【完結】女装して姫プレイにハマった公爵次男は 王弟殿下に絡めとられる

竜鳴躍

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どう見ても間違っている

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何か知らないが、ヤバイ奴に拉致されたと思う。


年の頃は40代。お父様くらいだろうか。
黒髪がぼさぼさでつやはない。

中肉中背、騎士のような厚みはないが、引き締まった体をしている気がする。

顔はよく分からない。

前髪が長いから。

だけど鼻や口の形はいい。



どこの手の者だろう。

僕を狙うような者に心あたりはないんだが。



「ニーノ=シリアスだな。お前に恨みはないが、ちょっとばかり恩のある女の子からのお願いでな。」


ん?


僕、間違えられて連れてこられた?


ニーノ絡みで恨みっていうと…………



メロディ?しか考えられない。

あいつ、懲りないな!
修道院に行ってもまだこんなことをするのか。



「メロディだな。」

無表情で何も言わないのは、肯定だ。


「できるだけ惨たらしく殺して欲しいと言われたんだが、お前の美しさが惜しい。俺のオンナになるか、仕込まれて売り飛ばされるか。どちらがいい?」


縛られた体に男の手が這う。


気持ち悪い。


だが…………王子としてはこんなことを考えてはいけないのだろうが、間違えられてよかった。


「少し、気持ちの整理をさせてくれないか。いいだろう?どうせ逃げられないんだから。……………初めてなんだ。」


そういうと男は嬉しそうにした。





きっと、騒ぎになっている。

きっと、助けは来る。

時間を稼いでしばらくここから動かない。



ここはいくつかある山小屋の一つ。

外は吹雪がくる。

こいつだって動きたくないはずだ。
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