【完結】女装して姫プレイにハマった公爵次男は 王弟殿下に絡めとられる

イーノお兄様の結婚式

真面目眼鏡を辞めたイーノお兄様は、すらりとした美しい貴公子で誰もが見惚れた。

親族席で並ぶ俺の隣にはブルーノ様。


友人としてでありながら貴賓扱いで最前列にいるカント王子の瞳は潤む。

久しぶりに会ったミーナはローズブランドのドレスで緑色の飾りの少ないドレスを着て、一際綺麗。

年下ながら、カント王子の背中を撫で、支えているようだ。



セレナ様は、清楚で綺麗だった。


二人とも月の女神のようだ。




セレナ様を地味だと馬鹿にしていた人や、いきおくれの職業夫人だと馬鹿にしていた人たちは、口をつぐんでいる。




「二人ともおめでとう。」

カント王子は二人を祝福した。


「ありがとうございます。」

微笑むイーノ。

傍目からは親友であり側近である男への労い。


だが、心の中は。




「カント様。大丈夫ですか？」

「ああ。私にとっても節目になったよ。」


ミーナは優しい。

代わりではなく、愛したい。

きっと愛せる。



この少女が大人になり、嫁ぐ頃までには、私は彼女を愛しているだろう。