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結婚式

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「ああっ!アレク!おめでとうっ!」
黒髪にサファイアのような綺麗な青い瞳。

社交会の華でありながら、学園をぶっちぎりの首位で卒業し、ウィンター王国へ留学歴もある美しく優秀なルビーお姉様が僕を抱きしめる。

お姉様が釣り合う年齢なら、あいつの婚約者にされていたかもしれない。
お姉様が7才年上でよかった。


お姉様の隣にはアメル=ジストニア公爵令息。
プラチナブロンドに緑の瞳で、小柄でかわいらしい男性。
ウィンター王国の王族筋の筆頭公爵家の次男だ。

お姉様がアルファでアメル様はオメガ。
アメル様は語学堪能で機械工学のスペシャリスト!
2人は近く結婚し、アメル様が婿入りしてお姉様の赤ちゃんを産んでくれることになっている。


「アレックスくん、おめでとう。本当によかったね!僕のいとこたちも本当に怒ってるんだよ!レイチェル叔母さまやレナードへの仕打ちにどうしてくれようってね!南の方のいとこが一番苛烈に怒っていたなあ。」

アメル様はナードを見て微笑んだ。



「さあ、簡略式とはいえ、式ですぞ。」
神父さんが咳払いして、僕たちは手をつないだ。

「病めるときも健やかなるときも、2人いつでも仲良しでいることを誓います!」
2人で考えた誓いの言葉。


初めてのキス。

唇が触れるだけだけど、恥ずかしい!

〈おめでとう!〉〈おめでとう!〉

僕の精霊たちがうれしそうに舞った。





「ああ。初夜、初夜かあ。うちの天使が…………。」
黒髪に少し白髪の混じった黒目の下に隈を作った美形の公爵は、愛息子の嫁入りにがっくり肩を落とした。

「覚悟を決めなさい。アレに攫われるよりはいいでしょう。それに少し予定が早くなっただけですわ。」
金髪青目の美貌の公爵夫人は、夫の腰をばんと叩いた。

「初夜、アレしなきゃだめかな。」
「ダメですよ。しっかり番わないと意味が無いわ。」

クリフォート伯爵夫妻が恭しく礼をする。
夫妻の後ろにはナードの弟。
弟のヤードは夫妻にそっくりだ。

「クリフォート伯爵夫妻。これから親戚としてよろしくお願いしますね。」

「例の薬は準備出来ております。」
「ややが楽しみですわ。も楽しみだそうですよ。」

「そうか。」

親たちは幸せな2人を見守る。
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