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エンリケ王子出遅れる
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王子としての公務も終わり、エンリケ王子は先触れを出してニーノに会いに公爵家に行こうとしたが、ニーノは王弟殿下のところで仕事中であるという。
王弟殿下のところへ行ってみると、二人は外出しているらしく、エンリケ王子は出遅れ感に打ちひしがれながら城に戻ってきた。
「丁度良いところへ。殿下、探していましたよ。」
侍従に言われて父親である陛下の前に行けば、王妃である母親も兄もいる。
そこに何故かニーノの両親も。
「実はおまえたちに縁談の打診があった。ロゼッタ王国の王太子の第一子であるラナ様だ。私としては、断りたいが断りにくい。」
ラナ様は見た目は母親に似てピンクブロンドの甘い、庇護欲を掻き立てる美少女らしい。
「ロゼッタ王国は、私の留学先であり、妻の母国。しかも、妻は王太子の元婚約者でした。かの王太子妃はぶりっ子で腹黒の阿婆擦れで馬鹿でした。娘も似ているようで、王太子は後からかなり後悔したようです。ざまあみろです。王太子が王になれば潰れる国。無視したいところなのですが、我が国以外の国はそんな内情知りません。安易に断れば、我が国が他国に責められるでしょう。」
いつになく宰相が怖い。
「僕はいやです!僕はニーノにプロポーズしたんですよ!」
エンリケ王子が叫ぶ。
「向こうの狙いはカントだろう。」
「…………私は、シリアス公爵家のミーナ嬢を望みます。申し訳ありません。本来は先に話し合うべきなのですが。権力の分散も考えて、ミーナ嬢は辺境伯家に養女に行き、嫁ぎたいと。国民全体の学力や識字率の向上と国の発展について二人で語り合ううち、彼女しかいないと思いました。」
「まあ、ミーナが。それはいい考えですわ。あなた、陛下。お許し頂けるのならば、ミーナを婚約者候補に。日付は操作できます。その上で受け入れましょう。どうせあの女の子は王子以外の有力貴族の容姿が優れた者に色目を使ったり、婚約者を悪役令嬢呼ばわりして陥れようとするのよ。完璧なプランで出迎えてやりますわ。」
宰相夫人の笑顔も怖い。
やだなー。
ニーノや叔父様も狙われるのかなあ。
エンリケ王子はぼやいた。
王弟殿下のところへ行ってみると、二人は外出しているらしく、エンリケ王子は出遅れ感に打ちひしがれながら城に戻ってきた。
「丁度良いところへ。殿下、探していましたよ。」
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そこに何故かニーノの両親も。
「実はおまえたちに縁談の打診があった。ロゼッタ王国の王太子の第一子であるラナ様だ。私としては、断りたいが断りにくい。」
ラナ様は見た目は母親に似てピンクブロンドの甘い、庇護欲を掻き立てる美少女らしい。
「ロゼッタ王国は、私の留学先であり、妻の母国。しかも、妻は王太子の元婚約者でした。かの王太子妃はぶりっ子で腹黒の阿婆擦れで馬鹿でした。娘も似ているようで、王太子は後からかなり後悔したようです。ざまあみろです。王太子が王になれば潰れる国。無視したいところなのですが、我が国以外の国はそんな内情知りません。安易に断れば、我が国が他国に責められるでしょう。」
いつになく宰相が怖い。
「僕はいやです!僕はニーノにプロポーズしたんですよ!」
エンリケ王子が叫ぶ。
「向こうの狙いはカントだろう。」
「…………私は、シリアス公爵家のミーナ嬢を望みます。申し訳ありません。本来は先に話し合うべきなのですが。権力の分散も考えて、ミーナ嬢は辺境伯家に養女に行き、嫁ぎたいと。国民全体の学力や識字率の向上と国の発展について二人で語り合ううち、彼女しかいないと思いました。」
「まあ、ミーナが。それはいい考えですわ。あなた、陛下。お許し頂けるのならば、ミーナを婚約者候補に。日付は操作できます。その上で受け入れましょう。どうせあの女の子は王子以外の有力貴族の容姿が優れた者に色目を使ったり、婚約者を悪役令嬢呼ばわりして陥れようとするのよ。完璧なプランで出迎えてやりますわ。」
宰相夫人の笑顔も怖い。
やだなー。
ニーノや叔父様も狙われるのかなあ。
エンリケ王子はぼやいた。
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