が多いんだな。


「皆さま、静粛に!」


リリーが僕の席の前に立って仕切る。


「アレックス様を囲む会は後日もうけますので。」

整理券を配りだす。


うーん。




ざわざわっ。

サザンドラ王女の教室の方で騒ぎがあったみたい。

騒ぎを起こしたのはグレイシャス王子。

またもや気に入らないだの、お飾りにするだの言ったらしい。


全く懲りない人。
サザンドラ王女に平伏する立場なのにね。




1時限、2時限と他所のクラスからゴマすりに来る生徒も多くて、僕、疲れちゃった。

視線が痛いよ。





「アレックス。」

何時間かぶりのレナードが嬉しくて、思わず抱き着いちゃう。


「疲れた。アレックスは?」

僕はこくりと頷く。

レナードはにやりと笑った。


「セージ侯爵令息。アレックスは体調不良のようだ。残りの授業は休むので、伝えておいてくれないか。メリーは俺が休むことを伝えてきて欲しい。」

「畏まりました。」


レナード?



(なんだか気分じゃないし、たまにはサボってしまおう。)

さぼり!

なんだか悪い感じ!


どきどきしちゃう!
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