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アップルパイ

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シーザルの実家のシェフが腕によりをかけたランチが広げられる。

ピクルスの酸味で引き締めたハンバーガーにはチーズが入っている。



「まぁ。このチーズ、美味しいわ!赤ワインがあいそう!」マチルダはマルゲリータピザをいただいたようだ。


俺はハンバーガーだな。肉おいしい。




そして、シーザル家はデザートにチーズケーキを準備していた。

紅茶がサーブされる。



「そういえば、ローズの持っていたバケットのものは?」


「あ、あれは―――――


アップルパイなんだけど、どうしよう。
シーザル家がこんなに張り切ってもてなしてくれたんだ。


俺がこんな重いもの出したら、多すぎるよなぁ…。



どうしようかと思っていたら、王弟殿下がさっとバケットをとって、蓋を開けた。


「アップルパイか…。」



「ごめんなさい、勝手なことして。パイはある程度日持ちするから、よろしかったらみんな後で持って帰ってください。」

「私は甘いものに目がないんだ。シーザル。これもカットして、チーズケーキと一緒にもらえないか?」


「殿下……っ。」


「甘いものは別腹って言うだろう?」




やさしい。



「うん、素朴だけど丁度いい甘さと酸味で美味しい。手作り?」

「…はい。」


うれしい。

「母から習って、初めて焼いてみたんですけど…。」

「ローズはお菓子を作るのも上手だね。」


顔がぽぽぽと赤くなったかも。
体が熱くなっちゃった。









顔を真っ赤にして照れているローズ。

アレはどう見てもいい感じだと思う。

時間の問題かな?とシーザルは二人を見ていた。


(だけどやっぱり……ローズがニーノに見えるんだよなあ…。)


「なあ、ローズ。ローズってシリアス公爵家の縁者?」



「えっ…。どうしてそんなことを?」



「いや、ニーノって奴が君によく似ているなって思って。」


「!!!!!」


なんで紅茶がむせた。
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