王子様との婚約回避のために友達と形だけの結婚をしたつもりが溺愛されました

竜鳴躍

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ダンスの練習

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もうすぐ冬の長期休暇。
年中温暖な国だから、冬といっても少し肌寒いかなくらいだけど。

パーティーは長期休暇の最後の週末にあるみたい。

お義母様のお手伝いで参加の手紙をしたためた。


「そういえば………。あと3か月したら学園も卒業かあ………。早いなあ。暫くナードの奥さんだとして、ゆくゆくはどうしよう。」

「まだそんなこと言ってるの?アレックスは俺に不満?」

「ひゃ!」
バックハグなんでドキッとしちゃう。

友だちのはずなのに………。

エッチもしちゃったし、番になっちゃったし。
僕はいいけど、ナードは僕でよかったのかなあ。

「アレックスには悪いけど、俺は一生アレックスを離さないよ。アレックスと本当に夫夫になりたい。友だち兼恋人兼夫夫。」

「あうう。」

「赤ちゃんも欲しい。」

僕の下腹に触れる。


毎晩注がれてるから、僕のおなかには常にナードの…………

赤ちゃん、出来ていてもおかしくない。




「踊ろう。アレックス。夜会なんて出なかったからダンスの自信がないんだ。付き合ってよ。」

「う、うん!」


手が触れて、腰に触れられ、ステップを踏む。

意外。

ナードはダンスがとっても上手。

心なしか、そばかすが薄くなっている気がする。


「長期休暇なんだけど………。ウィンター王国に行かないか?」

「ウィンター王国?」

「うん。ちょっと向こうの陛下からお誘いがあって。寒い時期だけど、科学の力で快適みたいだよ。温泉もあるし。」

もしかして新婚旅行かな。








「うふふ、夜会は大好き。楽しみだわ。」
王妃・アイリはドレスやアクセサリーを新調する。

「ウィンター王国から王子たちも来る。レイチェルのこともあるから、気をつけてくれよ。」

「あれから何年もたっているのよ?大丈夫よ。」


友好国を招いての親善パーティー。

来年の輸出量に関する会議をした後、パーティーがあるのだ。

私は何故か胸騒ぎがしていた。

そしてその様子を事務官長がじっとりした眼差しで見つめていることにも気づいていなかった。




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