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スワン王子とリーフ王子

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「よくきたね。いらっしゃい。」



緊張する!

なんで僕たちを王族の方が迎えてくださるのかしら。

「私は、スノー=シュー=ウィンターだ。そして王妃のあられ=氷河=ウィンター。息子のスワンとリーフだよ。」

肩まで伸びたプラチナブロンドに緑の瞳。優しいおひげのお顔。

レイチェル様のお兄様だって。
彫りがふかぁい。

ちょっと筋肉質でかっこいい。


お妃様は東方の四季が美しい秋月国の方で黒髪黒目の小柄で若く見える可愛らしい方。

スワン王子は父親似でリーフ王子は母親似だった。
そして2人ともオメガで優秀な王子なのだそうだ。



「レイチェルは君たちのことを可愛がっていたと聞いているよ。結婚おめでとう。是非、城内のゲストハウスに宿泊して欲しい。」

陛下が目を細める。


なるほど!

ナードのお母様は侍女だし、僕も幼い頃に可愛がられたんだった。

そのご縁かぁ。

確かにナードはウインター王国の陛下からお誘いがあったと言っていたものな。

まさか、駅まで王族一同で迎えに来てもらえるものだとは思っていなかったけど…。

〝丁重にもてなしてやってね!”くらいの親書を持って滞在するものだとばかり思ってた。




お城へは、地下から進む。

ウィンター王国は冬は雪深いし、火山があるからあちこちにシェルターはあるし、地下が充実している。

大地の動きから地震を予知する技術もある。

地震予知は、同じ地震大国である秋月国と共同研究したのだそうだ。


「うわあっ。すごい。地下なのに地上みたい!」

綺麗に整えられて清潔な地下街は、照明に照らされてまるで外みたい!


「今通っているここは、王族用の専用通路です。明日から視察で回られるといいですよ。この国は自然が厳しい分、知恵を使って進歩してきた歴史があります。よい刺激になると思います。」

ふふっとほほ笑むリーフ王子って本当に美人…。



ちらっとナードを見る。


「大丈夫だ。確かに王子達は美人だけど、俺はアレックスだけだよ。」


見透かされてちょっと悔しいから、太ももを軽くつねった。





お城の中も暖房で過ごしやすい!

分厚い窓の外は、真っ白な雪景色なのに、こんなに快適なんて。

屋根も熱が通ってて、溶けたら滑り落ちるような形をしているから、雪が溜まらないんだって。



離宮は新婚さんの僕らのために真っ白でふりふりのレースで彩られていた。

スワン王子がうきうきしながら用意してくれたのだそう。

スワン王子は縫物とか刺繍が得意なんだって。


滞在中に奥さんらしく刺繍の一つでも習って、ナードにプレゼントしようかな。


「では、お荷物はここに整理致しましたので。」


メリーとリリーがお片付けをしてくれた。


「ありがとう。二人も自分の部屋でゆっくりしてね。」



お部屋にも半露天風呂があって、植栽もすてき~。

精霊たちもふわふわと喜んでいるみたい。





「アレックス。」



ん?

いつになく真剣な声。



「どうし

急に抱きしめられる。



「今夜、夕餉の後、一緒にお風呂に入ろう。そして、アレックスに、話が、あるから。」


ナードとお風呂、楽しみだなぁ。
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