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全てが霞んで見える
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なんなんだ………。
あれがアレックス…。
真っ青な目はよく見れば神秘的で、気持ち悪くはなかった。
お父様が教えてくれた精霊の王様と同じ瞳。精霊の愛し子である証。
鏡で自分の美しい顔を見慣れている私でさえ、我を忘れて見とれてしまう美貌。
あれを。
子どもの頃の私は罵って、容姿を隠させたのか。
教師に叱られて、頭の中はぐるぐると思考で渋滞していると、やわらかい膨らみが腕に当たる。
「ねぇ、殿下ぁ。アレックスに見とれてないですよねっ。アレックスより、マリリンのほーが可愛いですよねっ。」
周りがキラキラと輝いている奇跡のようなアレックスを見た後だと、正直普通だ。
普通よりちょっと目と鼻と口のバランスがいいかもな、くらい。
自分の取り巻きの女の子たちも、たいして可愛いと思えなくなった。
全てが霞んで見える。
あんなに美しいんだったら、あんなことを言うんじゃなかった。
先にあんなことを言ってしまわなければ、アレックスは急いであいつと結婚しなかっただろう。
アレックスは私の妃だったのに。
夕べ、お父様に叱られたことを思いだした。
『馬鹿もん!どうしてお前がそれを知っている!しかも私が王命を出す前に本人にいうヤツがあるか!』
『だって…!どうして私があんな不細工と結婚しなければならないんですか!政略結婚というなら結婚はしますが、あんなやつと床に入るなんてまっぴらです!だから、事前に―――――
『だから事前に<お飾り>にすると暴言を吐いたというわけか…。お前が気に入る気に入らないはどうでもいいわ!あれは精霊の愛し子だ!あの青い眼は愛し子の証!私のおばあさまも同じ色だった!この国は精霊の加護ありきで成り立っている。愛し子はできれば王家の血に入れておきたかったものを…。』
はぁ…。
あれがアレックス…。
真っ青な目はよく見れば神秘的で、気持ち悪くはなかった。
お父様が教えてくれた精霊の王様と同じ瞳。精霊の愛し子である証。
鏡で自分の美しい顔を見慣れている私でさえ、我を忘れて見とれてしまう美貌。
あれを。
子どもの頃の私は罵って、容姿を隠させたのか。
教師に叱られて、頭の中はぐるぐると思考で渋滞していると、やわらかい膨らみが腕に当たる。
「ねぇ、殿下ぁ。アレックスに見とれてないですよねっ。アレックスより、マリリンのほーが可愛いですよねっ。」
周りがキラキラと輝いている奇跡のようなアレックスを見た後だと、正直普通だ。
普通よりちょっと目と鼻と口のバランスがいいかもな、くらい。
自分の取り巻きの女の子たちも、たいして可愛いと思えなくなった。
全てが霞んで見える。
あんなに美しいんだったら、あんなことを言うんじゃなかった。
先にあんなことを言ってしまわなければ、アレックスは急いであいつと結婚しなかっただろう。
アレックスは私の妃だったのに。
夕べ、お父様に叱られたことを思いだした。
『馬鹿もん!どうしてお前がそれを知っている!しかも私が王命を出す前に本人にいうヤツがあるか!』
『だって…!どうして私があんな不細工と結婚しなければならないんですか!政略結婚というなら結婚はしますが、あんなやつと床に入るなんてまっぴらです!だから、事前に―――――
『だから事前に<お飾り>にすると暴言を吐いたというわけか…。お前が気に入る気に入らないはどうでもいいわ!あれは精霊の愛し子だ!あの青い眼は愛し子の証!私のおばあさまも同じ色だった!この国は精霊の加護ありきで成り立っている。愛し子はできれば王家の血に入れておきたかったものを…。』
はぁ…。
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