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ハイ、馬鹿です!
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ガシャン!
「…!!なんだッ!?」
窓が割れて、外から外気が押し寄せる。
冷たさに息をのみ、するとそこにはヒューリーとミリオン。
「ハイ、馬鹿です。」
ミリオンが毛布でエンリケを包んだ。
「…………この男がッ。」
「チッ、下手うった!なんでここが…!」
「おっと。自慢の足で逃がさねえよ。」
ヒューリーは素早く足を切りつけた。
「お前馬鹿だね。よりによって王子を攫うなんてさ。しかも、王子様を犯そうなんて楽しい処罰が待ってるだろうね。」
「え…?」
男は口を金魚のようにパクパクさせた。
「……この男は僕をニーノだと勘違いして攫ったんだ。その依頼をしたのは、メロディ=ミューズだよ。」
「おや。子爵家に連絡しないとな。きっと子爵は完全にその娘を斬り捨てるだろう。修道院送りで済んだだけでよしとすればよかったのに。命を捨てることになるだろうね。」
「仕方ない。温情を理解せず、罪を重ねたのだから…。」
ヒューリーとエンリケの会話を聞き、ミリオンは自身の至らなさが辛かった。
軽くみえても、ヒューリーは立派な騎士だ。
エンリケ王子も立派な王子だ。
自分は……。
まだ王子の隣に立てる人間じゃない。
だけど、この席は誰にも渡せない。
「足の腱は切ってしまったし、利き手の腱も切ってしまおう。現行犯だし、処罰しても問題ないだろう。逃げられたら困るしな。」
「うわ、ぁっ、やめろ、あぁ、うああああああああああ!!!!」
鈍い音がして、血が飛び散る。
「お前には似合いの罰を与えるように進言しとこうね。凌辱が大好きみたいだから、いっぱい凌辱されるといいよ。殺し屋の仲間をげろってもらえたら、ご褒美に面倒を見てもらえるかもね。」
あーー。黒い。黒いなぁ。
「エンリケ王子。私は王子を愛してしまっているようです。跡取りは弟に譲ります。私の妻になってくださいますか?」
毛布越しに、ミリオンの腕は僕を守っている。
ミリオンってこんなにかっこよかったっけ。
いいかも………。
「…!!なんだッ!?」
窓が割れて、外から外気が押し寄せる。
冷たさに息をのみ、するとそこにはヒューリーとミリオン。
「ハイ、馬鹿です。」
ミリオンが毛布でエンリケを包んだ。
「…………この男がッ。」
「チッ、下手うった!なんでここが…!」
「おっと。自慢の足で逃がさねえよ。」
ヒューリーは素早く足を切りつけた。
「お前馬鹿だね。よりによって王子を攫うなんてさ。しかも、王子様を犯そうなんて楽しい処罰が待ってるだろうね。」
「え…?」
男は口を金魚のようにパクパクさせた。
「……この男は僕をニーノだと勘違いして攫ったんだ。その依頼をしたのは、メロディ=ミューズだよ。」
「おや。子爵家に連絡しないとな。きっと子爵は完全にその娘を斬り捨てるだろう。修道院送りで済んだだけでよしとすればよかったのに。命を捨てることになるだろうね。」
「仕方ない。温情を理解せず、罪を重ねたのだから…。」
ヒューリーとエンリケの会話を聞き、ミリオンは自身の至らなさが辛かった。
軽くみえても、ヒューリーは立派な騎士だ。
エンリケ王子も立派な王子だ。
自分は……。
まだ王子の隣に立てる人間じゃない。
だけど、この席は誰にも渡せない。
「足の腱は切ってしまったし、利き手の腱も切ってしまおう。現行犯だし、処罰しても問題ないだろう。逃げられたら困るしな。」
「うわ、ぁっ、やめろ、あぁ、うああああああああああ!!!!」
鈍い音がして、血が飛び散る。
「お前には似合いの罰を与えるように進言しとこうね。凌辱が大好きみたいだから、いっぱい凌辱されるといいよ。殺し屋の仲間をげろってもらえたら、ご褒美に面倒を見てもらえるかもね。」
あーー。黒い。黒いなぁ。
「エンリケ王子。私は王子を愛してしまっているようです。跡取りは弟に譲ります。私の妻になってくださいますか?」
毛布越しに、ミリオンの腕は僕を守っている。
ミリオンってこんなにかっこよかったっけ。
いいかも………。
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