【完結】女装して姫プレイにハマった公爵次男は 王弟殿下に絡めとられる

妹が辺境伯令嬢になりました

「では、お父様お母様、今までありがとうございました。お兄様たちも…。」

ミーナは美しい礼をして、辺境伯家の馬車でこれから新しいおうちに行く。


「いつでも遊びに来て頂戴ね。新しいお母様と一緒に。王家に嫁いだら難しいのだから…。」

「はい。」


これから、王太子妃教育が始まるミーナだけど、きっとあっという間に終わっちゃうんだろうな。


「ミーナ。俺も王族の嫁として、ミーナほどじゃないけどお城で教育があるみたいなんだ。その時会えたら会おうね。」


「ええ。たぶん、その時は私たち、同じお部屋で勉強だと思うわ。」

「それもそうか。」



貴族の勢力図まで考えて、自ら決めたミーナを誇らしく思うけど、ちょっと寂しい。

でも、辺境伯家は待望の女の子で、可愛い部屋を準備したりお茶会を企画したり、可愛いドレスを準備して待っているらしい。

ミーナは大事にされる。
なら、悪いことじゃない。



ぎゅっと抱きしめて、ちょっと早いけど、お嫁に行ってしまったみたい…。

同じようなものかもしれないけど。





遠くなる馬車を見つめながら、自分がお嫁に行くときのことを考える。

こんなふうに、みんな心がぎゅってなるんだね。

「お父様、お母様、お兄様。俺もお嫁に行っても時々遊びに来てもいい？」


「あたりまえじゃないの。」

お母様が抱きしめてくれた。





冬が来る。


これから数か月でエンリケ王子は学園を卒業し、俺は最終学年に進学する。
お兄様のところにセレナさんが嫁いできて。

そして、また春が来て学園を卒業したら、俺は…。


まだまだ先のようだけど、きっとあっという間。